無差別を信じて~地元民をひいきしたばかりに

2020-01-15 05:00:00 | 思い出


 私がまだ小学校へ上がる前の話だ。

 私は自転車を買ってもらうことになり、近所の自転車で品物を母と見た。

 そのときは選ぶだけだった。(何故そのとき購入しなかったかは判らない。大人の事情で給料日前ということもあったのかもしれない)お取り置きをしてもらい、約束の日に引き取りに行った。

 なのに。

 自転車屋はその自転車を売ってしまったというのである。
 
 母、大激怒。

 しかも近所に住む風呂屋の私より、1、2歳年下の子だった。幼稚園で上の子と一緒だったからよく知っている。

 同じ型の自転車を今取りよりせているからもうちょっと待ってくれと自転車屋は言った。

 けれど、私はそれを断ったの。

 そのとき選んでいたのは、ピンクで、お姫様の絵が描いてあるようないかにも女の子好みのものだった。

 でも、それは風呂屋の子が奪ってしまった。

 ここで私が同じ自転車がまた来るのを待って購入したとしても、近所で同じ自転車に乗っている子が2人いる。しかも私が後から購入することになるから、真似をしたように見える。

 それはみっともないと思いその時自転車屋にあった他の自転車を購入することにした。

 それが、上の画像の、星マークのものによく似たデザインだった。

 本当は男の子用らしい。

 でも今更お姫様風の女の子自転車を選ぶ気にならなかったんだと思う。

 実際星柄って好きだ。

 でも、母、大激怒、止まらず。

 私は、当時父の社宅にいた子で、やがて越してしまう。

 でも風呂屋は代々この地域に住んでいる。

 だからどっちを大事にするか自転車屋の計算が働いたのだと思う。

 しかし、物事とはそう単純にいかないものなのだ。


 なんと、その風呂屋が燃えたのだ。

 夜中に火の不始末で火災が起き、ほぼ全焼した。

 そして風呂屋一家は越していった。
 
 社宅の家の子の私がこの地域に残ることになった。

 けれど、私は2度とその自転車屋で買い物はしない。

 それくらいは心得ている。もう1円たりとも儲けさせない。

 そうやって人生はどう転ぶか判らないのよ。だから変な計算や気遣いをした自転車屋は2家族の客を失ったわけだ。

 誠実さが1番だという話よね。

 けれど、この自転車その後、また思いがけない運命を辿ることになるのだーーーー。



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