ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

短編アニメ映画 『ピカドン』

2016-05-28 21:28:51 | 戦争

現在54歳()の私がまだ10代だった頃、広島への原爆投下を描いた短編アニメをテレビで見ました。

徳光さん時代の 『ズームイン!!朝!』 で放映されたんです。

 

原爆投下直後の目を覆いたくなるような被災者の状態が描かれていて、衝撃でした。

あの 『手』 のシーンは、今日まで頭に残っています。

その後見かけた覚えがなかったのですが、ネットって本当に便利ですね。

1978年制作の 『ピカドン』 だったことがわかりました。

 

視聴はこちらでどうぞ。  警告: 原爆被災者の無残な状態が描かれています。

 

ウィキペディアで調べてみたらアニメ映画ではなく絵本の『ピカドン』が出てきて、アニメ映画は絵本を基にしていたことが

わかりました。 ところが絵本は、1950年8月の刊行直後に “発行禁止処分となった” そうです。 ということはアマゾンで検索

したら出てきたこれは、戦後40年以上経ってようやく許可され刊行されたものということでしょうか?

絵本を基にしたアニメが YouTube で視聴できますが、BGMがひどいので無音で見ることをお勧めします。


私はまだ広島に行ったことがありません。

11年前広島平和記念資料館のウェブサイトを見つけたときは、バーチャルミュージアムを隅から隅まで

読み漁りました。 衝撃に衝き動かされて何かせずにはいられなくなり、自分の思いをローカル新聞に投書。

採用され紙面に掲載されたときは嬉しかったです。

 

  


原爆を題材にした映画でもうひとつ忘れ難いのが、『黒い雨』 (1989年)。

今は亡き田中好子さんの演技が高く評価されましたっけ。

      

英語字幕つきですが、こちらで視聴できます。


オバマ大統領の、現職の米大統領としては初めての広島訪問が話題になりました。

個人的な意見ですが、私はオバマ大統領が謝罪する必要はなかったと思います。

1961年生まれの大統領は、当時生まれてすらいなかったのですから。

私が24年前にイギリスに来た頃は、日本と日本人を嫌悪する元日本軍捕虜の退役英軍人が折に触れてテレビに出てきて、

その度に罪悪感にとらわれたものです。 私だって1962年生まれで、第二次大戦中は生まれてすらいなかったのに。

もし私が今でも日本人を憎む元日本軍捕虜に 「謝れ」 と言われたら、困ってしまうと思います。

一日本人として申し訳ないとは思うけれど、だからといって自分には責任がなかったことを 「謝れ」 と言われても・・・・・

近年はそんな元日本軍捕虜を見ることはめっきりなくなりましたから、

おそらく亡くなられたのでしょうね。


オバマ大統領は私のような一般市民ではなく、原爆を落とした国の現職の大統領なのだから謝るべきだった?

たとえオバマ大統領が謝りたい気持ちでいたとしても、それは無理だったろうと私は思います。

戦争の早期終結のため(これ以上米国側の犠牲を出さないため)やむなく原爆が投下されたというのが米国の主張なのに、

オバマ大統領が謝罪してしまっては、原爆投下に関与した人々の立つ瀬がなくなるからです。

関与していた人々、あるいはその子供たちがまだ存命ですから。

このように大きな問題は、孫の代以降にならないと冷静に客観的に分析できないのではないでしょうか。

ひょっとしたら数世代後に、米国内から少しずつ、「原爆投下は誤りだったのではないか?」 という声が

上がってくるかも・・・ と、実は私は密かに期待しています。

 

オバマ大統領の17分の演説は、でも、長過ぎました。 あれでは誰しも集中力を失くしてしまいます。 まるで、

謝罪しない分を長さで埋め合わせたかのよう。 演説は要点をうまくまとめて簡潔な方が、心に残ると思うんですが。

 

原爆投下は終戦を早めたのか?

これに関してはいろいろと説があり、正直私にはわかりません。 ただひとつ言えるのは:

当時の日本を率いていたリーダーたちの代わりに多くの無実な善良な市民が恐ろしい被害を被った。

それが本当に理不尽だった。 残念だった。 ということです。

敗戦は目に見えていたにもかかわらず国民に徹底抗戦を強い、敵に捕らわれるより自決しろと

促していた、当時のリーダーたち。

イタリアが早いとこ降参し、ヒトラーが自殺しドイツが降伏した5月8日の時点で日本も降伏していれば、

少なくともその後の空襲や沖縄戦の後半、そして広島と長崎への原爆投下は避けられていたものを。

(初代ハチ公像制作者の安藤照氏だって、空襲で殺されることはなかったものを。)

私に言わせれば、特攻隊員として若者を自殺必至の任務に送るようになっていた時点で敗北は明らかでした。

未来を担う若者は、国の宝です。 その若者に犠牲を強いていたのだから、勝てたわけがない。

原爆が当時のリーダーたちにだけ(というのは不可能だったことはわかっていますが)落ちればよかったのに!

 

オバマ大統領の広島訪問は、世界の目を広島に向けてくれたという点でとても有意義だったと思います。

外国人観光客が急増中という日本。

ラグビーのワールド・カップとオリンピックを控え、今後さらに注目度が増すことでしょう。

イギリス人の中に 「日本に行ったことがある」 と言う人はなかなかいませんが、たまにそういう人に会うと、

皆さん 「日本は清潔で日本人は礼儀正しく親切。 とても良い思い出ばかり。」 とおっしゃって下さり、

一日本人としてとても嬉しくなります。

 

原爆投下の非正当性を訴えていくことは大事ですが、そのことだけにとらわれて

おもてなしの心を忘れるようなことがありませんように。

日本の美しさや日本人の善さが外国人に浸透していくうえで (原爆投下は本当に必要だったのか?) と

自発的に考えていただけるようになることが、最も理想的だと私は思うんです。

 

 

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