浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】伊藤恭彦『政治哲学』(人文書院)

2012-03-14 13:56:56 | 日記
 数年前まで静岡大学にいた伊藤さんの著書。今は名古屋市立大学。静大は、惜しい人を逃した。

 さてこの本は、私が図書館を出ようとしたときにふと眼に入ったものだ。伊藤さんの本か、ちょっと借りてみようと思って借りたものだ。貸し出し期限が近づいたので少し読み始めた。

 なかなかの内容である。30冊の本が紹介されているのだが、たんなる古典ではなく、現在の様々な課題を見据えながら、それらを考え解決していくために知っておかなければならないこと、考えておかなければならないことが記されている本が紹介されている。

 世の中にはハウツーものの本が売れている。大学でも、専門的な学問ではなく、「ネオリベラルアーツ」といわれる、就職後に役立つ「実践的な」ことを学ぶ方向にシステムがつくりなおされているとき、このようなある意味で原理的な本を読むことはとても大事なことだと思う。

 アリストテレスから、カント、丸山真男、キムリッカまで、古今東西の政治思想家の主要な文献に、現代的課題にとって何ゆえに読むべきなのかの適切な説明がつけられていて、とても参考になる。

 この中に紹介されている本を、少しずつでも読んで欲しい。

 ただし紹介されている本の中には、高額なものもある。しかしそれでも、攻略して欲しいと思う。図書館にはあると思う。文庫本は買おう。マキアベリの『君主論』、ウェーバーの『職業としての政治』、イェーリング『権利のための闘争』、ルソー『社会契約論』、ミル『自由論』、マルクス『共産党宣言』などは、自分の本棚に並んでいて欲しい。

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