花夢

うたうつぶやく

077:写真うた

2008年02月29日 | 題詠2007感想
12月9日

去年(こぞ)の夏買った心霊写真集押しつけあえばお別れの朝
市川周

どうすれば伝わるだろう撮りためた写真を燃えるゴミとして出す
みち。

君撮りしピンボケ写真の中の我ただ遠ざかりゆくだけである
平岡ゆめ



写真は・・・想像以上に難しいものですね。
ノスタルジックな歌の歌詞のようなものや、
カメラで撮れるもの・撮れないものを描写した作品が多かったです。

そのなかで、気になった作品。

市川周さんのお別れの朝の滑稽な光景。いやぁ、よく思い浮かぶなぁ。と思います。(笑)

みち。さんは、写真を撮られる方の言葉だなぁ。と感じました。
その、捨ててしまう潔さ。表現者です。

平岡ゆめさんの作品は、情景のぼかしかたが素敵。
遠ざかっていくのが他者でも君でもなく「我」という自分自身。そして、下の句の突き放し具合。
あの日に戻れないのは、だれのせいでもなくただここまで来てしまったような。


コメントを投稿