静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

カッター訓練が始まりました

2018年05月16日 09時00分00秒 | 実習

毎年、生徒から不満の続出するのがカッター訓練です。
そして学園生活で一番思い出に残るのもカッター訓練です。

カッターに限らず手こぎの船なんて使う漁師はまずいません。
私が育った漁村では「てんま船」と呼ぶ、小さい手こぎの木造船がたくさんありました。
今ではヤマハ発動機さんが開発した船外機エンジンがありますからね!
人力の船を探すのが大変なくらいです。

そんな時代背景をものともせず!!カッター訓練をやっちゃいます。

まずは実習棟で基本を説明。


そして海に出て、ひたすた漕ぎます!
でも、動きがバラバラ...
なんでも、簡単にはいきません!

 


生徒から不満が出るのには理由があります。
カッターは9人または10人で漕ぎます。
生徒の体格、体力そして技術もはバラバラなので、
「推進力として貢献する人・しない人」
が出てきます。
職員はどの生徒にも精一杯漕ぐように言います。
そこで
「俺は一生懸命やっている」
「手を抜いて漕いでいないやつがいる」
などなどの不満が出てきます。

こんな状況で、自分はどうするべきか?
これを考えるだけでも、とても有意義な実習です。
仕事について、同じ給料をもらっている人が同じだけ仕事をしている訳ではありません。
必ずしも、世の中平等はないのが当たり前です。
優秀な人が手を抜いて仕事をすることも、不器用な人が懸命にがんばるってもたくさんできないこともあります。
そして、それを周りの人は見ています。
カッターで手を抜けば、すぐにわかります。それは、自分にはね返ってくることです。

学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
今週末は見学会がありますよ。お申込みをお待ちしています。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/kengakukai5.html

 園長のつぶやき
学園の一番誇れるところ...
それは離職率の低さです。

高卒者の離職率は5割と言われています。
たぶん、最近はもっと増えています。
漁師の場合だと、9割くらいになるはずです。

学園の卒業生は、最近では1割くらいです。中卒者を含めて1割ですよ!
これが、どんなにすごいことかわかっていただけるでしょうか?
その理由はなんでしょう?

それは職業を漁師に限定し、現場困らないように育てるからです。
学園で教えている職員でも、漁師に成り立ての頃は苦労を経験しています。
だから、同じ苦労を少しでもなくせるように指導します。
学園で先生から叱られた生徒はラッキーです。
同じことを漁船でやったら、何倍も激しく叱られるからです。

離職率が低いのは、他にも理由があります。
それについては、またの機会に...

コメント
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