貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ウルフェナイト――モリブデンって何だっけ?

2021-11-06 18:35:54 | 単品

モリブデンって、確かに聞いたことはある。
何だっけ。(学生時代は太古のごとく昔、だね)

ウィキさん、助けて。
《モリブデンは、人体(生体)にとって必須元素で、尿酸の生成、造血作用、体内の銅の排泄などに関わる。微生物による窒素固定で働く酵素(ニトロゲナーゼ)にも深く関わっており、地球上の窒素固定量の70%以上は、モリブデンが関与していることになる。》
はええ。人体での役割もすごいけど、最後の一文に仰天。あんまり知られてない(お前が知らんだけだろ)けど、縁の下の力持ちみたい。

で、ウルフェナイト。

えらく美しい。赤の発色が素晴らしい。赤い石はだいたい高いけど、そんなでもなかった。
で、モリブデン鉛鉱と書いてある。珍しい金属が入っていると、やはりわくわくする。
しかし、モリブデンとは何ぞや、となったわけ。

ウルフェナイト(Wulfenite)は、PbMoO4。モリブデン酸塩鉱物というのは珍しい。そんな酸があるんですな。
ウルフェナイトの名前は、18世紀の博物学者フランツ・ザーフェル・フォン・ヴュルフェン(Franz Xaver Freiherr von Wulfen、オーストリア・ハンガリー人、イエズス会神父)から。(なげーよ)「ヴュルフェナイト」が本来であって、ウルフ(狼)とは関係ない。あちきとしては狼のほうが素敵だと思うけど。

工業用モリブデンはその名もすばりのモリブデナイト(Molybdenite 輝水鉛鉱 MoS2)から採取される。こちらは「見た目は雲母や石墨に類似しており、これらと同様に完全な劈開を持つ」(ウィキペディア)とあって、あまりコレクション向きではなさそう。けど、時々ネットで見かける結晶は銀色でなかなかきれい。

色鮮やかで美しい。結晶面の輝きもいい。へたなインカローズよりビビッドな赤でいいかも。オレンジや黄色のものもあるようです。

ちなみにモリブデン酸ではなくクロム酸になるとクロコアイト(紅鉛鉱、PbCrO4)。これも赤い。これは同形とは言わないのかな。
鉛が赤いわけでもなく、モリブデンやクロムが赤いわけでもなく……何が赤いんだ?


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