貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

鉛鉱物

2024-02-25 12:31:47 | お便利メモ

亜鉛総ざらいをやったんだから鉛も、と思ったけど鉛鉱物というのはえらくたくさんある。鉛は地殻中の存在度では亜鉛や銅より少ないのに。どうも多くはガレナからできる二次鉱物みたいだけど。
多すぎるので有名どころだけ挙げて誤魔化す。(おい)

  ガレナ(Galena 方鉛鉱) PbS
  アングレサイト(Anglesite 硫酸鉛鉱) PbSO4
  セルサイト(Cerussite 白鉛鉱) PbCO3
  クロコアイト(Crocoite 紅鉛鉱) PbCrO4
  パイロモルファイト(Pyromorphite 緑鉛鉱) Pb3(PO4)3Cl
  ミメタイト(Mimetite ミメット鉱) Pb5(AsO4)3Cl
  バナディナイト(Vanadinite 褐鉛鉱、バナジン鉛鉱) Pb5(VO4)3Cl
  リナライト(Linarite 青鉛鉱) PbCu(SO4)(OH)2
  モットラマイト(Mottramite モットラム石) PbCu(VO4)(OH)
  ボーノナイト(Bournonite 車骨鉱) PbCuSbS3
  ジェームソナイト(Jamesonite 毛鉱) Pb4FeSb6S14

山口大学工学部学術資料館「元素別鉱石(鉛・亜鉛鉱)」にはいろいろ列挙されてる。けどこのリストにはバナディナイトとかクロコアイトとかは入っていない。「鉱石」じゃないのかな。地学屋と石沼民との関心の違いというものあるかもしれない。

あんま持ってない。一級品でないものもある。まあそれでも。

ギャリーナ(米国か?) はピッカピカでとっても美しい。

うちのセルサイトはお安いものなのでじぇんじぇん「白」鉛鉱ではない。でもこのヘビーな感じはとても好きです。針が複雑に発達しているのが欲しいけど、高くて。

このクロコアイトはもともとホリさん出なので美品。

バナディナイト……どうもヴァナディナイトと書きたいけどバナジウムがバなので仕方ないか。これもお安いもの。色はなかなかなんだけど、おっきな結晶のがちょっと欲しい。(欲をこくでない)

リナライトは美しい青。なかなか。むしろ銅鉱物かな。

こんなもんだけど、これだけですら並べてみるとばんらばんら。

なんですかね、鉛って。わけわからん。


パイロモルファイト:リン酸塩の不思議

2024-02-25 10:12:08 | 単品

Pyromorphite、緑鉛鉱。Pb3(PO4)3Cl。
鉛のリン酸塩だけど Cl がくっついてる。変なやつ。
ずいぶん前、ミネラルフェスタでえらくお安くゲットしたもの。
当時はあんまり感動しなかったのだけど、今回石の整理をしていたら、やけにピカピカと輝いていて、「ほお」と驚いたのです。



この石は強い光だと美しくなるようで、ちょっと暗い部屋だと地味~にしているらしい。



美しいクラスターがあちこちで売られているので、見慣れた人には響かないかもしれない。けど、あちきにはピカピカで美しいです。
それと、何よりの魅力は、「重い」。鉛だから。ずっしりくる石はいいですねえ。

和名は緑鉛鉱だけど、いろいろな色がある。結晶の形も。
ぜひ mindat のフォトギャラリーを見ていただきたい。百花繚乱で実に楽しいです。なんでこんなに多彩なのだろう、と。
ちょっとキャプチャー画像を。これは一端。



いろんな姿のパイロモルファイトを集めたくなったりして。

ところで、前記事を上げた後思ったんですけど、フォスフォシデライトとかヴィヴィアナイトというのは、鉄のリン酸塩。鉄というのは地球の骨格をなす重厚な金属。それが美しい色で透明になる。実に不思議ですねえ。「岩石・鉱物も進化する」という観点から言えば、それらは原初的な様態から水を介して進化した、地球特異な鉱物と言えるかもしれない。
ちょっとヴィヴィアン君、再登場。(ヴィなのかビなのかどっちかにしなさいな)



そしてこのパイロモルファイトも、鉛という重厚な金属が美しい透明結晶になっている。これもまた地球特異な進化鉱物ではないか。
それに協力しているのはリン酸。リン酸塩鉱物には美しいものが多い。不思議な酸ですね。何なんだろう。


青いフォスフォシデライト

2024-02-23 08:50:59 | ややレア

これが同じ石?

