わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

【これ以上、こどもたちの命が失われないように】 ~地元短大でゆっくりじっくりと命を語る~

2017年12月08日 | あんじゃねぇ=平和で安心な社会へ
9月下旬から半年間、地元の飯田女子短期大学で授業を受け持っている。
養護教育専攻科で「ファーストエイド演習」という科目だ。
養護教諭のタマゴたちに、救急救命法国際認定コースの「MFA(メディックファーストエイド)小児用」コースを、がっちり教える。
通常の資格発行講習では7~8時間で終わるコース。
それを15コマ(1.5時間×15=22.5時間)もかけて、ゆっくりみっちり伝えることができるのだ。
学生の素朴な質問を丁寧にひろえる。充実した講義になっている。
それは学生だけではなく私にとっても。





MFAコースの最大の特徴は、「難しそうだから私には無理かもしれない・・・」という人を育ててしまう従来の講習を、「難しそうだけど私にもできそう」という人を育てる画期的な講習に変えたことだろう。
つまり、学習しやすい講習。
そして、「やる気」を育てる講習なのだ。
救命の技術をどれだけ持っていたとしても、それを「使おう」という気持ちなしには人に手をさしべることはできない。



数年前、目の前で小6の男の子が、のどに氷を詰まらせる状況が起こった。
チョーキング(のどつまり)だ。
のどを抑え、青い顔をして、近寄ってきましたが、呼吸できていない。
もし意識を失い心肺停止状況に進んでしまったとしたら、救急車を呼んでも15分以上かかるこの村では、男の子の命をよみがえらせるには困難な状況に陥る。
そんなことを頭で考えながら、男の子の背後にまわり、チョーキングの対処をすかさず遂行した。
無事のどから氷が、文字通り「ぽーん」と出てきて、事なきを得る。
しかし、目の前に家族や知り合いがいて、声も聞こえるし、顔も見えているのに、自分の声は出せず、呼吸もできず、死んでしまうのかもしれない恐怖を感じたのだろう。
男の子は、しばらく恐怖におののいて泣き続けた。




今日もまた全国でいじめや虐待で命の危機にさらされているこどもたち。
世界中で紛争や飢餓に直面しているこどもたち。
生きたいと強く願いながらも、死んでいくこどもたち。



信州の小さな街で、青年たちが命の尊厳についてしっかりと学ぶ。
これ以上、こどもたちの命がむやみに失われないように。
「やる気」を育てる救命法講習、のぞむところ。
こういう講習を授業として導入してくれた大学にまずは感謝。
そして、それを受講してくれた学生さんたちにまた感謝である。



代表 辻だいち