貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ゼノタイム

2022-12-02 17:51:03 | ややレア

イットリウム? 何じゃそれ。
ああ、YAGというのがあったな。イットリウム・アルミニウム・ガーネット。人工宝石で現物は見たことがないけどなかなか美しそう。
しかしイットリウムって何じゃ? 希少金属か?
と思いきや、地殻にはけっこうある。質量比で29ppm。鉛や銀よりはるかに多い。遷移金属で希土類、つまり「レアアース」に属する。とのこと。(わかってないのねw)
発光体とか超伝導体とか用途はいろいろ。人体にも微量含まれるが働きは不明。ありゃ、あちきの中にもあるのかよ。

ゼノタイム(Xenotime)はイットリウムのリン酸塩。YPO4。
この奇妙な名前は「kenotime=虚しい名前」の「誤植」によるものだという。込み入った話なのでこちら参照。普通に読んじゃうと「異時間」ですな。素敵な名前ではないですか。(ギリシャ語と英語のちゃんぽんは無理だろうよ)

こりゃレアストーンでしょう。と、ポチッ。安い。さすがミネラルクエストさん。とても小さいけど。

基本的にはオレンジだけど、青く輝いたりする。

どうもほかにも色々な色が揺らめく。

希元素鉱物、希少鉱物ということであまり見た目には期待していなかったけれど、どっこい、美しい石です。小さいというのもいかにもレアストーンぽくていい。なんか愛おしい。

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けっこう珍しい元素の石というのがあるもので。

ストロンチウム →セレスタイン(セレスティン、Celestine 天青石)SrSO4
これ今あちこちで売ってるけど高かったり安かったりわけのわからない石。

モリブデン →ウルフェナイト(Wulfenite モリブデン鉛鉱) PbMoO4

バナジウム →バナディナイト(Vanadinite バナジン鉛鉱、褐鉛鉱) Pb5(VO4)3Cl

タングステン →シェーライト(Sheelite 灰重石 CaWO4)

持ってないけどほかにもウラン、スカンジウムなど挙げれば切りがない。
エヌズミネラルさんには「希元素鉱物」というカテゴリーがあって面白そうな石がいっぱいある。まあなかなかの値段ですけど。

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「周期表」というのを改めて眺めてみる。懐かしい、というのは嘘で、理系の勉強をあまりしなかったあちきには疎遠な感じ。
初めて周期表を見た時の感想は、「何だよ、世界って全然整然としてないじゃないか」というものだった。何でこんな変な格好なのか、と。いまだにそう思う。
いやもっと根源的に、「何で粒々の数が違うだけで全然違う〈物質〉ができるのさ」という疑念も湧いた。いまだにそう思う。
物質というのは謎ですな。粒々をさらに細かく割って素粒子なんかになるともっとわけがわからなくなる。『量子論がみるみるわかる本』という超入門書を読んだけど、「言っている言葉の意味はわかるけどどういうことがさっぱりわからん」という状態だった。「観察しないと物は存在しない」とかね。んなわきゃないだろうが。

まあこうやって珍しい元素と仲良く(?)なれるのも、石集めの面白いところですね。


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