花夢

うたうつぶやく

094:社会うた

2008年02月29日 | 題詠2007感想
3月14日

社会からはみだしたまま固まって踏まれ続ける梅雨の晴れ間も
新井蜜

紫木蓮(しもくれん)必ず君は北を指す 社会の渦にのみ込まれずに
みゆ

いつの日かちゃんと社会になじむよう方程式のおくすりを飲む
遠藤しなもん

社会科の教科書濡れて暗がりに臭ふ 殺戮の文字に塗る墨
寒竹茄子夫



「社会」の題詠は難しい!

新井蜜さん。なにかの植物のことなのか、だれか人間のことなのか・・・。
みゆさんの紫木蓮。 つぼみの先が必ず北を向くので、方向を指示する植物「コンパス・フラワー」とも呼ばれているそうです。
遠藤しなもんさん。深刻な未来を考えるというより、「こんなもんだ」というテイストで詠まれているような妙な軽やかさ。
寒竹茄子夫さん。社会科の教科書、伝えられる歴史、事実の不安定さ。「暗がりに臭ふ」「文字に塗る墨」という描写が陰を落としています。


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