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はる風かわら版

たかぎはるみつ の ぼやき・意見・主張・勝手コメント・コラム、投稿、原稿などの綴り箱です。・・・

認知症と自然体験

2011-03-01 00:21:37 | 活動理念

ひょんなきっかけから、認知症の患者さんをどのように社会で受け入れてゆくか、認知症の啓発や受け入れの仕組みづくりをする事業提案をすることになりました。
時間がないので、作りこむことができないのですが、高齢者プログラムは、これから目指してゆきたい大きなテーマでもあるので、良い機会ととらえることにしました。

事業の思いを書かなければならないのですが、一気に書きました。

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◆社会背景から私どもの新たな役割の模索

 地方社会では都会より早いペースで高齢社会に突入している。黒松内町においては、すでに65歳以上の高齢者が人口の30%を占める状況にある。介護にあたる社会福祉協議会や高齢者施設の職員は、目の前のお年寄りの介護サービスで手一杯の状況で、新しい介護プログラムや療法を試みることが難しいように見える。
 認知症等高齢者に対応する介護・療育プログラムは、異なる専門性を持った分野との連携がなければ、閉ざされた関係性だけの中での介護・療養となってしまう。

 多様な価値観を生きて来た世代がこれから高齢化してくる時代にあっては、対応するプログラムも多様性が必要な時代になると思う。私達が専門としている「自然体験活動」と医師、理学・作業療法との連携により、効果的な療養ができる可能性がある。その実証的活動を展開したい。

◆新たな役割を持つ人材の育成

 社会一般的に言えることだが、あらゆる分野での専門的知識と技術は高くなっている。一方、それぞれの専門領域をつなぎ、重ね合わせ、新たなる社会サービスを創造する機会とそれを実行するコーディネイターの存在は極めて少ない。医療と社会とをつなげる役割も同様である。本計画では、自然体験活動という専門分野を持って、医療活動と連携し、新しい社会サービスを創出する人材育成を試みたい。

◆モデル化へのトライアル

 黒松内・寿都地域の医療をカバーする寿都診療所は、家庭診療科という地域に根差した医療活動を所長である中川貴史医師を中心として行っている。高齢者医療にも力を入れており、認知症患者の家族の会も行政とも連携し立ちあげた。本計画では、療法士もいる寿都診療所の全面バックアップを受け、医療に自然体験活動を取り入れる先駆的な取り組みを展開し、他地域へのモデルを提示したい。

 
◆個人的な背景

1980年後半に健康レジャー産業において施設計画・運営を行った。高齢な方も利用できる温泉・スポーツクラブを核とした複合健康レジャー施設を行った。私は30代中半であったが、当時の高齢者問題に対応するサービスと多様な価値観の中で育った自分自身が高齢になる時代のサービスは異なると考えていた。ある特定な専門家や施設が高齢者福祉を担うだけでなく、異なる分野で仕事をする者も高齢者福祉、健康づくりにも関わることが必要な時代になると感じていた。
 そして、自分自身が50代の後半に入り、高齢者と世代を越えた多様な地域住民や専門家が関わりを持てる社会サービスづくりに傾注したいと考えている。

◆組織としての背景

 「自然と人、人と人、社会と自然」のつながりづくり、が私どもNPOのミッションである。
 ミッション実現の具体的社会サービス提供として、高齢者対応のプログラムも当初より目標のひとつにしていたが、まだ着手していない。今回は、その試行開始として、とても良い機会だと考えている。