徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

【秋の七草さがし】萩 in 秋分の日

2005年09月23日 | 朝顔・金魚・花・園芸・ アクアリウム
「秋の七草さがし」4回目は「萩」

って「おはぎ」ですが…?
でも「おはぎ」の名前の由来も「萩のもち」からなのだそうです。

草冠に秋と書いて「萩」,いかにも秋の草,「秋の七草」の中の「秋の七草」って感じですが。それは古来からのようで,最古の歌集,万葉集の中でも数多く「萩」が詠まれた歌が存在します(141首:秋の七草の中では断トツの一番)。

こちらはちゃんと萩の花(これも宿舎周りで発見)

ご近所で簡単に見つけることが出来たのはここまで。
残りは3つ,ここからはちと大変。


リクエストがあったので「おはぎ」と「ぼたもち」の話を追加

餅に小豆餡をまぶし包んだものを「おはぎ」と呼んだり,「ぼたもち」と呼んだりします。一般には,春の彼岸の時に食べるものを「ぼたもち」,秋の彼岸の時に食べるものを「おはぎ」と呼んでいたそうです(最近では「おはぎ」の方がメジャーで,「ぼたもち」とはあまり呼ばれなくなってしまっているようです)。漢字で書いてみると,両者の違いが分かり易くなります。「おはぎ」は「御萩」と書き,「ぼたもち」は「牡丹餅」と書きます。おはぎ,ぼたもちの赤(小豆色)を,秋の七草の一つ「萩」や春の花「牡丹」に見立てて,春は「牡丹餅」,秋は「御萩」と名前が変わるのです(確かに素敵です)。

しかし「おはぎ」と「ぼたもち」の違いについては諸説あるようで…。大きくて立派なものを「ぼたもち」,小さいものを「おはぎ」とか,こし餡で包んだものを「ぼたもち」,粒あんを用いたものを「おはぎ」といった説もあるようです。

ただ,これらの違いについても,春は「牡丹餅」,秋は「御萩」に由来するという見解もあるようで,大きく大輪の花をつける牡丹に見立てているので,大きく立派なものをつくった「牡丹餅」。秋,収穫直後の小豆を用いるため,皮も一緒につぶし,粒あんの粒を萩の花に見立てた「御萩」。逆に冬を越した皮の固くなった小豆を用いる必要があったため,食感を良くするため,皮をこした餡(こしあん)を使った「牡丹餅」。

いやはや,暦と食は奥が深いです。
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日本人の木づかい

2005年09月22日 | 本と音楽の話題
「気遣い」ではなく「木使い」である。

学生時分,ゴルフ場を管理されずに荒れていく里山の環境の中で,プラスの面から評価することは出来ないか?と調査や研究を行っていた頃,とある雑誌で,「ゴルフ場は上手な減農薬管理で小さな森になる」という記事を見つけ,編集部に問い合わせた上で,会ってもらったのが今回紹介する本の著者,田中淳夫さん。

環境という面からは叩かれることはあっても,評価されることはなかったゴルフ場を,プラス面から考えてみようという視点を持った人が他にもおられるということで,胸を躍らせたことを今でも覚えています。

さて,今回紹介する本のタイトルは,『だれが日本の「森」を殺すのか』少し過激なタイトルですが,テーマとなっているのは,日本人の木づかい。

古くから木を様々な用途で利用し,「木の国」だと言われることさえある日本。国土の67%が森林,禿げ山ばかりかというと,生長した人工林が大部分,十分な資源量もある。にもかかわず,大量の外材を輸入し,荒廃を招いている日本の森林の現状を,日本人の木づかい(木を使う)に着目して,綴った著書である。

様々な「木使い」の現場での膨大な取材・レポートを読み進めるうちに,かつて「木を使う」ということが,少なからず,その木が育った森を思い,その木を育てた人を思い,材となったその木に関わった人を思うことであったことに気づかされる。

→ 田中淳夫『だれが日本の「森」を殺すのか』洋泉社
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【秋の七草さがし】尾花 in 中秋の名月

2005年09月18日 | 朝顔・金魚・花・園芸・ アクアリウム
今晩は月がとっても綺麗です。ここ数年では一番のお月見の夜かも知れません。

さて「秋の七草さがし」も3回目。「中秋の名月」とくれば薄(ススキ),「尾花」です。

「撫子」とか「桔梗」とか可憐な花も多い「秋の七草」の中で,一番好きな花を選べと問われると,自分は迷うことなく「尾花」を選びます。“かなり変わっているかも?”とは思うのですが,秋風にさらさらと揺れる様子を眺めていると,とっても心が和みます。ちなみに写真のススキは,またしても宿舎周りにて撮影。普通に立派な株が育っていたりします(こんなことを続きもので書こうと思った切っ掛けが,後で紹介する予定の「萩」を含めて,秋の七草の多くが自分の身の回りにあったからなのです)。

ススキには「尾花」のほかに,「茅(カヤ)」という呼び名があります。「茅」と呼ばれる場合は「茅葺き」「茅場」といったように,材料や人の利用の色合いが濃くなります。「茅」は,トタンや新建材等の普及に伴い,激減してしまった茅葺き屋根を中心に,様々な用途で利用され,昭和30年代頃までは,薪炭に用いた雑木の類と並んで,地域の重要な資源の一つでした。