あのフォスフォシデライト。Phosphosiderite、斜燐鉄鉱。Fe3PO42H2O。鉄のリン酸塩ですね。ヴィヴィアナイト (藍鉄鉱、Fe3(PO4)2・8H2O)と組成的にはそっくり。姿は全然違うのに。

何回か書いたけど、最初この石のブレスレットを見て驚愕したのです。

あんまりにもすごい色なので人工着色かと疑っていたら、原石を見つけて。それを磨いて。

不思議な藤色の石だけど、青のものがあることは途中で知った。見てみたいなあと思ったものの、あんまりぱっとしないし値段も高いのでパスしていた。で、今回、ハッピーギフトさんで美しそうなのが比較的安く出ていたのでゲット。

藤色と同じく、マットな質感で透明度はあまりないけど、美しい青。



ところが微細に見ていくと、透明度のある美しい結晶もある。おやおや。



もっとアップすると、耽溺したくなる青の世界。



大きな透明結晶が出ないので人気はないけれど、いい石です。

そう言えば、前に「フォスフォシデライトは単独では出ない」と書いていたところがあった。ちゃんと出てますね。ついでで言えば、あちきも乗っかっちゃったけど「カコクセナイトは単独で出ない」というのもあったし、「アデュラリアはアデュラレッセンスを見せない」というのもあった。鉱物の世界は広い。あんまり断定はしないのがよろしいようで。


亜鉛鉱物

2024-02-21 20:57:23 | お便利メモ

亜鉛というのはけっこう身近な感じのする金属なので、地殻中にもたくさんあるのかと思ったらそうでもない。銅と同じくらい。
銅鉱物は二次鉱物も含めるとものすごく多種だけど、亜鉛鉱物というのはあんまり多くない。整理というかおさらいというか、管見に入ったものを並べてみる。

【硫化】 スファレライト(Sphalerite、閃亜鉛鉱) (Zn,Fe,Mn,Cd)S
     ウルツァイト(Wurtzite、ウルツ鉱) ZnS
【酸化】 ジンサイト(Zincite、紅亜鉛鉱) ZnO
     フランクリナイト(Franklinite、フランクリン鉱) (Zn,Fe,Mn)(Fe,Mn)2O4
     ガーナイト(Gahnite、亜鉛スピネル) ZnAl2O4
【珪酸】 ヘミモルファイト(Hemimorphite 異極鉱) Zn4Si2O7(OH)2・H2O
     ウィレマイト(Willemite) Zn2SiO4
【炭酸】 スミソナイト(Smithsonite、菱亜鉛鉱) ZnCO3
     ローザサイト (Rosasite、亜鉛孔雀石) (Cu,Zn)2(CO3)(OH)2
     オーリカルサイト(Aurichalcite、水亜鉛銅鉱) (Zn,Cu)5(CO3)2(OH)6。
     ミンレコーダイト(Minrecordite) CaZn(CO3)2 *ウィキは「ミレンコーダイト」と誤記。
【硫酸】 ジンクメランテライト (Zincmelanterite、亜鉛緑礬) (Zn,Cu,Fe)SO4・7H2O 
【砒酸】 アダマイト(Adamite アダム石、水砒亜鉛鉱) Zn2(AsO4)(OH)
     レグランダイト(Legrandite、レグランド石) Zn2(AsO4)(OH)H2O
【燐酸】 フォスフォフィライト(Phosphophyllite、燐葉石) Zn2Fe2+(PO4)2・4H2O
     ヴェゼリアイト(Veszelyite、ベゼリ石) (Cu,Zn)2Zn(PO4)(OH)3・2H2O。
     ホープアイト(Hopeite、ホープ石) Zn3(PO4)2・4H2O *ウィキにはなし。
【バナジン酸】 デクロイザイト(Descloizite、デクロワゾー石) (Pb,Zn)2(OH)VO4

案外持ってるな。亜鉛と意識してないだけで。

亜鉛鉱物の筆頭と言えばスファレライト、閃亜鉛鉱でしょう。汎産で亜鉛採取の原料として最も広く利用されている。日本でもたくさん出るらしい。
色も姿も多彩だけど、うちにいるのは赤がきれい。スペイン産。カドミウムを含むと赤くなるそうで。



ウルツァイトというのはスファレライトの純粋亜鉛形みたいなものだけど結晶形が違うとか。商品としてはあまりない。純粋種だから稀産なのか、いちいち分析するのがめんどくさいのか。(んなあほな) 赤い石らしい。うちのシャーレンブレンド君に含まれているかもしれないけどあちきには判別不能。この真ん中の赤いのかな?

