NHKの新日曜美術館でやってた、
ベネチアビエンナーレ日本館
のお話。
テーマはオタク。
すげー。
秋葉原の変化という都市学を中心にオタクの街とその文化を紹介している。
詳細は上のリンクを見てください。
これもまた、かなりオタクっぽく徹底的に紹介してあります。
なので、今回はオタクの話。
まずは、オタクとマニアの違い。
マニアは、鉄道、切手、ワイン(これも立派なマニア)などなど、
ある特定のものを深く好むひとの事を言う。
では、オタクは?
彼ら(彼女ら)が好むのはゲーム・アニメ・マンガ。
けど、(ゲーム・アニメ・マンガ)マニアともまた違う気もする。
ぼくの印象は、オタクといえばエロ同人誌。
けど、それはオタクのほんの一面でしかない。
彼ら彼女ら(今や男女比はほぼ同等。とどっかで聞いた。)は比較的若いからね。
性的な描写へ向かうのはごくごく自然な話。
けど、それは目的ではない。(つまりエロはテーマではなく表現の一つに過ぎない。)
彼ら彼女らの向かう先は、アニメに代表される虚構の世界。
次々と作り出される、別世界の登場人物を擬人化し、恋愛対象とまでする。
なので、同人誌やフィギュアも完全オリジナルというのはあまりなく、
大抵何か(ゲーム・アニメ・マンガ等)の登場人物が中心。
虚構。
これは今に始まったことではない。
例えば浮世絵。
わかりやすく比較するなら春画。
あれも明らかに実物の人間とは違う描写。
なので、今のアニメ絵も一種の浮世絵だし、エロマンガも春画と同じ位置づけ。
日本人のオタク趣味は今に始まったことではない。
たまたま描写の形がちがうだけ。
けど、時代も違うね。
江戸時代と違って、今は生きるのに苦労しない。
マンガやアニメもいくらでも(なおかつ低コストで)手に入る。
のめり込むのに制約が少ない。
そして、数が多くなった。
一つのコミュニティとして成り立つようになった。
それはすでに一つの(現代に於いては"まだ"特殊ではあるが)文化とも言える。
すごいね。
そういや、こんな話を聞いたこともある。
目と胸とお尻。この三つの要素さえあれば、(オタク的な)女を表現できる。
いわゆる美少女(not real)もよく見てみれば、そこが強調されてる。極端なまでに。
大きい胸や艶やかなお尻はともかく、(これはrealな女でも一緒でしょ。)
あの目の異様な大きさと強調された表現は、明らかにrealではない。
ということは、だ。
(一般の)男が(性的興味を持って)見てるのもそこということだ。
目と胸とお尻。
ぼくが目に惹かれるのも、自然と言うことか。胸やお尻に惹かれるのと同様に。
で、ぼくはオタクかというと...ちょっと無理かな。あれは。
オタク的なエロは好きだけど、ぼくが見てるのは性描写であって、彼らの世界ではない。
しかし、そうしてみると人間(いや男)の性って結構いい加減。
アニメ絵でも春画でも、もちろんrealな女でも欲情する。
女性はどうなんだろう。
女性(いや、10代の女の子)の虚構と言えば、
「
やおい」が随分勢力を伸ばしてる。
知ってるひとも多いと思うけど、男同士の恋愛をメインのストーリーとする話の総称。ジャンル。
これがこれだけ流行った理由は、性に目覚めた少女達が、性に強い興味を持ちながらも、
自分と重なる女の子と男の子(異性)との性愛(セックス)に拒否感(罪悪感?恐怖?)を
持つため、女の子が登場しない性愛の世界に自然に入り込む。というらしい。(だれか言ってた。)
オタクの女の子が書く同人誌にもそーゆーのは多い。(...どこで知ったんだ?)
けど、これもまた結構おもしろいテーマ。
恐らくは、大抵の女性は大人になるにしたがって、自分(女)と男の性愛に興味が移っていく。
自己が確立されないうちに、体だけ大人に変化していく違和感みたいのが、
そこにはあるんだと思う。
男の場合声変わりとひげが生えるくらいで、女の子の変化に比べれば無いも等しい。
なので、心と体の不一致みたいな違和感はない。
思春期特有の心の不安定さはあるけれども。
男がいつまでも子供でいられるのはそういうことかもしれない。
最後に、現代は人の心が社会に影響を与える時代。
オタクもやおいも、決して特殊なものではなく、人間の心(本能?欲求?)が
素直に現実社会に解き放たれて、現実化したもの。
そんな時代。
心が社会を成す時代。
文明が進んだ結果、こうなった。
恐らくはこの先さらにそれは顕著化する。
肉体を超えて精神が中心となる社会。SFの世界が現実となる。
オタクややおいは、今の時代にようやく現れたその先端に過ぎない。
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すみません、なんか長くなって。
というか、これ全部読破してくれる人はいるんだろうか。
ちなみに、これ書くのにおよそ70分。...サンデースポーツ見てねよ。