先日、ある研修講師養成講座に参加した。
メンバーは男女合わせて10数名で、初めての方々ばかりである。
最初は、アイスブレイキングを兼ねて自己紹介である。
将来、講師を目指す方々である。
どのような自己紹介するか楽しみであった。
私の想像では、自分の強みを一言で紹介する人。
エピソードを通じて、自分の生りを話す人。
夢を語らいながら自分の人生観を話す人。
このような人々でしたら、学ぶべき点は多く、良い点を盗もうと考えていた。
実際に自己紹介が始まると、趣味の世界を通じて、お話をする人もいた。
介護活動をボランティアとして、自己紹介される方もいた。
また、アイコンタクトをとり、情感たっぷりに話す人もおり、聴く方も一緒に楽しくなった人もいる。
一方で、この人何を言いたいのかな?と思う人もいた。
もしかしたら、私の理解力が劣っているのかもしれないが、
頭の中に、イメージが入りづらい人もいたのは事実である。
「私は食品業界で働いて、SEの仕事をしている」
このように、最初に全体像を話してくれる人の話は分かりやすい。
一方で、最初から「部分」を話されると、手探り状態になる。
さらに突然話が飛ぶと、話の関係を構築するのに、手間をとり、理解するのに苦労する。
後者の人は、自分の世界に入って、自分自身に自分について語っている様子が伺えた。
一方で、前者の人は、参加者に対して、自分をよりわかりやすく理解してもらうと語っている。
この違いは、自分軸で考えて話しているか、相手軸で話しているか、その相違だと思う。
自分の立つ位置が「自分軸」か「相手軸」か、意識するかしないかで、同じ自己紹介でも、相手に伝わる感覚はかなり違う。
研修講師は、受講生に理解してもらって、「なんぼの世界」である。
常に、相手目線、相手のレベルを意識し、相手の理解度を把握しながら行うことが基本である。
ちょっとした自己紹介でも、学ぶ点はたくさんある。
他人を評価するということは、自分自身が上から目線であり、反省すべき点である。
うまい下手という結果を評価しても意味はないし、その時点で成長は止まってしまう。
冷静に判断することも大切であるが、
人間関係を構築するには、発表者の考え方を素直に受け止めることである。
自分の判断基準で判断せずに、ありのまま受け止めることである。
つまり受容である。
さらに、発表者と同じ目線で考えることである。
発表者が何をどのように考えて、このようなプレゼンをしているのか?
というように、プロセスを一緒に考えることも必要である。その結果、共感を得ることができよう。
などなど、考えることで、勉強することはいくらでもある。
講師という側面、傾聴という側面、多面的に捉えることで、成長するポイントはたくさんある。
このように考えることで、これからが楽しみな講座になった次第である。