歴史とドラマをめぐる冒険

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麒麟がくる外伝・「朝倉義景を討て」・勝手なあらすじ

2020-10-27 | 麒麟がくる

「光秀のスマホ」が許されるなら、私が「このぐらいふざけてもいいかな」と思ってます。

さて上洛後の信長です。「美濃は帰蝶のためにとった。京都は将軍のために占領した。帰蝶は喜んでくれた。将軍も天皇も喜んでくれた。京都の人々も歓迎してくれた。まずは嬉しい限りだ。」と考えています。十兵衛は史実上は両属ですが、ドラマ上は幕臣です。

帰蝶「まずは良かったですね。帝も将軍も殿を褒めていたのでしょう。」
信長「まあ、そうじゃがな。だが、この後どうすればいいのかな。」
帰蝶「美濃も伊勢も近江も、まだ落ち着いてはいません。ここからは内政ですよ」
信長「内政か、、、苦手だな。信長の野望なんかでも内政コツコツやるの苦手なんだよな」
十兵衛「なんの話をしてるんだ、おめーは」
帰蝶「指出検地じゃなくて、検地もしっかりやって。信長は内政面において遅れてるとか、そういう汚名返上ですよ。」
十兵衛「その通り!」
信長「あっ、十兵衛いたのか。おい、どさくさに紛れて、おめーとか言わなかったか」
十兵衛「何の話だか。それより幕府の腐敗ですよ。腐敗。どうにかしないと」
信長「摂津晴門だろ。めんどくさいな。歌舞伎役者みたいだし、からみたくない。おいしいとこ全部持っていくからな。鶴ちゃんは」
十兵衛「でもこのままだと、三好やユースケ義景をけしかけて、織田を攻撃すると思いますよ」
信長「なんでじゃ。おれは幕府の恩人だよ」
十兵衛「この間、怒鳴って摂津に扇子を投げつけたでしょ。恨んでますよ」
信長「そうか、知らない、ボク知らない。」
十兵衛「とにかく天下静謐のために、織田家は頑張らないと」
信長「てんがせいひつ?なんだそれ」
帰蝶「天皇の代行者である将軍が京都周辺の平和を実現する。その将軍の天下静謐作戦を信長様が軍事で支える、ということです」
信長「長いよ、わかりにくいし。要するに天皇と将軍を尊重して、京都あたりを平和にすればいいのだな。褒めてくれるか」
帰蝶「みな、口々に殿を褒め称えましょう」
信長「そうかー。夢のような話だな。よし、それで行こう。とりあえず朝倉さんに仲良くしようと言ってみるわ」
十兵衛「いや、それが、摂津さんは既に朝倉に手を回し、三好と朝倉で織田をハサミうちしようとしているのです」
信長「えー、それに乗ったの?馬鹿じゃないかユースケサンタマリア、サンタマリアのくせに。でも三好と組んだというのは怪しいな」
十兵衛「とにかく先手を打って、越前を攻めましょう」
信長「でもさー、天下って畿内だろ。越前関係ないじゃん。あれ、天上天下唯我独尊の天下も畿内なのか?お釈迦様は日本の畿内で唯我独尊なのか」
十兵衛「なに言ってんだ、てめーは。とにかく先手必勝ですよ。ユースケはへたれだから、すぐ白旗あげますよ」
信長「でもユースケ義景が、謝らずに、本気で攻撃してきたらどうするんだよ。結構強いぜ。ここは和平でしょ。静謐、静謐、静かにしていようよ」
帰蝶「いや、ここは摂津の計略を逆手にとって越前をやっちまいましょうよ、ユーやっちゃいな」
信長「うーん、そうかな。まあ考えてみると魅力的かも、十兵衛、帰蝶、おぬしらもワルよのう。越前とれば太平洋から日本海まで領土が拡がる。貿易の金も入る。みんなも褒めてくれる。うん、いいかも。戦大好きだー。で、浅井長政くんはどうするの」
十兵衛「伝えると、余計悩みますよ。攻め込んでしまえば、見てみぬふりでしょ。」

ということで信長は越前に攻め込みます。その前に光秀の助言で正親町帝から勅許ももらっています。が、浅井長政は「見ぬふりなどできるか、俺は、その他大勢キャラじゃないぞ」と怒り狂います。で朝倉側につきます。信長は挟撃され、ピーンチ。

