ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

ウォットン・アンダー・エッジの街あるき 《後編》

2023-08-29 21:17:47 | イギリスのあれこれ

お待たせしました(誰も待ってなかった?)、ウォットン・アンダー・エッジのレポートの後編です!

 

前編からのつづき 》

 

街あるきでフットパスを見つけると、(どこに出るんだろう?)とワクワクして、つい誘い込まれます。

 

坂になったフットパスを上っていったら、コッツウォルズ・ウェイに出ました。

石造りの家の脇にゲートがあって、ゲートを抜けたら、・・・

 

・・・聖メアリー教会に出ました。内部は明るくていい感じ。

 

商店街に戻ったら、お店の外にワンコが繋がれていたのですが、その寂しげな瞳に、こちらまで切ない気分に。

そのあとすぐに飼主さんが出てこられ、ワンコはとたんに幸せいっぱい元気いっぱいになったので、良かったです。

 

 

*       *       *

 

最後に、ウォットンにある、面白い建物を紹介しますね。

グーグル・マップでウォットンを眺めていて、見つけました。

THE ANCIENT RAM INN です。ウェブサイトはコチラ

 

商店街からすぐのところ、町を出て東に向かう、一段低くなった道路脇に立っています。

 

側壁の掲示に

Ancient Ram In / 10th Century / Not Licensed / Wotton's oldest house / Haunt of Highwaymen

とありますから、

エインシャント・ラム・イン / 10世紀(の建造) / 酒類販売の許可なし / ウォットン最古の家 / 追いはぎの幽霊(が出る)

みたいな感じでいいのかな?

(『酒類販売の許可なし』というのは、以前はラム・インはパブでしたが、廃業後は許可を失ったためのようです。)

 

あとで調べていてわかったのですが、道路に面したこの部分は家の背面で、しかも2階部分でした。

実際に家が立っている地面は、この道路よりかなり低くなっているようです。

イギリス指定建造物第二*級に指定されているそうです。(特別な許可を得ない限り、手を加えたり壊したりすることができません。)

  

窓には、今年のオープン・デーの一覧表が貼ってありました。

「13世紀の教会建築の際、大工や石工がここに寝泊まりした」

「1620年のメイフラワー号のピルグリム・ファーザーだったこの町のスティーヴン・ホプキンスを記念して」

との掲示や、

「ラム・インにおける奇怪な現象」 という見出しのついた、ローカル新聞のページらしきものも。

  

 

反対側から見ると、こんな感じです。

 

【 以下はすべてネットから拝借した画像です。】

 

ラム・インの前面はこんな感じになっているんですね。かなり大きな建物です。屋根裏まであるみたいだし、3階建てと呼ぶべき?

私がアプローチした背面は、画像の右手部分のものだったと思われます。

 

 

ラム・インがいつ建てられたのか定かではありませんが、最初は聖メアリー教会に所有されていたようです。

1145年頃、教会建設のため集められた石工や大工や奴隷の住居として使われたのが、始まりだったとのこと。

教会が完成し労働者たちが離れたあと、1154年に、最初の教区牧師がここに住んだとの記録が残っているそうです。

ラム・インは19世紀後期からパブ兼宿屋(=イン)になりましたが、1968年にパブは廃業、建物は売りに出されました。

老朽化したため解体撤去の危機にあったラム・インを同年に購入したのは、ジョン・ハンフリーズ氏。

彼はラム・インの保存と修復に情熱を注ぎ、やがてはラム・インを、ゲストハウスとしてオープンさせました。

しかしながら、宿泊客が恐怖に慄くような超常現象が続いたため、結局ゲストハウスは廃業せざるを得ませんでした。

ハンフリーズ氏の妻と3人の幼い娘たちは、当初は古くボロボロなうえ薄気味悪いラム・インに、ハンフリーズ氏とともに

住んでいました。が、ハンフリーズ氏があくまでラム・インに執着したため、妻子はラム・インから出ていき、別居。

妻とは最終的に離婚となり、ハンフリーズ氏もしばらくの間、娘たちと疎遠になったそうです。

 

