貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

イエロー・アパタイト

2024-08-09 09:00:38 | 単品

黄色つづき。
前にもちらと書いたけど、『宝石と岩石の大図鑑』(翻訳本)に「メキシコ産で鮮やかな黄色のアパタイトがあったのだけどあまりに人気が出て掘り尽くされた」とあったので、へえ、どんなんだろうと思っていた。mindat フォトギャラリーのアパタイトにもメキシコ産はない。
そしたらクリスタルワールド御徒町さんのサイトにイエロー・アパタイトが出ていて、「Mercado Mine Durango Mexico この鉱山は美しい結晶を沢山産する事で有名でしたが現在は閉山したらしく、今後入手が難しくなるかもしれません」とあった。おやおやと思ってポチろうかと思ったけど、ちょっと色が薄いのでヤフオクを探したら、鉱山名はないけどドゥランゴ産とあって何かキラキラするのが出ていたのでポチってみた。(ぐだぐだw)

黄色はちいと薄い。かすかに緑を帯びているようにも見える。
けど、中が虹色に輝く。



イエロー・アパタイトのつもりがイエロー・レインボー・アパタイトになってしまった。インクルージョンのせいかクラックのせいかは老眼なのでよくわからない。


イエロー・アパタイトはパキスタンとかマダガスカルとかでもあるらしい。むちゃ高価なルースがヤフオクにも出ている。ものすごい黄色ガンガンかというと、そうでもない。やっぱ黄色というのはなかなか難しい色ですね。

ところで、mindat には「カザフスタン産のアパタイトの中には、日光下では黄色味を帯びた緑が白熱灯下ではピンク・オレンジに変わる“アレクサンドライト効果”を見せるものもある」と書かれている。
こやつはどうかとやってみた。

はは、妖しい色。これはアレクサンドライト効果=カラーチェンジですかね。それとも単なる反射?w

思ったほどの黄色さではなかったけど、面白い、美しい石です。


レモンクォーツ

2024-08-07 20:09:17 | 単品

なんか最近ちょくちょく見る。淡い黄色の水晶。
シトリンとはちょっと違う色合い。面白そうだからお安いのを買ってみた。ブラジル産。




少し緑がかった、はかなくていい色なんだけど写真じゃ出ない。

硫黄入り水晶とも言われるけど、「ネガティブ・エネルギーを駆逐する」とかいうスピ系の説明ばかりで、科学的な記述は見つからない。
mindat さんは「はは、シトリンでっせ」と素っ気ない。(「はは」とは言ってないだろw)
硫黄と珪素は仲が悪いのだから、硫黄入り水晶だとしたら案外珍しいのかもしれない。もっとも水晶というのは水だろうが油だろうが構わずくわえ込む豪傑だから、硫黄だって「うげ」と思いつつ飲み込んでしまうのかも。
まあよくわからんのです。
しかしこの色はいい味わい。
ちょっとブラジリアナイトに似ていなくもない。



素姓はよくわからないけど、いい石ではないかなと思うのです。


スターマナイト

2024-08-04 10:50:43 | ややレア

「黄色のレア・ストーン」が出ていたのでゲット。
スターマナイト(ストゥルマナイト)。Sturmanite。
Ca6Fe3+2(SO4)2.5[B(OH)4](OH)12・25H2O。硫酸塩鉱物だけどホウ素や水がくっついていてやたら複雑。2.5って何じゃい。Fe はアルミニウムないしマンガンに交代することがあるとのこと。三方晶系。エトリンガイト・グループ。水だらけで熱水性の鉱物なんでしょうね。けどあんま見たことがない。
1981年に認定された割と新しい鉱物。名前はクロアチア系カナダ人鉱物学者 Bozidar Darko Sturman(1937-2019)から。遡ってクロアチア語で何と読むかわからないけどカナダ人なんだからスターマンですわな。

かの有名な南アフリカ共和国北ケープ州 N'Chwaning II鉱山産。出品者さんいわく、「この産地のものは鉄の一部がマンガンに置換しているとも考えられています」とのこと。
黄色が売りだったのだけど、通常光だとちょと赤っぽい。ンチュワニンⅡはマンガン鉱山だからマンガンが強いのでしょう。

強い光を当てると、俄然やる気を出して黄色に輝く。この色と輝きは素晴らしい。



小さな結晶の集合の小さな標本だけど、美しいです。

ずっと前にも書いたけど、黄色い石というのは、案外少ない。
おまけに透明度が高いと黄色は頼りない。赤や青だと透明でも赤ガンガン、青ガンガンになるけど、黄色は黄ガンガンにならない。なかなか難しいものです。