ズッキーニの味噌煮込みBlog版

コンピュータのこと、食べ物のこと、なんでもないこと、とんでもないこと。

Bentoを試食する

2008年03月09日 14時15分57秒 | Weblog
 社名と主力製品名がおなじであるというわかりやすいFileMaker社から、Leopard専用と銘打った新しい個人向けデータベースソフトが発売になっている。MacOS専用どころか、10.5.x Leopard専用とはまたずいぶん思い切ったものだ。

 試しに使ってみるとこれが、Leopard風というかiTunes風というのか、あらまぁというくらいにあっさりと使えてしまった。

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 データベースソフトに関しては、何度か挫折している。

 各種のデータを一カ所で管理するツールとして興味は十分にあるのだが、どうもこの種のソフトはデータベースというものの概念を理解してから使わないと、うまいこと働いてくれないような気がする。

 取りあえず「どうしても」ということもないので、自分には縁のないジャンルのソフトなのだとあきらめていた。

 データベースは使[わ|え]ないのは事実だが、情報をどこかにまとめておいておきたいという要求があることもまた事実。いろいろと試してみて、Windows ではユミルリンクの「紙copi」をジャストシステムがモディファイした「ネタの種」というソフトを使っていた。

 テキストデータを範囲指定してコピーし、ホットキーで起動した「ネタの種」に新規データとしてペーストするだけで保存してくれる。ファイルを保存するという操作が不要なので、ずぼらなアタシにはとてもありがたいソフトだ。

 しかしMacにはこのソフトがない。最近Macで暮らす時間がだんだん長くなってきて、「ネタの種に入れといたあのデータ」が必要になることも多くなってきた。ほとんどがテキストデータなので、そのままMacのフォルダにコピーしておいて必要の都度テキストエディットで開いて使っていた。

 OSが違うのだから「ネタの種」のような使い勝手は望めないにしても、せめてもう少しデータをきれいに整理できんもんかなぁと思っていたところにBentoだ。

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 五千円程度のソフトなので試しに買ってみようかと思ってFileMakerの直販サイトを覗いたら、品薄なのか発送が遅れる可能性があるという告知がある。

 とたんに買う気をそがれてガッカリしたが、ついでにと思って試用版のページを見たら、あとで製品のパッケージを買ってシリアルナンバーを入力すると試用版を製品版に格上げ(?)することができると書かれている。使用期間は30日間だ。

 それなら、発送が遅れても問題はない。いくらなんでも一ヶ月も待たされることはあるまい。そう思ってダウンロードし、いまインストールした試用版を使っている。

 たしかに使いやすい。ユーザインタフェースがLeopardのほかのアプリとよく似ている。見た目や使い勝手がFinderのようなiTunesのような感じだから、そうしたものを使い慣れていると直感的に使える。「ここに付いている+ボタンは項目の追加だよな」などと当てずっぽうでもけっこう行ける。

 表示が表形式でもレコードごとのカード形式でも、フィールドを自由に追加削除できる。これは当然として、追加したフィールドの位置、データサイズ、フォントなどををGUI上で思ったように変更できる。

 それ自体が、なかなか楽しい。デザインのセンスはないに等しいのだが、それでも使いやすいレイアウトというものは自分なりにある。それを簡単に試行錯誤させてくれるのはうれしくて、ついそれで一時間近くも遊んでしまった。データを入力してみるとまたレイアウトを少しいじりたくなって、また遊んでしまう。

 データベースを理解しているわけではないし、レコードを設計しているのでもない。不要なフィールドを削除し、必要なフィールドを追加し、レイアウトをいじり回しているうちに、なんとなく自分の役に立つようになる。これまでもこれくらいのユーザインタフェースを持ったデータベースアプリはあったのかもしれないが、BentoがLeopardの上に降りてきたので、出会ったというわけだ。

 今朝からふたつ。各種IDとパスワードの管理、お気に入りの曲の歌詞を、それぞれデータベース化した。

 ちょっと賢くなったような気がして、ちょっとうれしい。