ジンサイトはジンカイト? 亜鉛はジンクだからカだろうけど綴りを素直に読むとサですな。困ったものだ。天然ではあまり出ず、亜鉛工場の煙突にできるやつが出回っている。これは人工鉱物なのか天然鉱物なのか。スウェディッシュ・ブルーみたいなスラグ鉱物は人工だろうけど、銅鉱山の坑道の水滴に生成するカルカンサイトは天然とみなしたりする。わからん。
あちきの持ってるのは小さいけど、キラキラしてきれい。淡いピンクのかわいい色合いなんだけどなぜか写真では全然別人。ポーランド産。

フランクリナイトは既出。共生しているウィレマイトとかが美しく蛍光するのを横目にご当人は無反応。真っ黒で愛想がない。亜鉛鉱物というより鉄とマンガンの鉱物ですかな。

ガーナイトは亜鉛スピネル。特にナイジェリアで産する青い宝石質のものは珍重されている。高くて手が出ない。けど、ガーナイトがすべて青いわけでもないし、スピネルが青ければ即ガーナイトというわけでもない。これは長垂のペグマタイトに入っている小さな結晶。



ヘミモルファイトとウィレマイトは前記事と前々記事。

スミソナイトは既出。色は多彩で美しい標本もたくさん出回っている。これはあちきにとっては美しい奴なんだけど、見せびらかすほどのものではごじゃりません。メキシコ産。

ローザサイトはついこの間上げた。スミソナイトに銅と水が加わった組成。銅のせいか青の色が深い。わりとレアか。



オーリカルサイトも上げたばかり。これも亜鉛鉱物か銅鉱物か。

ミンレコーダイトとジンクメランテライトは超稀少石。ないことにしよう。(こら)

アダマイトは砒酸塩という珍しい御仁。これは以前ミネラルショーで買ったのだけどもうひとつインパクトがないように思えてここには上げなかったらしい。ドゥランゴ産。改めて見返してみると、キラキラで美しい。

レグランダイトは持ってない。組成的にはアダマイトとそっくりさんなのにえらく稀少。いろいろな色があって、黄色の宝石質のものはとんでもなく高い。しかし「レグランド石」は「ルグラン石」でないとおかしいぜよ。

フォスフォフィライトは亜鉛鉱物の一番の華かもしれない。リン酸塩ということもあるのか美しい。人気があって高価。あちきのはお見せするほどのものではないけど。過去記事はこちら

ヴェゼリアイトは既出。美しい。

ホープアイト、発音的にはホーパイトかな。は超レアストーン。持ってるわけない。

デクロイザイトも既出だけど国産もので見栄えはよろしくない。バナジン酸塩という珍しい鉱物。

ううむ。レグランダイト、ホープアイトかあ。まあそのうち。


ヘミモルファイト再び

2024-02-18 12:16:32 | 単品

ヘミモルファイト。Hemimorphite、異極鉱。Zn4Si2O7(OH)2・H2O。
前にも一度小さなカボッションを上げたんですけど、この石の色はなんかいいなあと思っていたところ、ヤフオクでほわんとした美しい標本が出た。

中国雲南省産。約26㎜。
クォーツとカルサイトに混じっているためにライトブルーがボワッと拡がっていて、なんとも美しい。小さいけどカキっとした結晶もあるし、とてもいいです。


そしてもう一個、ヤフオク。これも雲南省産。
ドゥルージーな微小結晶が集まったもの。いや、水晶でコーティングされているのかな。

この色はたまりません。

ヘミモルファイトには無色透明なものもあって、その手は大きな結晶があるけれど、青いのはあまり大きくならずモコモコっとした球状結晶が多い。どういうことなんでしょう。

なお、mindat には、2020年頃からオハエラ産のヘミモルファイトで着色したものが出回っているので要注意という警告がある。うーむ。コビャシェヴァイトもそうだったけどオハエラ産鉱物にはいろいろ問題があるみたいですねえ。メキシコかあ。むにゃむにゃ。
こんなんらしい。

あんまりどぎつい色のもの、青なのに結晶が大きいものは注意が必要でしょうね。

さて、ヘミモルファイトは、Zn4Si2O7(OH)2・H2O。意外なことに、亜鉛の珪酸塩というのはこれとウィレマイトだけ。はて、ウィレマイトはどんな石だったっけということでネットを探って、前記事のレア石へ出くわした次第。
で、今度は亜鉛鉱物を改めておさらいすることにしましょう。つづく。