花夢

うたうつぶやく

076:まぶたうた

2008年02月29日 | 題詠2007感想
12月9日

幸せが遠くで待っている予感ひかりのキスをまぶたに受ける
五十嵐きよみ

薄いうすいまぶたを閉ざし漂へるひかりとわれを句切らうとする
大辻隆弘

やはらかくまぶたに触るる月明りながく祈りを忘れてゐたり
萱野芙蓉

はらはらと散る花びらや羊などまぶたを閉じて思ひ出にする
minto



まぶたと言えば、視覚をさえぎるもの。
そのまぶたのうえにひかりを降り注ぐ、五十嵐きよみさん、大辻隆弘さん、萱野芙蓉さんの作品。
それぞれに完成度が高く、その光の強さも、意味合いも、各々の作品で変わってくるので面白いです。

mintoさんの作品は、まぶたを閉じることで、見ないようにするのではなく、一気に思い出へと変えようとしているところが印象に残りました。


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