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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

「あの世」のイメージを膨らます!(こころの解放 10/10)

2011-09-19 | 第三章「無意識の世界」
 欧米では、身体の病気は医者に、こころ(成育史を中心にした)の病気は心理療法家へ、魂の問題は宗教かへという図式があるそうだ。

 キリスト教の人間観がかなり影響していると思う。

 さて、日本はどうであろうか?今でも印象深いのは、NHKで東日本大震災の後に、ドキュメントでこころのケアの問題ということで、津波で身内を亡くされた方の罪悪感に悩む方をカウンセリングする場面が録画されていた。

 その時、何故宗教家ではなく心理療法家がケアするのか、とても違和感があった(少なくとも、その時の場面は宗教家が相応しかった)。

 さて、こうした日本の文化はいったい何だろう?

 冷戦後の世界を予測するため、1990年代に「文明の衝突」(サミュエル・P・ハンチントン)が盛んに読まれた時期があった。私も、心理学の勉強で比較宗教学を学ぶ中で熟読した。冷戦後の1990年以降は世界は9つの文明を中心に考察すると説明できるという趣旨なのであるが、日本は9つめの文化として描かれていた。仏教圏でも中国文化圏でも、西欧文化圏でもない文化として独立して描かれている。

 儒教の影響をハンチントンは考えたのだろうが、意外とあたっているようにも思える。日本独特の宗教観をどう捉えるか。とても興味が尽きないところでもあるが。

 私も還暦を今年迎え、あるいは、介護や福祉の世界にも関係したためか、人間の死生観に関心をだんだん持ってきている。その中で、あの世のことを考えたりしたが、意外にも、あの世のイメージは漠然としていた。不可知論的に、考えてもしかたがない分野かもしれないが、こころの深層ではそのイメージは大切だと思う。さらに、こころのケアを志す人には大事だ。きちっとしたイメージをもつことは、こころの安定に繋がるからである。

 私は、あの世というと、やはり天国を考えてしまう。父が亡くなったとき、浄土真宗で導師のかたが、父は浄土に往生されましたと断言されたことを今でも思い出す。そして、その後法要のときに唱える仏説阿弥陀経も、浄土の描写を中心にしたお経だと知った(個人的には、金ぴかのイメージはあまり好きではないが。)。

 私はカトリックであるが、基本的に人は皆、天国に行けると考えている。それゆえ、あの世は天国のイメージであるが、やはり日本人なので、たぶん西欧人とは違ったイメージだと思う。これが浄土だ天国だというイメージを人から示される機会もあるが、ピンとこない。自分独自のイメージというのがあるのだろう(成育史で培われた)。

楽しいあの世のイメージ。時にいろいろイメージしてみたらどうだろうか?

こころの解放 10/10

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