1gの勇気

奥手な人の思考と試行

心の鏡(仮名)3

2006-10-21 12:01:13 | 1gのおときばなし
とある街。
通う元は、とある町。
自分がAround thirty(アラサー)と呼ばれていることを最近知る。

若干世間に置いてけぼりをくってるような気分。
のまま、朝を迎えた。
いつものように。いつもの場所で。抱いてくれるひともなく。

リモコンでテレビをつける。
いつもの"heav"につなげる。
半ば無意識の涼子の行動。

heav>> おはよう。
ryo>> 今日は土曜日よ、
heav>> そうらしいな。
ryo>> まだ朝よ、
heav>> 朝は嫌いか?

「そうね。」
あまり好きではないかも。

ryo>> ...。いつ寝てんの?
heav>> まあ、ぼちぼちな。
ryo>> 答えになってない。
heav>> 俺のことが気になるか?
heav>> お、もしかしたら惚れt
ryo>> バカ、
heav>> a で、どうした。こんな朝っぱらか。
ryo>> 私ってどう?
heav>>

一瞬止まる。
さすがに"heav"も言葉を探しているらしい。
せめて話の脈絡が分かれば答えられるのだが...こう唐突では。

heav>> まあ、なんだ。ひとは見かけじゃないというか...
ryo>> 何言ってんの、
heav>> 何を言わせたいんだ?
ryo>> 私よ、私、
heav>> ...日本語は正しく使った方がよいと思うぞ。
ryo>> あんたに言われたくないわ、
heav>> そらそうだ。
ryo>> もう、三ヶ月もつき合ってんだから、わかるでしょ、私のこと、
heav>> つき合った?いや、まだ一度もさせてもr
ryo>> まじめに答えて!
heav>> a 失礼。ん、まあ悩み多き、ふつうの女。
ryo>> ...やっぱり多い?
heav>> いや。ふつうだろ。このくらい。
heav>> 誰だって悩んでいるものさ。山ほどのありもしないコンプレックス抱えて。さ。
ryo>> そか、ふつうか、

何の根拠も示せない言葉。
それでも、みんなと一緒というニュアンスで少し心が軽くなる。

heav>> ああ。で、なんか思いついたんだろ?
ryo>> なにが、
heav>> こんな朝っぱらからここへ来るなんて。

そう。夜家に帰ってきた時以外は、テレビはふつーの垂れ流し番組を映してる。
前に何度か、用もないのにつなげてしまって、迷惑掛けたから。
"heav"がそれを迷惑と感じていたかどうかは疑問だが。

ryo>> 見えてんでしょ、
heav>> んー、そうだな。寝起きのひどい顔だ。
ryo>> やっぱり、
heav>> とりあえず、顔洗ってこい。
ryo>>

なんか打とうと思って、やめた。
「そうね。」
意外と素直。

顔を洗う。
ついでに家着に着替える。
カーテン開ける。

朝日はいつものように、どんより差し込む。
最近すかっとした晴れを見た記憶がない。
見えてないだけかも知れないが。

ノンメイクで戻ってくる。
目元は明らかに寝不足を示してる。

ryo>> ただいま、
heav>> 整理ついたか?
ryo>> 全然、
heav>> なら、本題に入ろうか。
ryo>> そうね、

数秒の間。
どう切り出そうか。
いや、そもそも言っていいものか。

心にしまっておくべきではないのか。
迷いは消えず。

ryo>> 言わなくてもいい?
heav>> どーぞ。お好きなように。
heav>> いつでも、話したくなったらまたおいで。
ryo>> ...ありがと、

ふっと心が軽くなる。
言いたい時が言い時。
それをいつでも受けてくれるひとがいる。

そう感じたら、自然と指がキーを打った。

ryo>> あのね、好きな人がいるの、
heav>> おお、この間ゆうてたのか。
ryo>> そ、で、どうしたらいいと思う?
heav>> 当たって砕けろ。
ryo>> バカ、そんなことできるわけないでしょ。
heav>> したいのか?
ryo>> 何言ってんの、
heav>> できない。とゆうたから。したくないではなく。
ryo>> 言葉のアヤよ、
heav>> ちなみに、その場合のアヤは、綾だ。
ryo>> それはどーも、
heav>> どうしたいんだ?
ryo>> なにが、よ、
heav>> 好きな人ができて、どうしたらいいと思う?だろ?
ryo>> そうよ、
heav>> もう、あるんだろ。山ほどの妄想した結果が。
ryo>> ば、ばか、そ、そんなの、
ryo>> な、なに言ってんのよ、

