老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

空蝉の記

2021-09-19 06:52:29 | 空蝉
1755. 空蝉の記

垂れる稲穂の海に
赤トンボが飛び交う風景は
もう昔の出来事

今年の夏は短く感じ
目にすることがなかった
蝉の抜け殻

地上の蝉の鳴き聲は短い
それでも鳴き続ける
樹上に秋の風が吹き始め

いつしか蝉の聲は消え
夕暮れ時に
鈴虫の聲が聴こえてきた

過ぎゆく時間の流れに
焦りを覚え
残り少ない砂時計に
目を細める

コメント
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