現在では,ほどんど見ることの出来なくなった「茅場」。かつては日本の農山村に広く分布していました。「茅場」が減少してしまった理由の一つとして,茅場(ススキ草原)が,植生の遷移においては,樹木等が進入する前の極めて初期の段階であり,絶えず刈取りや火入れなどの人為的な管理が入っていないと,樹木等が進入し,草原の状態を維持出来なかったということが挙げられます。つまり,人が利用すること,絶えず関わることで維持されてきたのが「茅場(ススキが育ち続けることの出来る環境)」だったという訳です。

そういう意味では,今もススキが残る場所は,数少ない人が絶えず関わる場所の一つなのかも…?とも思います(宿舎周りで,さらさらと揺れるススキの穂を眺めながら…)。
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【秋の七草さがし】葛

2005年09月16日 | 朝顔・金魚・花・園芸・ アクアリウム
「秋の七草さがし」2回目は「葛」

くず湯(葛根湯)やくず餅など,食の面ではそれなりにメジャーな葛ですが,花をじっくり見たことのある人は少ないのではないでしょうか。ゴージャスで綺麗と感じるか,ちょっとグロテスクと感じるか…。

ちなみにこの葛の花,自分の宿舎のすぐ横の植え込みで撮影,ナデシコに続いて,超近場で発見。

植え込みで発見って,葛を植え込みに?!

いえいえ,こんな感じ(キンモクセイ×3)とか,こんな感じ(フジ棚+サツキ植込)とか。

農地や林地の調査を重ねていると,葛に覆われてしまった場所は,放棄されてしまった場所という認識を持つようになるのですが,放棄されてしまうのは,農地や林地,里山だけではないようです。共有の空間とはいえ,お恥ずかしい限りです。

「秋の七草」を存分に満喫しているということで…
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美瑛の空

2005年09月15日 | ちょっといいとこ,いい景色
出張で北海道へ。丘陵地に広がる畑地の景観で有名な美瑛町まで足を伸ばして来ました。前日までは冷たい雨が結構激しく降っていたのですが…,ご覧の通りの快晴。

波状に連なる丘に広がる畑地を中心とした農地(あまり知られていませんが,水田もあります)に,輪作体系のもと植えられた様々な農作物がおりなすパッチワーク,丘の稜線部に設けられたカラマツなどの防風林,農地の所有界を示すために植えられたモミ,ポプラなどの樹木は,広い北海道ならでは,特別な農村景観といった印象を受ける。

一方で,きつい傾斜を有する農地は,土壌侵食等の影響を受けやすく,作業の効率も良くないため,対策が求められている。また,国内の他の中山間地域同様,後継者の不在にともなう,労働力不足も深刻な問題となっている。

美瑛の農村景観を維持していく上では,今後も農業が続けられていく必要がある。労働力不足などの,現在,美瑛町が抱える問題を考えれば,丘を切り盛りして,耕地の均平化していくなど,土地の生産性向上を図る対策を進めていく必要がある。しかし,それは,一方でこれまで形作られてきた美瑛の景観そのものを崩していくことにも繋がる。

第3の道はないのか?折り合いは何処にあるのか?
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【秋の七草さがし】撫子

2005年09月10日 | 朝顔・金魚・花・園芸・ アクアリウム
埼玉県は,秩父郡長瀞町に秋の七草で有名な社寺群がある。この時期になると七草寺めぐりに来る観光客で賑わう。秩父の山里で秋の七草の名を冠した社寺を巡るというスローな雰囲気に惹かれて,いつか行ってみたい!と思っているのですが,ここ2年ぐらい機会を逸してしまっています。今年も何度か予定をたててはみたものの,お天道様や日々の雑務に阻まれ…。

あきらめた訳ではないのですが,「七草寺めぐり」の前に身近なところで「秋の七草さがし」をしてみようかと思います。

手始めは探すも何も…,ベランダで育てていた「撫子」。7月の末に植えた(以前に,ちょっと触れました)ものが9月に入って花を付け始めました。まだまだ,楽しませてくれそうです。
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棚田草刈りボランティア

2005年09月04日 | ちょっといいとこ,いい景色
職場の同僚に誘われ,栃木の方にある棚田の草刈りボランティアに参加。

日頃,何かとお世話になったいる「棚田」のことなので,早朝からちょっぴり眠い目を擦りながら参加してきました。場所は,栃木県烏山町にある「国見の棚田」。棚田百選にも選ばれている有名な棚田で,細長い谷に階段状に続く田の様子がとっても印象的です。棚田の草刈りと聞いていたので,畦畔の草刈りかと思っていたら,ターゲットは,棚田の南側に続く斜面。これがなかなか手強い斜面で,場所によっては見た目はほとんど垂直の壁,何とか足場を見つけてバランスを取りながら刈るのがやっと…。慣れない自分は,最初のうちはほとんど戦力にならない感じでした。それでも,人海戦術と草刈り機は偉大で,2時間かからないうちに,長大な斜面が写真のようにすっかり綺麗になりました。

田んぼもそろそろ実りの季節です。

栃木の棚田めぐり 国見の棚田

電網写真館 オリザ館
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