花夢

うたうつぶやく

5首選、よろしくおねがいします。

2007年11月04日 | 題詠2007
「低温火傷」 ~題詠100首から5首~

この街の砂漠 のちのちゆくひとのためかなしみの記号をしるす

前世から焦がれた海をあのひとのからだのうちに見つけてしまう

告げることをためらったまま六月は慈照寺の雨に潤う

ときどきはおさない記憶の薬莢をタオルケットにくるんで眠る

疲れてるときだけ触れるふたりのうえにまだら模様の月あかり




炎のなかに身を寄せるような激しさではなく、
氷に触れたときのようなはっとする冷たさでもない、
もっともっと鈍く、けれども確かに、私は蝕まれているような気がする。
そんな題詠であったように思います。

中村成志さんの五首選会に参加します。
よろしくお願い致します。