歴史とドラマをめぐる冒険

大河ドラマ・歴史小説・歴史の本などを中心に、色々書きます。
ただの歴史ファンです。

麒麟がくる・桶狭間の戦いはどうなるのか・太田牛一は数学が苦手?

2020-05-19 | 麒麟がくる
桶狭間の戦い、太田牛一の「信長公記」を読んだだけでは、何で勝ったのか全くわかりません。「信長軍は疲れていなかった」「義元軍がもろかった」「運も味方した」ぐらいですね。私が読み取れるのは。「信長公記」は誰もがみとめる資料ですが、数字については、疑問が指摘されています。

私が最も不思議に思うのは兵力です。義元四万五千、信長二千。そんな馬鹿な。そして「そんな馬鹿なという思い」をドラマのセリフにするとこうなります。

信長「帰蝶、困ったぞ、今川義元が本気で攻めてくるらしいぞ」
帰蝶「で、兵力はどれぐらい」
信長「4万5千というぞ」
帰蝶「あなたはバカですか。今川は70万石でしょ。1万石で200人で計算すると、1万4千人、どんなに無理しても1万後半、全員連れてこれないから1万。して我が家の勢力は」
信長「今川は100万石と聞いたぞ。あっそれでも全部連れてこないから動員可能兵は1万2千ぐらいか。でもこっちは2000人ぞ。戦いに向けられる勢力は。砦をまもる必要もあるわけでな」
帰蝶「あなたは本当のバカですか。信勝殿も死んで、岩倉織田も滅ぼし、ほぼ尾張を統一、約60万石ですよ。どう計算すると2000人?10万石計算じゃないですか」
信長「でも、うっしーが、相手は4万5千人、こっちは2千人というのじゃ」
帰蝶「うっしー、太田牛一ですか。かの者は数を盛ったり、少なくしたり、数学が苦手なんですよ。父道三と信秀様が戦って尾張兵5千人死んだとか。ありえないでしょ。」

近頃は奇襲が退けられて「正面攻撃」ということになっています。となるとこの兵力の「ウソくささ」をクリヤーしないといけない。さて麒麟がくるでは何対何となるのか。
兵数が私にわかろうはずもないし、石高だって1万石200人だって全て仮説ですが、史実としては推定1万2千対7千ぐらいじゃないのかなー。それなら正面攻撃でも運がよければ勝てそうな気が。合戦したことないけど。(これを書いた後で知ったのですが、最近、奇襲説が息を吹き返しているようです。いい傾向です。)

でもお話としては「少数で多数に勝つ」ほうが面白いのですよね。ただしこの考えをマジに採用したりすると帝国陸軍みたいになってしまいます。ドラマとして面白いというだけです。

すでに麒麟がくるは第二回で「少数で多数に勝つ」を描いているので、またやってくるのだろうとは思います。でも信長2000は少なすぎる。義元4万はありえない。それでも2000でいくのでしょう。義元の4万5千はちょっと盛り過ぎなんで、きりよく10倍で2万、そう予想します。考えてみると識者もこの4万5千の盛りすぎは認めていて、2万から3万とかいうわけです。でも信長の少なさの方は何故か増やそうとしません。2000から3000です。60万石なのに。半分不参加でも6000です。

ただし今回は松平元康が味方します。そもそも家康は「今川を倒すために今川に潜入した」設定です。でも悪魔の子だった家康、ごく普通の思春期の青年になっていたのでどうなることやら。すっかり今川好きになっている可能性も。でもまあ味方しますね。家康は先鋒隊なんで、ちゃっかり信長に寝返る。寝返ってないような感じで寝返る。

家康は風間さんですが、かわいい顔して「やっぱ悪魔だわ」となるのか。それとも将来、光秀と盟友となるという前提で「光秀的な聖人君子風の人物になっている」のか。

まあわかりません。あっということをやってきますから。私ごときに分かるはずない。これまでの予想もほぼ全てはずれています。それに光秀がどうからむのかも分からない。あと帰蝶Pの暗躍も予想できません。どう暗躍するのだろう。伊呂波大夫を使うのか。藤吉郎を使うのか。そしてイケメン柴田勝家はどう動くのか。

希望を書きます。

①人間五十年は舞ってしまってほしい。むろん「舞わない」がこの番組のポリシーだろうけど、信長が「お家で踊ろう」と、急に舞にはまっていることにしてほしい。帰蝶はそれを「急に踊り?」と思って眺めている。「信長公記」に明記されているのだから、舞っても「古い」とか言われない。いや、言われるのか?

②藤吉郎、光秀、菊丸、この三人が組んで、なんか「工作」をしてほしい。いや光秀にはそろそろ刀槍で活躍してほしい。逃げる義元の前に光秀と毛利新介(今井翼)が立ちはだかる。しかも、それだけの功をあげながら、なぜか尾張には仕官しない。今までの流れでその矛盾は、矛盾とならない。すでに光秀は尾張の危機を、救って、しかも土岐頼芸の金を使って救っている。尾張の大恩人なのだ。

③今川義元は見事に散って欲しい。亡き中村勘九郎さん(大河武田信玄)を上回って欲しい。

④急坂の逆落としやってみてもいいんじゃないかなー。ずっと逆落としやってないから。でも今回は坂登りなるのかな。「桶狭間山」へ。気が付いたら桶狭間は「山」になってました。でも谷底にある丘が「桶狭間山」でもいいわけで。とにかく山登りより、逆落としのほうが絵になると思うわけです。