衝撃的な内容でした。
元総理が斃れた現場の様子が詳しく描写されているので、グーグルストリートやマップで
何度も、何度も、現場検証しました。
「『彼』ではない」と考える理由が、いくつも記されていました。どれも「なるほど」と
思わされるものばかりでした。
その中でも、最も信憑性がある「『彼』ではない」と、この本を読んで思ってしまう
理由は、元総理の救急対応を担当した教授が、小説の中で語ったこの言葉です。
「銃の傷は正面の首の中央と、5センチほど右側の二カ所にあり、
体内に二発の弾丸が入ったとみられます。心臓の壁に穴が開いており、
一発が心臓に達していた」
じゃあ、現実の世界では、どうだったのか?
実際に、どういう安倍氏が搬送された橿原市の奈良県立医大付属病院で蘇生を
担当した福島医師は、同氏の死亡が確認された直後の記者会見はこんな内容でした:
安倍氏の体には、頸部(けいぶ)の前方と右側の2カ所と左上腕部に1カ所、
銃創とみられる傷があり、「心臓および大血管損傷による失血死」とし、
記者の質問に「心臓の傷は大きいものがあった」と述べ、さらに心臓のどの
部分に穴が開いたのかとの質問に、「心室の壁」と答えている。
銃弾が首から入り、心臓まで達した というなら、安倍氏は、より高いところから
狙撃されなければならないのに、『彼』は、むしろ台の上で演説していた安倍氏の
やや下から撃っている。 やや下から撃った銃弾が、なぜ首から心臓へ届くのか?
奈良県警は事件の翌9日の会見で、司法解剖の結果、「左右鎖骨下動脈の損傷による
失血死」という所見を発表しました。心臓の損傷を指摘した福島医師の所見とは
大きく異なる発表でした。
繰り返しますが、小説の中では、これ以外にも「『彼』の単独犯行」説に対するいくつ
もの矛盾点が挙げられていますが、私が最も疑問に思うのは、上の点でした。
『彼』が元総理を撃った と思っていたけど、この小説を読んで・・・
ただこういう小説が残念なことは、最後の最後があまりに唐突なエンディングなので、
どうしても「ホントかな~?」となってしまうんです。
『彼』は撃ったことは間違いないけど、撃ったのは『彼』だけだったのだろうか?
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