精神機能と能力開発:心理学―教育学―社会学

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ダニエル・カーネマンとADHD ~心的努力(effort エフォート)について~

2014年12月21日 | 発達障害(ADHD)


(1)ダニエル・カーネマン
2002年にノーベル経済学賞を受賞した心理学者。
人間の意思決定には、2つのシステムがある。直観(素早い)熟慮(ゆっくり)
熟慮には、心的エネルギーが必要。それがエフォート(effort)

(2)心的努力(effort エフォート)
注意欠如・多動性障害(ADHD)とは、心的努力(effort エフォート)の障害。
エフォート(effort)とは、努力を要する、意図的な動機づけ。

エフォート(effort)によって、遂行制御(executive control エグゼクティブ・コントロール)が作動する。
遂行制御(Executive)を作動させる動機づけ(Effort)を、Executive Effortと呼んだ(Fujita & Maekawa, 2011)。

ADHDとは、Executive Effort(エグゼクティブ・エフォート)の障害。
ADHDの衝動性は、反応決定(意思決定)の問題。

<引用文献>
ダニエル・カーネマン(著)村井章子(訳)(2014)ファスト&スロー(上・下)あなたの意思はどのように決まるか? 早川書房
ダニエル・カーネマン(著)友野典男・山内あゆ子(訳)(2011)ダニエル・カーネマン心理と経済を語る.楽工社
Fujita, H. & Maekawa, H. (2011) Improving Performance of Children With ADHD Through Self-Generating Motivation During Working Memory: Reciprocal Influences Between Executive and Motivational Aspects. 特殊教育学研究Vol. 49 (No. 6) p. 713-727 文献PDFリンク

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