今日、あるコンサルティング会社が、この問題を解説したメルマガを読んだ。
次の内容をポイントとして挙げていた。
(1)上司は、部下が自分の仕事の進捗をしっかり管理できるように仕向けること。
(2)仕事を振った上司が部下の仕事の進捗状況をしっかりフォローすること。
(3)「問題解決力」を身に付けさせること。
(4)社員教育の充実で社員一人ひとりのレベルアップを図ること。
(5)減点主義的悪しき風土を一掃すること。
まず、反論はつぎのとおりである。
1.部下の進捗管理と言っているが、進捗管理が出来ていても、本人が気づかなければ、進捗管理の遅延項目には上がってこない。それをどう管理すると言うのか?進捗管理だけの問題でなく、管理項目の欠如と考える。つまり、宿の契約は取れていて、何故、往復の交通機関の契約が取れていないかは、管理職の管理項目。その質問をしていたら、漏れも直ぐに分かったはず。
2.進捗管理状況のフォローと言っても、部下の進捗管理項目にバスの手配が入っていなければ、フォローの仕様がない。
3.問題は、本人の手配漏れ。バスの手配を忘れたのが原因なので、問題解決は、手配すること。再発防止は、手配が漏れない仕組みを作ることである。
4.社員のレベルアップと言っているが、抽象的で何のレベルを上げるのかが不明である。社員のレベルが低いと言っているが、少なくとも高卒以上と考える。 この問題を社員個人の責任にしたのが、JTBの大きな問題である。 一企業が、一従業員の身分も守れなかったのが、情けない。こんな企業のままでは、いづれ、衰退してしまうと考える。
5.減点主義と決めつけるのも問題と考える。減点主義だったから、上司に報告できなかったのでは、説明ができないと考える。しかし、一般的に、上司が部下を守る企業なら、この問題に気づいたのが前日なのか、前々日かわからないが、その時に上司に報告されていたはず。そして、その上司は、さらに上司に報告し、JTB全体として問題解決に当たるべきと考える。多分、その時点で、全国の懇意にしているバス会社にコストに関係なく集めたら、10台くらいは、楽に集まったものと考える。そのくらいの力は、JTBにあったはず。減点主義の問題とは、考えられない。手配を忘れましたと報告できない雰囲気の上司と本人の関係だったと考える。レベルが低いのは、その上司の社員である。役員は、この手の経営問題を解決するためにいるべき人である。それを、一個人の社員の問題にしたのは、情けない。私の知る減点主義の外資系会社では、問題が起こったら、直ぐに上司に報告をしていた。上司も自分の手に負えない内容だったら、直ぐにその上司に報告をし、最終的には経営者までが旗振りしたと聞いている。マッチポンプのようだが、それでも火消しをしたら、その人は評価されたらしい。経営者は、経営問題に関する責任を持つ。バスの手配ができていないのは、JTBにおける大きな経営問題であるので、経営者が陣頭指揮を取っても良い問題だったと考える。そう言う雰囲気がない会社というのが、今回の問題であると考える。
当初、挙げられた5つのポイントを実施しても、JTBからこの手の問題が無くなるとは考えられない。
この問題の本質は、JTBの受注管理システムの問題。
1.まず、旅館を確保しながら、往復の交通機関の予約がJTBに入ってないのが、簡単にスルーされている。企業として、何故、往復の交通機関の予約が取れなかったのかの確認や検証、コメントがないままで対応しているからと考える。
2.全体の契約金額と、個別の累計の見積もり金額が独立し、連携されていないので、バス代金が入っているにもかかわららず、バスの手配漏れがわからないシステムとなっている。コスト入力されていないとするとコストの割に、バス代の分の利益が多く経常されているのすら、見過ごされている。つまり、丼勘定とも言える。
3.バスのコストは入力済みで、手配が入っていないとすると、そのシステムが未だ、不完全である。バスの発注については、システム化されていないと考える。発注システムができていれば、どこのバス会社に、幾らで発注したかの情報があるはず。その発注の引き受けの確認もないまま、JTBでは会計処理されていることになる。支払いは、どうやって処理していたのか、不思議な会社。多分、この辺りは、いい加減だったのではないかと考えざるを得ない。これが、チャントしていたら、バスの発注漏れは、事前に気が付くはず。
4.何か問題があれば、直ぐに上司に報告するという基本事項すら、部下に伝達できない企業文化になっている。上司は、部下のミスを補完する人であるべき。それが、できない雰囲気の上司だったと言わざるを得ない。首にすべきは、この上司と考える。
従って、このポイントは、的外れと言わざる問えないと考える。