つっこみたいのはやまやまだが、ちょっとかわいそう(というか、かわいいと感じた)

なので、やめておく。

heav>> どうしたいんだ?
ryo>> それがわからないから、訊いてるんじゃない。
heav>> つき合いたいのか?
ryo>> そ、そりゃ、もし、...なら、
heav>> 相手はひとりか?
ryo>> わかんない、けど、指輪はなかった、
heav>> 相手は気づいてくれてるのか?
ryo>> なにを?
heav>> ryoの、好きで好きで夜も眠れない!って気持ち。

直撃。
ぼっと頬が燃え上がる。
そう、昨夜は結局眠れなかった。

だから、つなげた。"heav"に。
なにか、僅かでも、ヒントが欲しかった。
それこそワラをもつかむ思いで。

「おれはワラか?」
らしいな。
「ずいぶんと見くびられたものだ。」

ryo>> そ、そんなことないもん、

ほら、きたぞ。
お姫様のお気持ちが。
「ワラへの気持ちか?」
...わけわからん。

heav>> もん、って。またずいぶんとかわいい
ryo>> 茶化さないで、
heav>> なら、で、気づいているのか?
ryo>> わからない、
heav>>
ryo>> ...気づいてないかも、

なんかひと言入れようとしたがすぐに涼子に取られた。

heav>> なら、まずそこからだな。
ryo>> うん、わかってる、けど、どうしたら、
heav>> まずは。その隈取りをとってだな。
ryo>> うるさい、
heav>> まじめな話をしておる。ちときけ。
ryo>>

いつもと違う言葉にちょっと驚く。
そして、聞き耳を立てる。
40インチの薄暗い(自動調整)テレビの画面に。

heav>> 女は容姿だ。
ryo>> ...ケンカ売ってる?

幻滅しかかるも、一応続く言葉に僅かな望みを。

heav>> 別に生まれもった見た目の話をしているわけではない。
heav>> さっきもゆうたろ、隈取り取れって。
ryo>>

どーやって、
って書きたかったけど、バカみたいなのでやめ。
弱い女と思われるのも、"いまさらながら"、いやならしい。

heav>> どうアプローチするにせよ、元気な笑顔。が絶対条件だ。
ryo>> 寝不足の、暗い顔して近づいてもだめ...ね、
heav>> だろ。
ryo>> そのあとは?
heav>> また元気になったらこい。
heav>> きっとその時には、よい方向の妄想が生まれてるはずだ。

妄想という言葉が気に入らないが、その通りかも知れない。
悪い方向。だから、眠れなかったのだ。

ryo>> そ、ね、元気な笑顔、作ってくるわ、
heav>> ああ。楽しみにしてる。
ryo>> ありがと、じゃ、おやすみ。

ぷつっと切れる。いや、切った。テレビを。
何の解決にもなっていない会話。
でも、話せたことで、誰かと気持ちを共有できたことで、

気持ちが楽になった。
そして、眠くなった。
まだ朝なのに。

でも、最後のおやすみ。の言葉は、素直な気持ち。
体の求める素直な本能。
その本能を邪魔する前頭葉は、楽になったか、活動を弱めた。

ベットに倒れる。
無理に頬をゆるめて。
自然と、楽になる。体、そして、心。

恋心は、そして、現状は、なにも変わらない。
それでも、何かが自分の中で変わった気がする。
そんなことを感じた頃には、既に睡魔に支配されていた。

...かぜひくよ。


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