片手には持てないこの分厚さを一気読みしてしまったのは、
五条瑛さんの鉱物シリーズ。
シリーズといっても、「プラチナ・ビーズ」「スリー・アゲーツ」の2作で、
3作目「パーフェクト・クオーツ」はいまだ連載中なのね。
そのワールドというべき番外編がいくつか。
ふとしたカンチガイで、番外編のひとつ
「君の夢はもう見ない」読み始めたのがきっかけ。
国際謀略モノ。
作家の前職の防衛庁勤務時代の極東の情報収集調査の仕事が元ネタになっているらしい。
実生活でも、小説においても私には馴染みのない分野で、
スパイといっても007の華麗さはなく、
もっと土臭い感じ。
近くて遠い国、中国や朝鮮。
それらの国の血を受け継ぎながらも、日本に暮らす人たち。
言葉や習慣になじんでも、異文化という境い目は交わらない。
どちらの国からも異邦人扱いされる人たちの宙ぶらりんの心細さ。
日本が危機管理に乏しいのは、どの国にも併合されたり、被支配の経験がないからか。
単一民族のなまぬるい共感に甘えているからか。
血が交ざり合い、言葉がひとつになれば、国という境い目はなくなるのだろうか。
それともせめぎあいは続き、見えない血は流され続けるのか。
増える中国製品、韓流ブーム、アジアからの旅行者
文化は交われど、近年ますます因縁はいや増すばかり。
日本人お得意の、時間が解決、水に流すやお茶を濁すでは、ダメなのかしらね。
小説の楽しいところは、登場人物を自分好みに脚色・キャスティングできること。
女性作家だけあって、主役とボンドガールとのお約束のラブシーンのかわりに、
登場人物個性派いい男そろい踏み。
BL臭むんむん。どの組み合わせで楽しむかは、お好みで。
ムダ口なし執着なし迷いなしの坂下押しでし。
これで革命シリーズに手をつけてしまうと、
私の生活が大変なことになってしまうにちがいなし。
完結したとはいえ、あの濃厚な世界に全10冊。
図書館でみたことありませんか?
美しく背表紙が揃っている「EVOLUTION/R」を。
気になりつつも、「いや~難しそうこれ絶対読まんわ~」と思ってましたが、
落ちてしまうかも。
いや、せめて鉱物の番外編を終えてからにします。
突然アジア文化に目覚めたわけではないのですが、
酒見賢一さんの「泣き虫弱虫諸葛孔明」ING。
「後宮小説」で有名ですよね。
作中、作者がちょいちょい顔を出し心情を語ったりする異色な文体ですが、好きです。
「陋巷に在り」全13巻なんて、本当に楽しみに読みました。
ラストががっくりするくらい。
中国歴史小説っていう敷居が全然ないです、国境歴史バリアフリー小説です。
他にも色々読んでると思うのですが、コレはたまたま読んでなかったかも。
「三国志」も私の読んでみたいけど何度か挫折シリーズのひとつです。
孔明さんって希代の策略家、軍師と有名なわりに、
あらすじとか読んでも、壮大策略のくせに戦争ヘタじゃん。負けっぱじゃん。
と、印象が悪く。
でも本作は、作者の限りなき愛情で、さらにさらに孔明の印象がどす悪く。楽しいです。
三谷幸喜さんの「清洲会議」みたいな歴史人情コメディーね。
一番おどろくのは、三国志って西暦でいうと200年前後のことなんですね。(今更ですが)
その時代って日本は、卑弥呼あたりですかね?
