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恋がなければモノクロだけど

2010-02-13 02:00:00 | 思い出
 恋で泣けるうちは幸せなんだと思った。

 道を歩きながらこみ上げる涙を止めることもできず声をあげ泣いた日に思った。

 恋を失って、泣けるというのはどんなに幸せだろう。

 もう恋はできないだろうと思った。

 人生のシーンが進み、自分の人生に思いがけないことが起きると人はそれまでの悲しみがまだまだ生易しいものであったと始めて知るんだ。
 もう2度と、恋を失って泣くことなんてできないと思った。
 そういう涙は2度と流せないんだろうと思った。

 恋は彩りでしかない。

 なければ淋しいモノクロの人生だろう。
 けど、ないから生きていけないものじゃない。

 恋をできる時期は短い。生涯現役といっていても、やはり、恋が遠い若い時代に輝くものだと知る時は来る。

 私にとってその時がそうだった。
 
 生命には限りがあると判ってしまう。

 そのときに、恋を失って泣いているならどんなにいいだろうと思った。

 恋のない人生もつらいものだけど、生命あって、この世にいることが前提のことだ。
 生命が輝いていなければ恋もまた輝かない。

 1つ大人になった。

 私もまたふたたび恋をするときがくるだろう。
 そういう気分になる時が来るだろう。

 その時は、大人の恋ができるだろうか。




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