イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

魂のことを考えてしまう ! (自己愛のことを知ろう 3/10)

2012-09-15 | 第五章「和解と平和」

 自己愛パースナリティ障害のことを考えていると、どういう訳か魂のことを考えたくなる。そして、一昨日は図書館に行って井上円了先生の「聖霊不滅論」を借りて読み、昨日は渡辺昇一さんの「魂は存在するか?」をアマゾンで注文した。今はU先生に教えてもらった「神のめぐみとは」 (J・ドージャ著 E.C.カトリック全書 23)をもう一度読み返している。

 ギリシャ神話の自己愛の話に登場する、ナルシスとエコーは、どうも尋常な死を迎えていない。エコーは山のこだまに。ナルシスは、三途の川に落ちてしまい水仙になった。それも、魂の領域まで、人間存在の本質まで追及せざるをえない、自己愛の問題の深刻さを象徴してのだろう。

 自己愛の問題は、本人周辺の小さな世界だけでなく、広く社会にも影響を与えるケースまである。ヒットラーと自己愛の問題はよく語られるが、社会的に上位のポジションに自己愛の方がなると問題は深刻になる。誰もが自己愛の問題を知るべきだと思うのはそこのところだ。

 自己愛パースナリティ障害について、一般市民向けの良心的かつ実際的な本は、「生き甲斐の心理学」(植村高雄著)だと思う。特に第一章(愛の領域)はとても勉強になる。2008年に改訂された版には事例も二つ掲載されている。興味のある方は、是非!なお、左のアマゾンからも注文することができる。

 さて、今日は魂とは何か?じっくり考えてみようか。自己愛の人と接するときにも、魂の知識は、とても役に立つと思うからである。

 自己愛のことを知ろう 3/10

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難しい時代の自己愛のひと!(自己愛の問題を知ろう 2/10)

2012-09-14 | 第五章「和解と平和」

 東京タワーができたころの時代が懐かしく映画化されたりしている。貧しかったが、人間関係は濃厚で、近所付き合いもあり、いたずらをすれば、平気で誰からも怒鳴られた。同じような新聞を読み、同じようなテレビ番組を見、同じような趣味を持って生活していた。それでも、皆イキイキしていたようだ。

 今は、東京タワーの時代の頃の高度成長からは程遠く、やたらとグローバル化が進んでいる。何処に行っても同じようなフランチャイズの商店が並び、仕事も成果主義やリストラ、コストダウンでギスギスしている。家族もかつての大家族は何処へ?こじんまりと生活している。そして、政治の社会が象徴的だが、カオスが加速されているようにも感じてならない。

 こうした時代。対人関係はより難しくなってくる。さらに、誰も、様々なひずみを受け、心理学者や精神医が指摘しているように、例えば『自己愛パースナリティ障害』の傾向を持った人が増えて来たりしている。

 難しい時代に、難しい人に出会う。そして、そういった人と共に仕事をし、生活をしなければならないことも少なくない。

 さて、こうした時に、一番問題なのは、心の知識がないことがある。もちろん、医者ように病名を診断したりする必要は無いにせよ、一歩深めた知識はとても重要だ。難しい人が問題なのに、自分が悪いとか能力がないと悩んだり、意外な事態に茫然としたりである。ギリシャ神話でもナルキソスと関わったエコーは悲しみの中で、声だけになってしまうという悲劇がある。

 「自己愛パースナリティ障害」の特徴は、誰にでも状況しだいで持ったりするものだが、典型的な8つの特徴があるという。

 テキストにもある、8つの特徴を要約してみよう( 「生き甲斐の心理学」のDSM-IIIの記述133Pを要約)。

 1.自己の重要性、ユニークさに関する誇大感

 2.限りない成功、権力、知性、美、あるいは理想の愛といった空想への没入

 3.絶え間なく注視と賞賛を希求する自己顕示欲的態度

 4.他人からの批判、無関心、あるいは自己の挫折に対して、冷酷な無関心、激しい怒り、劣等感、屈辱感、虚無感などの感情で反応する。

 5.権利の主張;他者からの特別な好意を当然のこととして期待し、それに対するお返しを考えない。意のままにならなかった時の驚きと怒り。

 6.対人関係における搾取性;自己の欲望、出世、支配権のために他者を利用すること。他者の尊厳や権利をないがしろにする。

 7.対人関係が過度の理想化と蔑視の両極端の間で激しく揺れ動く。

 8.共感能力の欠如;他者がどのように感じているかを心で汲み取ることが出来ない。

 なお、DSMの基準は、簡単で判りやすいが、診断は専門の医師に任せるものであり、変に決めつけるのは非常に危険である。私は、この知識を、①自分がエコーにならないようにする糧 ②自分の中にも、そういう傾向がでてきた時の反省材料。③そういう傾向のある方と付き合う。そんなポイントで愛用している。

 そして、こうした難しい人も、40億年生命史を背負い、独自の生育史を背負った尊厳ある人である。

 自己愛の問題を知ろう 2/10

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『生き甲斐の心理学』を何故勉強しているの?(自己愛の問題を知ろう 1/10)

