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ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

ユナイテッド93便

2011-09-10 21:08:14 | 事件

明日で10周年記念日を迎えるアメリカ同時多発テロ。イギリスでは“9/11”と書き、“September the 11th”と言うことが多いです。
9/11のテロ攻撃で、最後に墜落したユナイテッド93便。乗客33名(テロリスト4人は除く)と乗員7名の、計40名が犠牲になりました。
東海岸にあるニューアーク空港から西海岸にあるサンフランシスコに向けて飛び立ちましたが、4人のテロリストにハイジャックされ、東南の首都ワシントンへと方向転換。
標的は国会議事堂かホワイトハウスだったと考えられています。
テロリストの一人が女性乗務員を羽交い絞めにしてナイフを突き付け、「コックピットを開けないとこの女の耳をそぎ落とす」とパイロットを脅した、と聞いたのを覚えています。
旅客機の操縦を学んでいたテロリストたちはパイロットが必要なかったため、二人のパイロットは早い段階でナイフで襲われ死亡したか、あるいは重傷を負わされていたようです。
テロリストによって変更されたフライトプランによると、ワシントン到着は10時28分の予定でした。



ナイフで武装したテロリストたちによると、仲間の一人は爆弾を身につけているとのこと。
乗客の何人かが携帯電話で家族と話したことにより、前代未聞の同時テロ事件が発生していることがわかります。
乗客たちはテロリストたちが自爆する覚悟でワシントンに向かっていることを推測し、多数決の結果、テロリストたちの目的達成を阻止するための行動を起こすことを決めます。
9時54分、乗客のトム・バーネットは妻のディーナに携帯で、田舎の上空を飛んでいる間に航空機をテロリストから奪還する計画であることを告げます。
「我々次第だ。やれると思う。心配するな」。

トッド・ビーマーが携帯を使ったとき、なぜか携帯サービス会社のカスタマー・サービス部門に繋がってしまいました。
応答したリサ・ジェファーソンに、ビーマーはその後しばらく、状況を報告します。冷静で実務的なビーマーでしたが、テロリストとの対決が迫った時。
3歳と1歳7ヶ月の息子がいること、3人目が1月に生まれる予定であることを話し、「もし自分が家に戻れなかった時は、代わりに妻のリサに電話をして伝言を伝えて欲しい」とジェファーソンに頼みます。

 トッドの妻リサと、二人の息子たち(3歳のデイヴィッドと1歳7ヶ月のドルー)

9時58分にビーマーは、「爆弾を装着しているテロリストに背後から飛びかかる」計画であることを告げて地上との会話を打ち切りますが、携帯はオンにしたままにしておきます。
有名になった彼の最後の言葉は、仲間の乗客に向けて発せられたものでした。

“Are you guys ready?  ...Okay.  Let’s roll!”

 (左端がトッド・ビーマー、右端がトム・バーネット)

近くを小型機で飛行中だったビル・ライトは、午前10時ちょうどに「窓の外を見回すように」管制官から指示を受けます。
93便が約3マイル離れたあたりに見えたのでそう伝えると、管制官にその高度を訊かれたあと「93便から離れ、すぐに着陸するよう」告げられます。
ライトがその場を離れる際に見たとき、93便はぎくしゃくした飛び方をしていました。
後になってライトは「あの時、コックピットに押し入った乗客たちがテロリストと格闘していたんだろうな」と思ったそうです。
93便は10時03分に、ペンシルベニア州の田舎に墜落しました。

 

墜落は阻止できなかったものの、テロリストの計画を砕き、地上に犠牲者が出るのを防いでくれた93便の乗客乗員たち。


 
 

もし乗客たちが行動を起こさず、93便があのままワシントンに向かって飛行を続けていたら・・・?
実は、93便のワシントン到着を『阻止』する計画があったそうです。

最初の飛行機が世界貿易センタービルに激突したことを知った時、ワシントンの戦闘機パイロットたちは、はじめは経験不足のセスナ機が起こした事故だと思いました。
が、続報によってそれは単なる事故ではなく、従って自分達の出番であることを悟りました。

10年前、まだ20代だったへザー・“ラッキー”・ペニーは、戦闘機パイロットへの門戸が女性にも開かれてすぐにパイロットになった女性のうちの一人でした。
2001年9月11日、彼女に与えられた任務は、「93便を見つけ、いかなる方法をもってしてもそれを地面に下ろすこと」。



しかしながら、彼女の機は最近トレーニングに使われたためミサイルは搭載されておらず、弾薬も空砲のみ。93便を『地面に下ろす』手段は、ひとつしかありません。
「撃ち落とすことはできなかったから、カミカゼのように体当たりするしか打つ手はなかったわ」

