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はる風かわら版

たかぎはるみつ の ぼやき・意見・主張・勝手コメント・コラム、投稿、原稿などの綴り箱です。・・・

地方の自立と自律

2007-09-18 23:26:05 | NPO活動全般

「これをもって、長万部町・黒松内町の合併協議会を解散します」
予想された筋書きどおりの第9回目の協議ではあったが、その言葉は重くずしりと響いた。

 当時、私は協議会の委員を拝命していた。しかし、あれからもう3年がたとうとしている。合併せずに何が変わっただろうか? 
町村合併の話は、もう聞こえてこない・・。 10年かけた羊蹄山山麓町村による広域合併・後志市が時折取りざたされているようだが、その内容はわからない・・。

 いったい、あれから何が変わったのだろうか・・・・。

人口は、200人は減っただろう・・・過疎化は進行している。

大幅な公共事業の削減、行政職員の自然減、採用の取りやめ・・・。あまり明るい話はない。 町づくりとしては、守りの体制であるように思える。

 ねおすがコーディネイト(事業立脚を総合調整)し、行事・プログラムをディレクト(企画実施)している「ぶなの森自然学校」がある黒松内町は、北海道渡島半島の付け根に位置する人口3300人を本年度は下回ってしまいそうな町だ。

農業と福祉関係事業、そして役場、役場系事業体が大きな雇用先の小さな町だ。一般会計の歳入は約40億円を下回り、あの当時のシュミレーションされた財政は、現状維持では、もう2-3年後には赤字となる計算だった。だからと言って合併しても、明快なビジョンは描ききれない。

このままでは、福祉関係者と行政関係者だけの町になってしまわないだろうか。

さらには、国や北海道の行革、地方分権によって、権限業務約2000件が町村へ移される方向にあるという。しかし、財源移譲や国の補助金システムの変更は先行き透明の中にあり、一部の税の地方移譲は実現されたが、地方交付税はそれ以上に確実にカットされ続けている。10数年先の歳入予想は、現行の60%になるという驚愕する予想数字が合併協議会では提示されていた。
  
たとえ、税源が移譲されてもその徴収先が見当たらない過疎地。元閣僚が「国がなくて、地方はないでしょう」と言い放ったように、国家経営優先が現実化しているのだ。

黒松内に生活の基盤を置き4年目の合併協議破綻に直面して、地方の自立・自律の前に立ち阻む、厚く高く、重い壁の存在を肌身で感じ始めた。

 この忍び寄る、地方経営の破綻に対して、どれほどの人々が自らのこととして感じているのだろうか? 「行政がなんとかしてくれる・・」では、もう楽観・期待はできない。

 この活路は、どこに求められるのか?  それは・・・・、
小さな様々な形態、特性を持つコミュニティの創出、それらが有機的につながり、常に変化変容できる社会づくりだ。そして、それは小さな町の中だけでは解決できないことだろう。

 NPOとして存在する大きな大きなミッションは、ここにある!!

(季刊ねおす MISSON  原稿 2004.12 を改編)



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