イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

難しい時代の自己愛のひと!(自己愛の問題を知ろう 2/10)

2012-09-14 | 第五章「和解と平和」

 東京タワーができたころの時代が懐かしく映画化されたりしている。貧しかったが、人間関係は濃厚で、近所付き合いもあり、いたずらをすれば、平気で誰からも怒鳴られた。同じような新聞を読み、同じようなテレビ番組を見、同じような趣味を持って生活していた。それでも、皆イキイキしていたようだ。

 今は、東京タワーの時代の頃の高度成長からは程遠く、やたらとグローバル化が進んでいる。何処に行っても同じようなフランチャイズの商店が並び、仕事も成果主義やリストラ、コストダウンでギスギスしている。家族もかつての大家族は何処へ?こじんまりと生活している。そして、政治の社会が象徴的だが、カオスが加速されているようにも感じてならない。

 こうした時代。対人関係はより難しくなってくる。さらに、誰も、様々なひずみを受け、心理学者や精神医が指摘しているように、例えば『自己愛パースナリティ障害』の傾向を持った人が増えて来たりしている。

 難しい時代に、難しい人に出会う。そして、そういった人と共に仕事をし、生活をしなければならないことも少なくない。

 さて、こうした時に、一番問題なのは、心の知識がないことがある。もちろん、医者ように病名を診断したりする必要は無いにせよ、一歩深めた知識はとても重要だ。難しい人が問題なのに、自分が悪いとか能力がないと悩んだり、意外な事態に茫然としたりである。ギリシャ神話でもナルキソスと関わったエコーは悲しみの中で、声だけになってしまうという悲劇がある。

 「自己愛パースナリティ障害」の特徴は、誰にでも状況しだいで持ったりするものだが、典型的な8つの特徴があるという。

 テキストにもある、8つの特徴を要約してみよう( 「生き甲斐の心理学」のDSM-IIIの記述133Pを要約)。

 1.自己の重要性、ユニークさに関する誇大感

 2.限りない成功、権力、知性、美、あるいは理想の愛といった空想への没入

 3.絶え間なく注視と賞賛を希求する自己顕示欲的態度

 4.他人からの批判、無関心、あるいは自己の挫折に対して、冷酷な無関心、激しい怒り、劣等感、屈辱感、虚無感などの感情で反応する。

 5.権利の主張;他者からの特別な好意を当然のこととして期待し、それに対するお返しを考えない。意のままにならなかった時の驚きと怒り。

 6.対人関係における搾取性;自己の欲望、出世、支配権のために他者を利用すること。他者の尊厳や権利をないがしろにする。

 7.対人関係が過度の理想化と蔑視の両極端の間で激しく揺れ動く。

 8.共感能力の欠如;他者がどのように感じているかを心で汲み取ることが出来ない。

 なお、DSMの基準は、簡単で判りやすいが、診断は専門の医師に任せるものであり、変に決めつけるのは非常に危険である。私は、この知識を、①自分がエコーにならないようにする糧 ②自分の中にも、そういう傾向がでてきた時の反省材料。③そういう傾向のある方と付き合う。そんなポイントで愛用している。

 そして、こうした難しい人も、40億年生命史を背負い、独自の生育史を背負った尊厳ある人である。

 自己愛の問題を知ろう 2/10

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