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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「維新」の行方

2011-05-26 14:14:32 | 日記
 明治維新は、近代日本国家構築の端緒となった大きな事件であった。これ以後、徳川幕藩体制を倒した薩摩・長州を中心とした勢力によって新たな国家の建設が開始されていく。19世紀後半、すでに国際社会は帝国主義世界体制が成立していたため、彼らは近代日本を帝国主義世界体制の一翼を占める存在とするべく、試行錯誤をくり返しながらもそれに照応する国家体制をつくりあげていった。

 急激な変革は、多くの反対派との軋轢を生み出した(自由民権運動など)が、彼らは強引に、天皇を中心とした国家体制を築いていった。近代天皇制国家は、国内的には抑圧的な体制、対外的には朝鮮をはじめとしたアジアへの侵略を不可欠の要素としていたことは周知のことである。

 今、「維新」を掲げるということは、日本社会をそういう国家体制にもっていこうという志向があることを示しているのだと、私は考える。

 昭和戦前期、「昭和維新」というスローガンが叫ばれたことがあった。そのときも、「大正デモクラシー」期を過ぎた日本社会に向けて、さらにファッショ的な国家体制の建設を求める運動であった。

昭和初期の右翼,一部の軍人,ファッショ陣営が用いた用語。明治維新を国家改造運動の手本とし,天皇を戴いて革命を行うという北一輝らの思想に源流をもつ。元老・重臣などの〈君側の奸〉,および腐敗した政党・財界を排除することを目指し五・一五事件や二・二六事件などのスローガンとなったが,二・二六事件以後用いられなくなった。


http://kotobank.jp/word/%E6%98%AD%E5%92%8C%E7%B6%AD%E6%96%B0

 今回の「大阪維新の会」が、真っ先に「君が代」に関して起立・斉唱を強制する条例の制定に突っ走るのは、時代錯誤としか言いようがない。「近代」が生み出した普遍的でもある人権思想を無視する、あえていえば「暴挙」である。近代天皇制国家が1945年に崩壊したあと、日本国民は近代・現代人権思想に裏打ちされた日本国憲法をもったのではなかったのか。

 この問題点については、大阪弁護士会が声明を出しているが、弁護士会の論理はまさに普遍的なものである。

http://www.osakaben.or.jp/web/03_speak/seimei/seimei110524-2.pdf

 テレビが「有名人」をつくり、テレビをよくみる選挙民の多数の支持によってその「有名人」が自治体の権力者となる。そして、多数の支持を背景に、抑圧的な施策を行う。

 これは、1930年代ドイツで見られた光景ではないか(そのときはラジオであったが・・)。私には、だから「既視感」がある。歴史は、おそらく同じことを繰り返させないと、私は信じたい。


 

日本政府のでたらめ

2011-05-26 14:04:17 | 日記
 驚くべき記事をみつけた。「法令違反で東電を厳重注意 女性の被ばくで保安院」という「共同通信」配信のものだ。福島第一原発の女性社員が、年1㍉シーベルトをこえて被曝したことを注意し、保安院がそれを厳重注意したのだそうだ。

 またこの記事によると、放射線業務従事者は「3ヶ月で5㍉シーベルト」を超えたということから放射線管理に改善策を指示したのだそうだ。

 ということは、放射線業務従事者は年20ミリシーベルト、一般の社員は年1㍉シーベルトを超えてはいけないということだ。原発を推進してきた経産省は、この従来の見解を保持しているということだ。

 ところが福島の子どもたちや一般住民は20㍉シーベルトまでOKというのだ。

 原発事故にもっとも責任がある経産省の基準値と、文科省や厚生労働省の基準値は異なるということだ。

 もう日本政府は、国家機構としては崩壊・瓦解しているというしかない。

 記事は以下の通り。

 福島第1原発の女性社員らが法令限度を超える被ばくをした問題で、経済産業省原子力安全・保安院は25日、防護マスクが必要な免震重要棟内でマスクの着用がなかったなど、放射線管理に関して法令違反があったとして、東電を文書で厳重注意した。

 厳重注意の対象はほかに(1)第2原発で4月21日まで管理区域の設定基準を超える線量が測定されながら、線量管理をしなかった(2)放射線業務従事者でない女性5人が、放射線管理の必要な区域で勤務し、うち2人が一般の線量限度である年1ミリシーベルトを超えて被ばくした―の2点。

 保安院は、作業員全員が携行できる線量計の確保や、通常時と同様に3カ月に1回内部被ばくの評価ができるよう機器を早期に整備することなど、7項目の改善策を東電に指示した。

 第1原発では地震発生直後から女性計19人が作業に従事。女性の放射線業務従事者について国が定めた被ばく線量の限度「3カ月で5ミリシーベルト」を2人が超えるなど、放射線管理の不備が判明していた。3月23日以降、女性は勤務させていないという。

(共同)


http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011052501001174.html