イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

魂で感じる縄文の旅3/3!(魂で感じる① 3/10)

2014-11-12 | 第十章「今ここでの恩寵」

 今日の 「マッサン」も、ウィスキー造りからちょっと遠のいて迷走するマッサンを描いていた。ついにパン作りになるのだろうか?しかし、自分の胸に手をあててみると決して笑えない。U先生の「生き甲斐の心理学」に出会い、臨床心理学をいろいろ学んだが、自分の悔いのない人生を選ぶ過程は今のマッサンにとても似ている。心の防衛機制(抑圧、抑制、逃避、感情転移、…等14くらい)があることもあり、意外に自分の道は自分でも見つけにくい。大事な自分のミッションともいえる仕事や配偶者の選択でも。

 自分のことで恐縮だが、人生の後半戦の今、前半戦の試行錯誤で得た柱は感じるものの、やはり防衛機制もあり、自分の道は実に暗中模索のところがある。特に私の場合、生育史の関係もあり、これで良いのか?という疑惑感が心の基調にあるようで、今回の杖突峠で濃霧が日常の中でよく顔をだすように感じる。しかし、そんな私であっても、不思議な出会いや周りの方々のお蔭で、いつの間にか今に到達した。そして、前にもお話したが、何となく日本文化の中で違和感を感じる自分を振り返る旅に出たのだ。

 今回の旅は、井戸尻遺跡などの縄文中期(今から5000年くらい前)ごろを意識した旅であった。一世代25歳とすると、200代前である。200代というとピンとこないが、祖先の数は理論的には2の階乗で数えられるので(両親は2、祖父母は2X2=4、曽祖父は2X2X2=8・・・)計算すると、33世代前で現在の世界人口の72億人を越えてしまう。825年くらいでだ。当然、当時の日本の人口は今よりずっと少ないので、祖父母が重なるなどしていたことが判るが、自分の祖先は古い時代ほど、より時代そのもののように関わり、しかも、どんな時代の瞬間にも祖先は生き続けていることに気付く。

 それにしても200代というのは、その時代に生きていた祖父母たちが自分の血と繋がる可能性は高いこともあり、そのゆかりの地は身内の地のように感じてならない。もちろん、血のつながりだけでなく、それに関わる多くの人たちの働きのことまで考えると、自分の今も実に不思議に想える。

 さまざまな不思議な関わりの中で、自分の悔いのない道を探していく、マッサンのように、いろいろ暗中模索をして他者からはへんに思われることもあると思うが、他者に支えられ、そして結局は自分で選ぶ道だが、なんとなく自分の方向を見出してくる。そんなことかな。

 さて、旅の二日目を追っていきましょう。

 二日目は、前日の晩に読んでいた、田中基さんの「縄文のメドゥーサ」の影響もあり、諏訪大社の特に上社にも関わりがあると思われるいくつかの地を訪問しました。あいにく雨と霧でしたが、これも不思議なもので自分にとっては良い経験になったかもしれません(やせ我慢?)。

 早朝は、蓼科の自由農園で、東京ではあまり買えない信州の野菜やおやきなどの買い物。食材は豊富で、様々なマメ類、根菜類、そば、イナゴやハチの子など、イノシシやシカの肉まで。縄文時代からの文化は今でも息づいているようだった。

 そして、前日に探してもわからなかった阿久遺跡を探し当て、その見物を。遺跡のある原村はペンションや別荘で有名なリゾート地のようだが、縄文時代の遺跡が集中する場所でもある。縄文遺跡のあるところは住みやすいという知恵は確かかも。

 阿久(あきゅう)遺跡は縄文前期(5,6千年前)の大規模な環状配石(ストーンサークル)等の遺跡で、大規模な祭儀が行われたようで、縄文時代のイメージを完全に覆すような発見だったようだ。諏訪大社の古層の神とのつながりを考える研究者もいて、今とつながる縄文時代を考えるには最高の遺跡かもしれない。

 また、阿久遺跡は縄文前期の遺跡であり、日本で有名な大湯遺跡を含めストーンサークル遺跡で最古の一つであり、規模も大きく驚きです。ちなみにイギリスやスペインのストーンサークルと比べてもひけをとらないようです。

 場所は、中央道の原PAのごく近くで阿久川と大早川に挟まれた丘陵。中央に直径約100mの環状配石群があるそうですが、現在は埋め戻され、今後公園化も考えられているそうですが、現在は不思議な動物の彫刻などが、何となく雰囲気を出していますが普段は人気もない場所のようだ。

  

   

  

  

短い動画も撮りました、どうぞ! https://www.youtube.com/watch?v=rvZTXaDkWmQ&index=1&list=UUmPicDdA_iDtdKvWleSoREQ