信長「だから長政くんには伝えようと言ったじゃん。考えてみると十兵衛、ほぼ実践経験ないよな。大将首事件だけ。長良川でも本圀寺でも戦っていない。よく玄人みたいな口がきけるよな。このド素人が!詫びろ、聞こえなかったか、詫びろ詫びろ詫びろ!」
十兵衛「はい、ごめんなさいね。今は私の人格攻撃とかしてる場合じゃないでしょ。逃げないと」
信長「あと正親町さんに勅許もらったけど、役に立たないじゃん。長政くんやユースケは朝敵だろ。そんなこと全然気にしてないじゃん。」
十兵衛「まあそれはですね。これから天皇権威を高めていけばですね、、まあ天皇問題はデリケートだからやめましょうよ。とにかく逃げるのです」
信長「デリケートって、正親町帝登場させちゃったわけだし。難しいよな、描き方が。うるさい人多いから。それはそうと、逃げてもさー、途中で殺されたら恥じゃん。とにかく、まず失敗を認めろよ。お前時々わかったような大きな口きくけど、戦争経験値ほぼ0だろ。ユースケ義景にもべらべら戦争とはを語っていたけど、戦った経験ないくせに、よく言えるよな。間者から聞いたぞ。知ってるぞ」
十兵衛「ねちねちうるさいなー。天下静謐という大任を果たすため、織田信長は死んではならんのです!」
信長「大きな声だしても騙されないから。でもまあ逃げるのは正解だろな。なんか恥だが役に立つとも聞いたしな。よし、逃げる」
十兵衛「逃げるが勝ちですよ。すると後の大河が、、、信長はひた走りに走った。敦賀平野に舞い降りた速さもさることながら、勝ちいくさの収穫になんの未練もなく、戦場を離脱した異常な速さは、戦術の常識を打ち破った信長の天才を示している、、、と言ってくれますよ」
信長「褒めてくれるというわけか。逃げても褒められる。それが徳川慶喜くんとの違いか。慶喜くんが逃げたから戊辰戦争はあの程度だったんだけどな。まあいいか。よし、逃げる」
藤吉郎「あのー。本当に逃げないといけないんですか?」
信長「どういうこと?」
藤吉郎「いや具体的な兵力は完全には把握してないんですが、、、浅井の動員できる兵力から考えて両面作戦も可能だったんじゃないかと」
十兵衛「だった、ってどうして過去形?。まあね、やってやれないことはないかな。でもそういう賭けをやらないのが信長なんだな。勝てるまで調略やって、人数を整えて、勝つべくして勝つ。この戦いで信長が学んだのそれなんじゃないでしょうかね。木下殿。」
藤吉郎「十兵衛様、そうでしょうか、姉川だって結構危なかったんでしょ。それは信長の天才性を買いかぶり過ぎている意見だと思いますがね」
十兵衛「いや、この戦いだってここまでは勝っているわけよ。でもその収穫に未練なく、異常な速さで戦線を離脱しているわけ。天才かどうかはともかく、そこは評価しないと」
藤吉郎「本当に異常な速さだったのですか。そこからして怪しいな」
十兵衛「4月25日に金ヶ崎城を攻撃し、4月30日に逃げている。浅井裏切りの報をどの時点で知ったかによるでしょうな」
信長「てめーら。なぜ俺を置き去りにして信長の歴史的評価ごっこやってんだよ!いいんだよ。いろんな信長がいて。逃げるぞ。トウキチ、後はまかせた」
藤吉郎「うけたまわって、ござりまするーー」
信長「お前、時々そういう変な発声をするけど、狙いはなんなんだ?」
藤吉郎「てへっ」
信長「てへっ、じゃねえよ」

とういうことで信長は金ケ崎からやっと脱出します。しんがりは、秀吉・十兵衛らがつとめました。十兵衛もいたという史料は一色藤長の伝聞史料だけみたいで、史実と違う可能性もあります。

