磯輪日記

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世界一社風のいい会社を目指しています。

『津波』

2011年10月15日 22時22分57秒 | こんな本読みました

現在唯一予知可能と言われるのが東海地震。
地震の前に、前兆となる地殻のすべりが観測できるからです。

東海地区にはそのすべりを観測するためのひずみ計が19箇所に設置
されていて、その内の3箇所以上でひずみが観測されたため、東海地震
予知情報の発表が必要になりました。

しかし政府の誰も、出すべき予知情報を出すことをためらいます。

 「本当に地震は起こるのか?」

予知情報が出ると、企業はすべて営業を停止、鉄道も停止、道路も封鎖。
もちろん原発も緊急停止です。これにより、1日あたり、1700億円の
経済損失が発生するからです。

それでも気象庁が予知情報を発表し、政府もやっと重い腰を上げ、警戒
宣言を発令しました。


しかし、その後2日間、何も起こりません。

 「予知は正しいのか?」

 「本当に地震は起こるのか?」

 「早く警戒宣言を解除しろ!」

政界、経済界などから、不満の声が上がります。
何しろ、すべてはストップしたままで、1日当たり1700億円の損失
ですから。

そこにマグニチュード6.8の地震が伊豆沖で発生しました。

 「これは東海地震なのか?」

 「これで東海地震の危機は乗り越えたんだ」

こういった希望的観測で、警戒宣言は2日間で解除となり、日本の活動は
すべて元通りに。しかし・・・

その翌日、志摩半島沖を震源とするM7.8の大地震がとうとう発生。
震度7を記録した名古屋では、セントラルタワーズが根元から折れ、
名古屋中心部は瓦礫の山となり、伊勢湾岸の石油コンビナートでは大規模な
爆発、火災が発生。津波は名古屋駅をも飲み込み、2000人以上の死者が
出ました。そして・・・

さらにその翌日、静岡沖でM8.2の本物の東海地震が発生。それに相次いで
志摩半島沖ではM8.3の東南海地震が、紀伊半島沖でM8.3の南海地震が
ほぼ同時に発生してしまいました。

これによって東名、名神高速道路は、完全に麻痺。1000人が乗った
新幹線も時速270kmで走行中に高架から脱線し、商店街の中へ突っ込んで
いきました。

そこに20mを超える巨大津波が襲ってきました。
伊豆半島の東から鹿児島まで、日本列島の形が変わってしまいました。

さらに余震が頻発していたため、地震センサーを解除して運転していた静岡
浜岡原発では緊急停止装置が働かず、冷却系のポンプが故障し、設計上の
炉心最高温度1850℃、燃料被膜管外面温度390℃に対して、それぞれ
3100℃、1400℃を超え、メルトダウンが始まってしまいました。

9.3シーベルトで急性死99%というリスクの中、70シーベルトに
達した原子炉建屋内に、一人の作業員が足を踏み入れ、意識が遠のいていく
中、あるバルブを開けることによって、危機を救ってくれました。

しかし三連動地震によって、名古屋だけでも3万人、全国で30万人が
亡くなりました。


この作品は2005年に書かれたものです。
東日本大震災の悲劇を見聞きしている上に、名古屋が最も被害を受けると
いう設定のこの小説。

 「現在も確実に日本の地下の岩盤には歪エネルギーが
  蓄積されつつあり、何かの拍子にそれが一気に解放
  されることは確実です」

 「起こる起きないは問題なのではない。それは必ず
  起きる」

みなさん、どうします。

私は、まず家族と携帯の災害伝言板、フェイスブック、ツイッターで連絡
し合えるようにしました。


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