随分昔のTVドラマ「太陽野郎」を知っている方はいるだろうか?
♪寂しくなると、なぜか思いだす、
あいつは空を降りた太陽野郎♪
という主題歌は今でも、ここぞといという踏ん張りどきに、今でも耳元にリフレインする応援歌です。当時、関東で暮らしていた少年を北海道好きにさせた思いで深いドラマです。その頃、運よく北海道へ初旅行をする機会を得ました。
カーボーイハットをかぶり、首を傾けポーズをつけている恥ずかしい写真が残っています。その見下ろす背後は札幌の市街地・・、まぎれもなく藻岩山の山頂なのです。「俺はこの大地に根を生やしてやるぞ!」風情です。
藻岩山の山頂に立つと、眼下に180万都市の街並みが広がっています。遠くに日本海も臨む広大な扇状地は豊平川、そして本流の石狩川が創り出し、かつて釧路湿原をいくつも包み込む湿原と深い森でした。一方、後ろ振り返ると、支笏洞爺国立公園に続く山々が連なっています。今も野生動物としては巨大なヒグマが住む森があります。藻岩山は、人工開発された地と多様な自然が残る地域との接点にある砦のような場所です。
格好つけたあの時の私は都市だけを見ていたと思います。2つの異なる環境の境目に立っていることには思いも及ばなかったでしょう。
札幌は世界に類をみない大都市と自然が併存する街です。山頂に立った時、ぜひこの2つの世界を見比べて欲しいものです。