その日その時、アンドリュース空軍基地には戦闘準備の整った F-16 はなく、準備には一時間近くかかります。
でもワシントンを守るため、戦闘用ジェット機はすぐに飛び立たねばならず、ペニーは「ラッキー、俺と一緒に来い」とサセヴィル大佐に呼ばれました。

 ペニーのと同型の F-16 型戦闘機

戦闘用ジェットの脱出用シートを使って脱出することも考えたものの、ペニーは、それをすると標的の93便を外してしまう可能性が高すぎると判断したそうです。
大佐がコックピットを、ペニーは尾翼を狙うことになりました。「尾翼を落とせば93便はまっすぐ飛ぶことになり、残骸が広範囲に飛散するのを防げるから。」
大佐と共に、ペニーはすぐさま時速400マイル(640km)のスピードで飛び立ち、煙を上げるペンタゴン上空を通過しました。
ユナイテッド93便がペンシルバニア州シャンクスヴィルのはずれの畑地に既に墜落していたことを知ったのは数時間後でした。

一度は死を覚悟したペニー。10年後の現在、二人の子供の母親となったペニーは言います。
「本当の英雄は、自分を犠牲にした93便の乗客たち。私は偶然その目撃者になっただけ。」




   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *


10年前の9月11日。当時オットーは家でイラストレーターを、私はパートでサポート・ワーカーをしていた。
仕事に出る前にニュースを見ていたら、ツイン・タワーのひとつに旅客機が突っ込んだという緊急ニュースが入ったので2階で仕事していたオットーに知らせた。
オットーは仕事場にあるPCでテレビニュースを見始め、私はダーズリーのホームへ午後3時から仕事に。
仕事先の住人たちもすでにニュースを見ていて、一緒に「大変なことになったね」なんて言いながらニュースに見入ったのを覚えている。
最初のだけの間は(操縦の下手なパイロットが起こした事故かも)と思えたが、隣のタワーにも旅客機が突っ込んだ時は(故意でしかありえない・・・)と思った。

その後もバリ島やらムンバイやらマドリッドやらロンドンやらでテロが続発。おちおち安心して旅行にも出られないではないか。
人間泣いても笑っても、一生の長さは限られている。その時が来れば、誰もが死ななければならない。
縁あって同じ時期にこの世に生きているのだから、なぜその短い間だけでも仲良く平和に暮らせないものか、と思う。
人間に比べたら動物の方が、単純ではあるもののはるかにまっとうな生き方をしているではないか。例えば「自分が生き延びるために必要な場合しか殺さない」とか。
なまじっか知恵がついちゃったから、人類ってダメなのかしらねぇ 

それにつけても、93便の乗客たちの勇気と行動力には感服します。テロに利用された旅客機4機のうち、唯一標的に達することなく終わった93便。
何年もかけてテロを計画し準備し、実行に移したテロリストたち。それに比べて乗客たちには、数十分の時間しかなかった。
乗客たちの捨て身の反撃が、地上で犠牲になるはずだった多くの命を救いました。
多分ペニーさんと大佐と、まだ生まれていなかったペニーさんの二人のお子さんの命も含めて。

自分が乗客の一人だったら・・・ と、考えちゃいませんか?
私だったら多分、パニックしちゃって死にたくなくて、醜態をさらしていたんじゃないかな。
でも意外や意外にも、「もう多分死ぬんだから」と開き直って反撃に加われた・・・か・・・・・・も?
でもホント、そんな状況に陥ることなく平和に一生を終えられるのが一番ですね。

9/11のみならずすべてのテロ事件の被害者のご冥福をお祈りします。 ・・・

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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9.11 (チビまま)
2011-09-11 18:53:40
ついにこの日がやってきましたね。
今年であの恐怖から10年。
そして、偶然にも東関東大震災からちょうど半年。

ユナイテッド93便のことも、そこまで詳しく知らなかったので、改めて恐怖を感じました。
ペニーさんも、本当にどんな気持ちだったか。。
ほんと、自分がもし乗客だったら、と考えるだけでも恐ろしい。。。

亡くなった方々のご冥福をお祈りします。

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チビままさんへ (ハナママゴン)
2011-09-12 03:58:56
今日はニュースで折にふれて、9/11の犠牲者追悼祈念式典を見ていました。チビままさんも同じでしょうね。
今日のアメリカは、10年前のあの日と同じ快晴ですね。

もう10年も経ったなんて信じられない・・・
病気や事故や自然災害で大切な人を失うことさえ十分悲しいのに、誰かの悪意で大切な人を失ったりしたら、一体どうやって心の中で折り合いをつければいいものやら・・・

犠牲になった方々のご冥福をお祈りするとともに、ご家族に心からお悔やみを申し上げます。
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