信長「だから言ったろう、十兵衛、お前は考えが浅いのだよ」
十兵衛「いや、大したことなかったですよ。生きて帰ったわけだし。」
信長「そもそもさー、絶対裏切らないと思っているなら、どうして浅井に伝えないのだよ。もしかして、と思ってるから伝えないんだろ。本当に伝えなかったのか?」
十兵衛「済んだことをねちねちと。どうしたんですか、どっか痛いのですか」
信長「痛いよ。鉄砲の傷。かすり傷でも痛いんだよ。やっと京都にもどってさ、一息ついて岐阜に帰ろうとしたら、なんと「黄金の日々」でおなじみの杉谷善住坊に鉄砲で狙撃されたよ。千草越え。命いくつあっても足らんわ。黒幕は六角上等らしいぞ。上等じゃねえか、やってやるぞあいつ」
十兵衛「上等じゃありません。六角承禎(じょうてい)です。藤吉郎殿と同じぐらいまで生きますよ。しぶといんです。」
信長「どっちでもいいよ。しかも一色藤長は十兵衛がしんがりだという手紙残してるけど、違うよね、一緒に逃げたじゃん。幕臣びいきもいいけど、伝聞でいい加減なこと言うのはどうかなー」
光秀「申し訳ありませんね、細かいな」
信長「謝ってすむことと済まないことがあるぞ。あー腹立つわ、そのしたり顔。帰蝶、どうする。わび入れようよ。浅井と朝倉に」
帰蝶「もう無理みたいですよ。お市さんが手紙に書いてました。ユースケ義景はともかく朝倉家中はかんかんだそうです。それにあの信義を重んじる浅井長政さんが、怒り狂ってるそうで」
信長「そうだよなー。あいつ真面目だもの。そりゃそうだよなー。あーあ知らないよ。もう天下静謐は終わりかな」
十兵衛「いや、こうなれば、全て天下静謐で押し切るしかないと思いますよ。天皇と将軍が後ろ盾です。なんでもかんでも天下静謐で押し切りましょう。信長に逆らったら全部天下静謐の敵、これで押し切るしか生き残る道がありません」
信長「いやなんだよね、現実にはもっと柔軟に対応しないと。それじゃあ天下静謐原理主義者じゃん」
帰蝶「しかしこうなれば、仕方ないでしょ。十兵衛の言う通りですよ」
信長「いう通りじゃないって。浅井と朝倉に謝ればいいのだよ。誤解があったと。分かってくれるよ」
十兵衛「しかし摂津は裏ではどんどん浅井、朝倉、叡山をたきつけてますよ」
信長「だから将軍は何やってんだよ。信長のカイライじゃなくなったと思ったら、摂津のカイライじゃん。どっちにしろカイライ。がっかりだよ」
十兵衛「憎きは摂津。やられたらやり返す。近いうちに倍返しだ!」
信長「それはスルーするよ。まあとりあえず天下静謐で押し切るけど、どうも危険だな、あの将軍は。それに静謐って字読みにくいし。高校生だって読めないだろうし、日本史用語としてどーなの。畿内平定、畿内平和維持じゃ駄目なの。静謐の謐って字、普段絶対使わないでしょ。」
帰蝶「ぐちぐち言わない!当時の手紙にだってちゃんとある言葉です」
信長「そんなの関係ねえ!はい、オッパピー。だったら幕府だって公儀って書くべきじゃん。」
帰蝶「はいはい。分かりました。それより十兵衛、なにげなく言ったけど、比叡山?」
十兵衛「そうなんですよ。小朝がね。いや天台座主の覚恕が、まー悪いやつなんすよ。史実は違うと思いますけどね。でも、あれは焼いた方がいいですね。叡山焼き討ちですよ」
信長「怖いこと言うね。石仏壊すのとわけが違うよ。今度こそバチ当たるよ。そもそも叡山は700年の昔、最澄上人、伝教大師が顕密仏法を伝えるために勅命をもって開いた聖地であってね。国家鎮護、王法冥護のためにね、、」
十兵衛「信長、おめーは坊主か!仏像なんて木とカネ(金属)で作ったもの。坊主たちはみんな破戒坊主ですよ。何の験もない。そういう古き世の妖怪どもをすりつぶして新しい世を招きいれるのが、織田信長の大仕事なのです!」
信長「大きいんだよ声が、、びくっとするじゃん。それにどうしておれの仕事をお前が決めるわけ?この間は天下静謐が仕事だって言ってたよね?」
十兵衛「叡山はもはや天下静謐の敵なのです」
信長「論理的におかしいだろ。天下静謐は幕府の目標で、俺はそれを助けているだけでしょ。でも叡山を敵にしたのは幕府の摂津で、義昭さんは黙認。結局天下の静謐を乱しているのは幕臣とそれを咎めない将軍だろ。その将軍をおれが助けるわけ?」
十兵衛「ままならぬのがこの世なのです。とにかくやられたらやり返す。それしかありませんよ」
信長「やだなー。そもそも京都嫌いなんだよね。伏魔殿じゃん。絶対自宅作らねーぞ。伏魔殿である京都を焼いた方が早くないか。あっでも帝のお膝元の京都を焼いたら、天下が乱れるか」
十兵衛「それはまた後の話になります。上京焼き討ち。義昭幕府の最終段階の話になりますな。」
信長「ふーん。京都まで焼くのか。やだな、そういうの。でも幕府滅んでないだろ。鞆幕府って知らないのか?」
十兵衛「さあーどうなんでしょう。土地を給付することはできたのですか。」
信長「知らないよ。そんなこと。未来の話じゃん。それより今だよ。どうしたら人と人は争わず、傷つけ合わずに生きていけるのだ。教えてくれ十兵衛」
十兵衛「答えが出ないのです。答えが出ないままに、でも麒麟がくる世を求めて、迷いながら進むしかないのでしょうな」

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