はる風かわら版

たかぎはるみつ の ぼやき・意見・主張・勝手コメント・コラム、投稿、原稿などの綴り箱です。・・・

今あらためて「自然体験型環境教育」の役割をおもう

2023-12-24 17:49:28 | 徒然なるままに・・
あらためて「自然体験型環境教育」の役割をおもう

コロナ禍が広がり始めた頃、川向の隣町寿都にて、突然に高レベル放射性廃棄物地下埋没最終処分場の建設に関わる文献調査が始まった。一部の町の有力者だけで検討し首長の専決権を持って調査応募された。当然に反対活動も始まり町を二分している。 地震多発な日本、周辺には活断層も存在する。福島原発事故も収束を見通せもしないままである。国のエネルギー問題にも直結する重大事にも関わらすに人口が3千人も満たない過疎の町だけの問題になっている。世界的にみても戦争や経済紛争も絶えない。
 環境教育の大切な教育目標は「時間的視野と空間的視野の拡大」である。その能力を育むために自然体験活動をライフワークとしてきたが、どこか虚しさも感じる昨今である。
地球上の人類は生活風習、見かけが違ってもホモサピエンスサピエンスというただ一種類の生き物なのだが、私はその生態に置いて、力(昔は武、今は経済)を使って勢力を広げようとするホモエコノミクス、そして、その地域居住を大切にしたいホモエコロジスに分化がすでに両者わかりえないほどに進んでいると思う。しかし、同時に人類はあらゆる自分とは異なる存在と偶然ではなくて自らの意思で近づき交流し進化してきた存在であるとも考えている。しかるに、現代の紛争、環境などあらゆる社会問題の解決においても、このふたつの視野の拡大を持って「他者への共感力」を育み解決できると信じて疑わない。

高木晴光 黒松内ぶなの森自然学校代表


ゆきむし

2023-12-24 17:46:06 | 徒然なるままに・・
「彩とりどり日本紀行」第7弾!
立冬: 2023年11月8日(旧暦9月25日)

「ゆきむし」

道東の仲間から「ゆきむしを見てしまった!」という便りが届くようになりました。
雪虫とは、トドノネオオワタムシといい、アブラムシの一種です。

夏には羽根がない姿で単位生殖し多数が集まってコロニーを作りトドマツなどで暮らしていますが、
秋も深まると羽根を持つ成虫が現れ、交尾して産卵をするために
蝋物質の細い綿毛のような物を身にまといヤナギへと越冬のために移動をします。

しかし、羽根はあるがその飛翔力は極めて貧弱で、山々が色付いた頃の晴れた日に、
ここぞとばかりに一斉に飛び立ちます。
その先兵のような気の早い虫がふわりふわりと風にゆられて飛ぶ様子は
綿雪がちらほら舞うようで、ユキムシと北国では呼ばれ、冬の到来を里人に感じさせます。なので、人々には「あー、いよいよ冬が近づいてきたなあ」と、
風物詩というよりもちょっと嫌われているふしもあります。
なので、「見た」というよりも、「見てしまった!」と、残念な表現がされてしまいます。

それにしても、晴れていても風のある日もあるわけで、
その一斉の飛び立ちは、目的地に向かってイチかバチかの賭け事のような決死移動なのです。
だからこそ、大集団で一斉に飛び立つのは、万にひとつのゴールを目指しているのでしょう。
その集団の中を車で通過すると、フロントガラスは彼らの付着が著しくもなります。
それもまたやっかいな連中とうとんじられてしまいます。

なぜゆえに、そんなめんどくさい生態に彼らはなってしまったのだろうか。
見知らぬ未知なる場所に移動したがるのは、「生き物」としての証(あかし)なんだろうか・・・と、
ぼんやりと我が身の先を想う秋の深まりの午後のひだまり・・・、でした。

※コラムを頂いたのが10月中旬でしたので、道東からの便りはそのころのお話しになります。

【エコセン理事 / 黒松内ぶなの森自然学校代表 高木晴光】