ハンフリーズ氏は2017年12月に亡くなったため、娘のキャロラインさんが現在のオーナーです。

下は、父親ハンフリーズ氏の肖像画を掲げるキャロラインさん。

 

ラム・インをググってみたら、超常現象を扱うサイトが出てきました。

HAUNTED ROOMS - THE ANCIENT RAM INN GHOST HUNTS

HAUNTED HAPPENINGS - Ancient Ram Inn - Wotton under Edge, Gloucestershire

THE LITTLE HOUSE OF HORRORS - THE ANCIENT RAM INN

The Ghost Club - The Ram Inn

 

あれこれ読んだところを大雑把にまとめると、こんな感じです。

 

ラム・インが建てられた場所は、五千年前とかの大昔に、異教徒が埋葬された場所だったと考えられている。

ラム・インに現れる幽霊は20人(?)ほどいて、昔の修道士だったり、騎士だったり、インの以前の所有者だったり、

キリスト教を信じなかったために魔女として1500年代に火あぶりの刑に処された女性だったり

(彼女が捕えられ処刑される前に隠れていたとされるラム・インの一室は、現在 The Witch's Room と呼ばれている)、

階段から突き落とされ首の骨を折って命を落とした少女ロージーだったり。女の幽霊が天井から逆さまになって現れたりもする。

暖炉に頭を突っ込まれ殺されたという男性の悲鳴が聞こえたり、血が凍るような子供の叫び声が聞こえることもある。

窓がドンドンと叩かれたり、ドアがバタン!と閉まったり、屋根裏から重いものを引き摺るような音が聞こえたり、

室内の梁が振動したり、家具が空中に浮き上がって階段下に落ちていったこともある。

ゲストハウスを営業していた頃、恐怖のあまり2階の窓から、インの背後の地面(=高さはそれほどなくて

怪我せず済んだ)に飛び降りた客たちもいた。

 

私が読んだ範囲内では、建物の側面に書かれていた 『追いはぎの幽霊』 に関する記述は見かけませんでした。

「昔、ラム・インの二重になった屋根の間に、追いはぎが隠れていたことがあった」 とあっただけで。

追いはぎの幽霊の話は、どこから出てきたのかな~?

 

ゲストハウスは廃業に追い込まれましたが、次第に超常現象のホットスポットとして有名になっていったラム・インを、

超常現象の探究家や Most Haunted や Ghost Adventures といったテレビ番組の関係者が訪れるようになりました。

老朽化して全面的に修復工事が必要なラム・インは、現在はオープン・デーを設けて資金を貯めているようです。

ちなみにオープン・デーの入場料は、大人一人10ポンド(1800円)。

またゴースト・ハント用の宿泊日も設けていて、そちらは一泊69~89ポンド(12,400~16,000円)。

キャロラインさんは、修復が叶ったら、ラム・インをレストランかパブとしてふたたびオープンし、地元住民の

情報交換や社交の場にするのが夢だそうです。

 

 

 

 

 

ときどき国内のテレビ番組でも取り上げられている様子。

Stroud Times - ITV's Josie Gibson goes ghost hunting at 'the most haunted building in England'

 

こちらは超常現象関連ではなく、資金を貯めるために売れそうなアンティークを探すのが目的の番組みたいですね。

Stroud News & Journal - The Ancient Ram Inn to feature in new Channel 4 show

 

私は幽霊の存在を信じてはいませんが、ラム・インに関していろいろと読んでいて、ちょっぴりですが、

(・・・もしかしたら・・・?) という気になりました。

いずれにせよビビリなので、ラム・インを訪れることはありませんが!(断言

 

*       *       *

 

ウォットン・アンダー・エッジで私が歩いたルートです。商店街ですら300mほどしかないので、歩くだけなら30分あれば十分でしょう。

ちなみに Wotton Hill から下ってきたコッツウォルズ・ウェイですが、あれは、ウォットンの商店街を通っていたんですね。

 

ということで、久しぶりの街あるき、とても楽しかったです。

こういう手近な息抜きは、思いついたらすぐ実行に移せるのだから、

もっと頻繁にするようにしなくては!

 

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