古代日本国成立の物語

素人なりの楽しみ方、自由な発想、妄想で古代史を考えています。

◆欠史八代

2016年12月15日 | 古代日本国成立の物語(第一部)
 書紀には初代天皇である神武天皇の治世のあと、第10代の崇神天皇までに綏靖天皇、安寧天皇、懿徳天皇、孝昭天皇、孝安天皇、孝霊天皇、孝元天皇、開化天皇の8名の天皇のことが記されている。いわゆる欠史八代といわれ、これまでの歴史学においてはこの8名の天皇は実在しなかったという説が有力であったが、最近では実在説も提唱されるようになっている。非実在説の主な根拠は次のようなものである。

-中国の革命思想である辛酉革命の考えをもとに神武天皇の即位を紀元前660年(辛酉の年)にさかのぼらせて皇室の起源の古さと権威を示すためにこれら八代の天皇を偽作した。
-日本書紀における初代神武天皇の称号「始馭天下之天皇」と、10代崇神天皇の称号である「御肇國天皇」はどちらも「ハツクニシラススメラミコト」と読め、初めて国を治めた天皇が二人存在することになる。本来は崇神が初代天皇であったがそれより以前の神武とそれに続く八代の系譜が付け加えられた。
-この八代の天皇の記述は他と違って主に系譜のみで事跡の記述がほとんどないことから、系図だけが創作された。

 非実在説は天皇の実在性のみならず、記された内容そのものを否定していると思えるが、私は天皇の実在性とともに、そこに記された事象そのものをどう扱うかが重要であると考える。本書の冒頭で述べたように、そもそも日本書紀は編纂当時の政権にとって都合のいい内容になるような様々な装飾や編集が施されているものの、記述されていることそのものは残された記録や伝承、あるいは人々の記憶など何らかの根拠に基づいていると考える。したがって、神話の部分でさえ全くのデタラメではなく、デフォルメの度合いが極端に大きくなっているだけであると考えて、その奥底に潜む事実を読み取ろうとしてきた。同様に欠史八代に記された内容も歴史上の事実を少なからず反映していると考える。次にこの欠史八代に書かれた内容を紐解いてみたい。


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