2012-09-13 | 第五章「和解と平和」

 「何で『生き甲斐の心理学』を勉強しているんですか?」。時々、訊かれる質問で、その都度答えるのだが、どうもモヤモヤとしたものが残るのが常だった。

 もちろん、U先生との出会いもあるが、それに至る生育史とその思いもある。

 先に述べた、神との出会い現象も大きい。何故、ありのままの自分を愛し受け入れてくれたか。そういう疑問がどことなくあった。良いところなど無いとこちらは思っていたのに。

 『生き甲斐の心理学』を勉強していくと、ロジャースやエリクソンのパースナリティ理論を学ぶ。そして、自分の生育史を題材に熟考する。幼いころの体験の解釈を吟味することで、明るい解釈が生まれたり、楽しい経験である。

 あるいは、心理学とは直接関係はないが、宇宙誕生から今日に至る歴史も関連分野として勉強する。宇宙、生命史、考古学、神話、比較文化、比較宗教、歴史、文学、脳科学、遺伝子・・・それも、生育史を前向きに学ぶ糧になる。

 そして、勉強を深めるとともに、自分は大量生産の中では作られない、本当に手作り?の存在だと思うようになる。

 今回は、和解と平和というテーマ。自分と同じように、固有の生育史を持った他者との関わり方でもある。まずは、手ごわい自己愛の問題を、『生き甲斐の心理学』テキストを片手に考えてみよう。和解という言葉の対極にあるような感じなのだが。

 自己愛の問題を知ろう 1/10

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イキイキとしている状態とは?(感情から観るゆるし 10/10)

2012-09-12 | 第四章「愛とゆるし」

 「生き甲斐の心理学」では、イキイキとしている状態を、どう捉えるのだろうか。アイデンティティが統合され(自分の哲学・宗教が明確で健全)、心が必要に応じて開放され(防衛機制が正常)、そして現実の判断力が確かな時というのが一つの回答だ。

 別の角度からは、プロセススケールという、心の健全度の尺度もある。その中の一つに感情がある。自分の感情に気づき、そして最良の対応ができるのが良い。感情から思考・行動が上手く回る為の基礎だ。思考がどうどうめぐりするスランプ状態とは対照的。

 今、思うと20歳台後半の仕事でバリバリ働いていた時、40歳台後半からの難問に取り組んでいた時は典型的だった。一日の中の喜怒哀楽がめまぐるしく(それだけ感情・思考・行動が回っている)、押し寄せる難問に必死に取り組んでいるのだが、物事が不思議にトントンと好転していく。直観が冴えわたり、そして感謝心が染み渡る日々(全能感とは違う)。

 <思考・感情・行動>がバランスよく回っている時と言ってもよい。

 さて、この年になってくると、いつも若いときのように高回転状態にいられるわけではない。程よい惰性のありがたさも最近感じる。近くの動物園に行ったり、太極拳をしたり、好きな本を読んだり、気のあった良き仲間と楽しく過ごしたりする。その何ともいえない惰性も良いもんだ。

 感情から観たゆるし 10/10

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呼びかける<声>を考える!(感情から観たゆるし 9/10)

2012-09-11 | 第四章「愛とゆるし」

 先週の土曜日に、不思議なご縁で「ボイスアップ・トレーニング」を受講した。そして、声のプロの宮川晴代先生から指導を受けたが、とても勉強になった。そして、先生の御本を読みながら、声についていろいろ考えさせていただいている。声とは何か、メッセージとは何か・・・そんなことも考えさせられた。

 実は、所属するNPOの仲間が最近、お能を始める方が多く、時々謡(うたい)の話をされ、気になっていたのだ。幼いころは、祖父母の家がとなりにあり、しょっちゅう出入りをしたが、祖父が能を趣味としていたこともあった。

 五感の中での聴覚は不思議だ。五感はそれぞれ特徴があるが、聴覚は明確な自分への方向性を意識させられるメッセージ指向の感覚だ。20年前に父が亡くなったが、その後、父の夢を何回か見たが、一番強烈だったのは、父が私の名前を呼ぶ夢であった。呼ばれて、驚いて目覚めたものだ。聴覚が研ぎ澄まされると他者と自分が強烈につながり、メッセージがどっと押し寄せる。

 その反対に、声を出してメッセージを発信することを考えてみる。声を出して話たりすることは、過去沢山やってきたが、最も印象に残っているのは、7歳の時にアラスカの小学校の時である。全て外国人の中で、初めて声を出したことだ。先生から問われ英語が分らないので、しかたなく日本語を声をだして話したのだが、その時の自信のない声。

 発した言葉は日本語なので、幼いながら相手に通じるとは思えなかった。ただ、その声には感情が載り、それを相手の先生が理解した。コミュニケーションは、単なる言語操作ではなく、生命体の叫びなのだろう。

 カール・ロジャースの心理療法の必要にして充分の6条件から考えると、純粋と一致で受容と共感がある簡潔なメッセージを伝達することなのだろう。

 そして、メッセージを受け思考が変わり、暗い感情が明るい感情に変わっていく。

 感情から観たゆるし 9/10

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