 雨が降り、遠くの山々は雲に覆われてしまっていたが、誰もいない遺跡に佇んでいると、とても穏やかな気分になってくる。7歳の時にアラスカに約1年住んだことがあるが、その時に家の近くの公園のトーテムポールの前に佇んでいたことを思い出す。カラスとか動物が掘られたポールの前に一人立っていると何か心が穏やかになってくる。そんな原型と繋がったようだ。雨の中で不思議な時間を経験することで、ふと何か悲しみが湧き起こってきた。「もののあわれ」を味わったようで、自分の防衛機制がいくつか外れ、こころの奥の何かが顔を出したのかもしれない。

 皆様もお時間があれば、一度訪れたらと思う。場所は判りにくいが、中央道の原PAをめざし、見つけたら、PAを諏訪方面に数百メートル中央道沿いに行く阿久遺跡だ。こんもりとした林と立て看板が目印だ。

 そのあと、やはり聖地でもある諏訪湖の近くの杖突峠に国道152号線で登った。生憎の霧で何も見えず、蕎麦屋さんの展望説明写真で景色を妄想しただけであった。今回の旅は、日本の東西を文化的にも寸断するフォッサマグナ(中央地溝帯)と日本の背骨ともいわれる、中央構造線(メディアムライン)が交差する特異なところで、地政学的にも重要な場所だ。そして、その特異点が杖突峠あたりで、そこに立つと何かが判るかとも思いやってきたのだ。

 しかし、車で楽に登ったのがいけなかったのか、景色を眺望できなかったのは残念。今度は心を入れ替えて、今まで、大和三山、三輪山、二上山と徒歩で登ったように、気持ちを新たにして杖突峠や守屋山に挑む必要があるようだ!

  

 次に、諏訪市博物館に行った。博物館は上社本宮のそばで、阿久遺跡からも車で20分程度であった。御柱祭のビデオをはじめ湖の海底の縄文遺跡の展示など興味ある展示が行われていた。当日は宮大工さんの講演があったが、時間の都合で聴けなかったのが残念だった。しかし、諏訪の御柱祭を理解することで、夏から訪問してきた諏訪大社、霧ヶ峰や八島湿原、茅野市の遺跡群が繋がってきて嬉しかった。前の晩に「縄文のメドゥーサ」を読切ったこともよかったようだ。

 そして、上社本宮と前宮の間にある茅野市神長守矢資料館(じんちょうかんもりやしりょうかん)に寄った。入場料100円で、素晴らしい建築(藤森照信氏)も見学できるし、諏訪大社の古層の神であるミシャクチを祀る社、社叢が見物できる(ご神体は守矢山)。ここで、館の方に実に詳しく説明をいただき、雨の中で訪問したことを感謝した(人が多ければ、こんな説明も受けられなかったろう)。因みに、この館に日ユ同祖論を信じて見学にくる人の雑談も聴かせてもらった。旧約聖書のモリヤやイサクの話が御頭祭などの不思議な神事と繋がるということで、私もかつて何冊か興味深く読んだことがある論である。まあ、私は最近の遺伝子人類学で、5-6万年前は現生人類は全てアフリカに居たという単元説が定説になったこともあり、興味はあるものの、以前ほど関心がなくなってしまった。

 我々の祖先である縄文の人が作った土器の図像が、その同時代で世界的に観てもかなり似通っており、もともと5-6万年前の宗教が土台にあったのか、不便な時代とはいえ交易等で相互の文化交流があり宗教が似通ったのだろう。次の写真は井戸尻考古館で観たものだが、それを雄弁に物語っており私は感動してしまった。日本の古層(少なくとも5,6千年前)は世界的にみれば殆ど同じ、月の文化(死と再生)の文化だったのだ。

 

 さて、守矢記念館での写真をいくつか・・・

 

    信玄の必勝祈願をした場所

    ミシャクチ社

 鹿の頭蓋骨が捧げられていました

 ミシャグチ者から記念館を望む

   写真ではちょっと異様な建物に観えますが、現代建築としても有名です。

    今でも祭りで・・・

日本人は米作の文化もあるが、狩猟採集、漁労・・・いろいろな文化の集合体であることに気付かされる。

最後に、守矢資料館で日本の古層を実感したあとで、諏訪湖畔にある片倉館に寄った。十年前に一度寄った温泉であったが、最近知人に教えられたこともあり再訪した。何か誤解をしていたようで、昔の工場を改築したような印象をもっていたが、昭和3年に建設された浴場で外国での地域福祉の現状を視察旅行でしった片倉氏が、地域福祉を目的に作った浴場だった。湯船は勿論腰かけるところもあるが、110cmと深く、温泉を堪能するには最適であった。感謝・感謝!

今回の旅、アースフィーリングを感じたり、本をむさぼり読んだり、いろいろしたが、縄文文化の理解を深めることで、自分自身への変な不安感、私の信仰は日本人としてちょっとヘンではないか?に一つの回答・解決を与えてくれたようだ。勿論、エリアーデの宗教学や縄文文化などの歴史をより知ることへの好奇心はますます旺盛である。

魂で感じる ③ 3/10

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ 人気ブログランキングへ <・クリック応援いつも感謝しています! o(^▽^)o

 

 

 

 

 

 



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。