老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

熱が出たとき・・・・

2022-02-27 15:01:42 | 老いの光影 第7章 「老人のねがい」
f

1826 手当て

頭や身体が熱い感じがし、身体がだるい、と感じても
乳幼児や認知症老人は、訴えることができない。
身体の異変を感じても、言葉を使い話せない。

母親や介護者は、「なんだか、目の淵など顔が薄ピンク色に見えたりして、熱があるのかな」、と思い
額に手のひら(掌)をあててみる。
額から掌に熱さが伝わり「なんだか、熱がありそうだね。大丈夫!」
「いま、体温計を持ってくるからね」、と言葉をかける。

観察していて、熱がありそうだ、と思い、急いで体温計を取りに行き、
体温計で測る。それは、間違いではない。

昔、子ども心に、母親が額に手のひらを当て、「熱があるね」、と
手のひらで感じ、心配してくれたことが嬉しかった。

要介護老人も同じくである。
手を握られ、握り返したり、背中をさすったり、軽くたたいたりするだけで
ひとは励まされたり癒されたりする。
手の温もり、言葉はなくても思いは伝わる。

「できる」「できない」を考える (5)

2022-02-27 06:21:44 | 老いの光影 第7章 「老人のねがい」


完熟 いちご🍓

1825 起き上がりが「できない」

人間は、ジッとしていられない生き物である。
寝たきり老人になっても 介護用ベッドの上でゴソゴソと躰を動かしたほうがいい。
躰も手足も動かさずに、天井を見ながらジッと寝ていたのでは、良くないことが起こる。
床ずれ(褥瘡、じょくそう)ができ、手足は拘縮したりして躰が硬くなる。

要介護の認定を受けると、基本動作の大切さを改めて感じる。

人間の基本動作(介護事業所で働く介護員は要必読)は
「寝返り」「起き上がり」「座位保持」「立ち上がり」「立つ」「歩く」の6過程がある。
(上記の基本動作は介護用ベッドで行なう)

「寝返り」
寝返りが自力で、できなくなると、要介護5の目安になる。
天井を見るだけの世界になり、エアマット(床ずれ防止用具貸与)が必要になる。
気配りの介護が一層求められる。

左右に寝返りができると精神的に大きく違う。
枕元を上げ右を向くと、外の景色が目に映り、季節の風を感じる。
歩くことができない人にとって、風景を見ると様々なことを思い浮かぶ。

「起き上がり」
基本動作のなかで容易にできないのが、「起き上がり」である。
脳血管障害後遺症により、手足に麻痺があるとさらに起き上がりが大変になる。

若いひとならば、仰向けの状態から、布団のうえでヒョイと起き上がれる。
老いを嵩ねてくると、横に向き布団に手をつき、加重をかけながら、起き上がりを行なう。

ここで、質問!
ベッド上で寝ている要介護老人を手を使わないで起こしてください。