その頃のことが(真偽は定かでなくとも)、記録に残って受け継がれているなんて、
やはり中国という国はすごい、すごすぎる。
こんな狭い国なのに、卑弥呼の国なんてどこにあったかさえわからないのに。
二千年近く語り継がれたということは共感され続けてきたというわけで、
「三国志」や「水滸伝」(フィクションだけど)なんかも、
中国(の人の思考や国民性)がわかるような気がするのですよ。
水滸伝の舞台も西暦1300年くらい、黒田官兵衛にしても西暦1600年くらいの人・・・
孔明に比べれば、ついこの間の人じゃ~ん。
小説の中では、世界に手が届き、時間さえも手の中に。
その中にいると、今という時間もあっという間に過ぎ去るのでした。
五条瑛さんの鉱物シリーズ。
シリーズといっても、「プラチナ・ビーズ」「スリー・アゲーツ」の2作で、
3作目「パーフェクト・クオーツ」はいまだ連載中なのね。
そのワールドというべき番外編がいくつか。
ふとしたカンチガイで、番外編のひとつ
「君の夢はもう見ない」読み始めたのがきっかけ。
国際謀略モノ。
作家の前職の防衛庁勤務時代の極東の情報収集調査の仕事が元ネタになっているらしい。
実生活でも、小説においても私には馴染みのない分野で、
スパイといっても007の華麗さはなく、
もっと土臭い感じ。
近くて遠い国、中国や朝鮮。
それらの国の血を受け継ぎながらも、日本に暮らす人たち。
言葉や習慣になじんでも、異文化という境い目は交わらない。
どちらの国からも異邦人扱いされる人たちの宙ぶらりんの心細さ。
日本が危機管理に乏しいのは、どの国にも併合されたり、被支配の経験がないからか。
単一民族のなまぬるい共感に甘えているからか。
血が交ざり合い、言葉がひとつになれば、国という境い目はなくなるのだろうか。
それともせめぎあいは続き、見えない血は流され続けるのか。
増える中国製品、韓流ブーム、アジアからの旅行者
文化は交われど、近年ますます因縁はいや増すばかり。
日本人お得意の、時間が解決、水に流すやお茶を濁すでは、ダメなのかしらね。
小説の楽しいところは、登場人物を自分好みに脚色・キャスティングできること。
女性作家だけあって、主役とボンドガールとのお約束のラブシーンのかわりに、
登場人物個性派いい男そろい踏み。
BL臭むんむん。どの組み合わせで楽しむかは、お好みで。
ムダ口なし執着なし迷いなしの坂下押しでし。
これで革命シリーズに手をつけてしまうと、
私の生活が大変なことになってしまうにちがいなし。
完結したとはいえ、あの濃厚な世界に全10冊。
図書館でみたことありませんか?
美しく背表紙が揃っている「EVOLUTION/R」を。
気になりつつも、「いや~難しそうこれ絶対読まんわ~」と思ってましたが、
落ちてしまうかも。
いや、せめて鉱物の番外編を終えてからにします。
突然アジア文化に目覚めたわけではないのですが、
酒見賢一さんの「泣き虫弱虫諸葛孔明」ING。
「後宮小説」で有名ですよね。
作中、作者がちょいちょい顔を出し心情を語ったりする異色な文体ですが、好きです。
「陋巷に在り」全13巻なんて、本当に楽しみに読みました。
ラストががっくりするくらい。
中国歴史小説っていう敷居が全然ないです、国境歴史バリアフリー小説です。
他にも色々読んでると思うのですが、コレはたまたま読んでなかったかも。
「三国志」も私の読んでみたいけど何度か挫折シリーズのひとつです。
孔明さんって希代の策略家、軍師と有名なわりに、
あらすじとか読んでも、壮大策略のくせに戦争ヘタじゃん。負けっぱじゃん。
と、印象が悪く。
でも本作は、作者の限りなき愛情で、さらにさらに孔明の印象がどす悪く。楽しいです。
三谷幸喜さんの「清洲会議」みたいな歴史人情コメディーね。
一番おどろくのは、三国志って西暦でいうと200年前後のことなんですね。(今更ですが)
その時代って日本は、卑弥呼あたりですかね?
その頃のことが(真偽は定かでなくとも)、記録に残って受け継がれているなんて、
やはり中国という国はすごい、すごすぎる。
こんな狭い国なのに、卑弥呼の国なんてどこにあったかさえわからないのに。
二千年近く語り継がれたということは共感され続けてきたというわけで、
「三国志」や「水滸伝」(フィクションだけど)なんかも、
中国(の人の思考や国民性)がわかるような気がするのですよ。
水滸伝の舞台も西暦1300年くらい、黒田官兵衛にしても西暦1600年くらいの人・・・
孔明に比べれば、ついこの間の人じゃ~ん。
小説の中では、世界に手が届き、時間さえも手の中に。
その中にいると、今という時間もあっという間に過ぎ去るのでした。