「低温火傷」 ~題詠100首から5首~
この街の砂漠 のちのちゆくひとのためかなしみの記号をしるす
前世から焦がれた海をあのひとのからだのうちに見つけてしまう
告げることをためらったまま六月は慈照寺の雨に潤う
ときどきはおさない記憶の薬莢をタオルケットにくるんで眠る
疲れてるときだけ触れるふたりのうえにまだら模様の月あかり
炎のなかに身を寄せるような激しさではなく、
氷に触れたときのようなはっとする冷たさでもない、
もっともっと鈍く、けれども確かに、私は蝕まれているような気がする。
そんな題詠であったように思います。
中村成志さんの五首選会に参加します。
よろしくお願い致します。
この街の砂漠 のちのちゆくひとのためかなしみの記号をしるす
前世から焦がれた海をあのひとのからだのうちに見つけてしまう
告げることをためらったまま六月は慈照寺の雨に潤う
ときどきはおさない記憶の薬莢をタオルケットにくるんで眠る
疲れてるときだけ触れるふたりのうえにまだら模様の月あかり
炎のなかに身を寄せるような激しさではなく、
氷に触れたときのようなはっとする冷たさでもない、
もっともっと鈍く、けれども確かに、私は蝕まれているような気がする。
そんな題詠であったように思います。
中村成志さんの五首選会に参加します。
よろしくお願い致します。