モダン・タイムス

営業のＳさんと名古屋のお客様を訪問することになりました。

出発時間の少し前に、営業の新入社員のＥくんがやって来て、

　　「社長、車の鍵を貸して下さい。
　　　すぐ出掛けられる様に、エントランスの前につけて、
　　　エアコンもかけておきます」

と言うので、

　　「新しい車だから大丈夫？」

　　「私にも分かりますかね？」

　　「どうかな～？」

というやり取りをしつつ、Ｅくんは鍵を持って行きました。


しばらくして時間になったので、エントランスへと降りて行くと・・・
恐れていた事態が発生していました。

Ｅくん、Ｅくんの上司のＩくん、そしてサービスのＫくんの３人が車の中に
頭を突っ込んで、あれこれやっているんですが、車はいつもの位置から
１cmも動いていません・・・

　　「どうしたの？」

って声を掛けると、

　　「ギアがドライブに入らないんです」

　　「そうだろ。私も納車時に最初にディーラーで乗った時、
　　　やっぱりドライブに入れられなかったんだよ」　笑


こんなことがありつつ、私とＳさんは３０分ほど掛けて、お客様のところに到着。
駐車場に車を止めて、さあ訪問しようと思った時、

　　「社長、この車、鍵にあります？」

とＳさん。

　　「あれ、Ｓさん、鍵受け取っていない？」

　　「私、もらっていませんが・・・」
　　　
最近の車に漏れず、私のＢＭＷ３２０i Ｘdrive も電子キーです。



鍵を持って、車に乗り込めば、あとはボタンを押すだけでエンジンはかかります。
便利なもんです。

しかし一旦エンジンがかかってしまえば、鍵をどこかへ持っていってしまっても、
エンジンは回り続けるんです。
便利なもんです。


車の中を探しても、鍵は見付からないので、おそるおそる会社に電話をしたら、
鍵はＩくんが持ったままでした。

ということは・・・　鍵が車と１５kmほど離れたところにある。

それでも車のエンジンは回ってる。
便利なもんです・・・　ってか！


とりあえずボタンをもう一度押せば、鍵が無くても、エンジンは止まります。
ひとつ、ひとつのドアのロックのノブを押してドアを閉めたら、ロックも
掛かりました。

そこでＩくんに、

　　「我々がお客様と面談している間に、鍵を持って、我々の
　　　車のところまで来て、待機していてね」

とお願いして、お客様のところへ向かいました。


１時間半ほどお客様と面談して、駐車場に戻ってみると、Ｉくんと一緒に鍵が
（というか、鍵と一緒にＩくんが　か、いずれが正しい表現なんでしょう？　笑）
待っていました。


はてさて、世の中は便利になっているのでしょうか、それとも・・・