涼風野外文学堂

文学・政治哲学・読書・時事ネタ・その他身の回り徒然日記系。

脱稿!

2008年12月02日 | 文学
終わった――――!!

 ……ふぅ。

 かれこれ4年がかりで書いてきた小説が、ようやく書き上がりました。
 これから誤変換のチェックとか全体を通しての字句の統一とか、あるいはちょっと書き足りない部分の加筆だとか、色々手直しをするので、最終的な完成と言えるまでにはもうしばらくかかりますが、とりあえず、エンドマークを書き込むところまできました。最初から最後まで通して読める状態まで持ってきました。

 400字詰め原稿用紙換算で454枚。

 ……投稿先ないなぁ。どうしてくれよう。

 もともとは「群像」か「新潮」か、いわゆる四大文芸誌の新人賞の中でも、比較的「本格派」のところを目指して書いていたのですが、いざ書き上がってみると、あまり「純文学」とも言えないような気がしてきました。
 だからといって大衆文学かというと、エンターテインメント性は皆無なので、それもますます違う感じです。
 じゃあその小説は何なんだ、って聞かれると、んー、「つい最近塾講師の職を見つけてニート脱出したばかりの34歳独身男が酒呑んでエロいことしてまた酒呑んで中学の同級生とかその娘とかとエロいことして最後孤独だナァって呟くそんな小説」……なんかどうしようもない気がしてきました。
 ある意味、世代論的なところは強く出ていて、われわれの世代(20代終盤~30代前半を想定)にある程度共通する諦念とか、無常感とか、小学生の頃思い描いていた未来と現在とのギャップとか、そういうものを積極的に盛り込んでいる部分はあります。
 ……ロスジェネ小説、とか言ってみるべきなのか?


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おめでとうございます! (馬頭親王)
2008-12-03 22:57:37
小説完成(は、まだですか)おめでとうございます!
いやー、454枚を書くことの長大さ、よくわかります。脱帽です。

>つい最近塾講師の職を見つけてニート脱出したばかりの34歳独身男が酒呑んでエロいことしてまた酒呑んで中学の同級生とかその娘とかとエロいことして最後孤独だナァって呟くそんな小説」……なんかどうしようもない気がしてきました。

思うに、涼風氏は現代社会に誠実なんですね。あらすじをそうやって3行くらいで述べると、たしかにある種の倦怠感(これは涼風文学を解析するさいの最重要キーワードの一つだと思っております)を強く感じるのですが、そのグダグダさ、精神的インポテンツは、たしかに「われわれの世代」の謎めいた鍵だと思います。実のところ、馬頭がちょっとばかし構想している小説もそんな感じの、主人公が行きずりの女の子を口説いたり、社会に背を向けてインドア派の読書三昧になったり八方破れになったりというようなものなのですが……そういったものを正面きって書く度胸、というのは涼風氏ほどキッパリとは持ち合わせておらず、つまらない文体の修語とか小難しい考察や引用に逃げてしまいそうな気がして自分がふがいないばかりです。

どういう形で発表されるのかはわかりませんが、その小説を読める日と楽しみにしております。

追伸
遅ればせながら、同居人(女性)の親に来年、挨拶に行こうと思っております。
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おめでとうございます? (涼風。)
2008-12-10 00:07:08
>馬頭様

大変ご無沙汰しております。
たった3行のあらすじでグダグダ感が十分に伝わってしまう小説、というのもいかがなものかと思いますが、いつもながら、馬頭様の分析の鋭さには頭が下がります。確かに、私の書くものには、倦怠感がつきまとっていて、それはある程度「われわれの世代」において共感を得られる種類の倦怠感なのではないか、と理解しているところです。
ただ、こうしたものを直球で書いてしまう私のやり口を「度胸」と表現していただいたところは、おそらく過大評価で、単に「他にやり方を知らない」というだけのこととは思いますが。私自身としては、もう少し緻密な描写だとか、あるいはペダンティックと呼ばれるようなものであっても、多少なりと技巧的なものも書けるようになりたいと思っているのですが、現状では「ストレート以外の球種は投げられないピッチャー」のようなもので、自分の引き出しの少なさを嘆いているところではあります。
馬頭様のブログ「公的自閉の場」を読んでは、どんな方向に話題が飛んでも薀蓄の深いことに素直に感心し、ああ俺もこのくらい色んなこと書けるようになりたいナァ、とないものねだりをして羨ましがっている次第です。そのわりに、年を取るほどに読書の傾向が乱読から専門に特化される傾向が強まり、最近では法学・政治学関係以外の読書量がめっぽう落ちていたりするのですが。馬頭様が時折ブログで言及される書籍の傾向を見るたび、うん、やっぱ乱読だよ乱読、と思い直しています。

それはそれとして。

>遅ればせながら、同居人(女性)の親に来年、挨拶に行こうと思っております。

……そんな重大発表をこんな過疎ブログでやっちゃ駄目ですよーぅ(ノ゜ο゜)ノ

おめでとうございます、と言ってしまったら少々勇み足でしょうか。
ともあれ、来年が馬頭様にとって実り多き年でありますように。
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