昼から夜にかけては、天満町、西町などを歩き回り、午前1時を過ぎると、上新町に戻り、地方や夜中組の皆さんの後や前で、演奏に耳を傾け、踊りを見るというのが、私の風の盆の行動パターンとなっています。上新町の地方の特に夜中に出てこられる方は三味線はもちろんの事、唄もすばらしく、真っ暗で静寂な狭い通りに木霊す響きは、この世のものとは思えぬ程の畏れすら超越した境地を垣間見るようです。又、踊りもぞくぞくするような、無我の祈りにも似た姿で、現役組のおわら踊りとは一味違う、おわらの奥深さを感じることができます。真夜中の通りでの三味線と唄との真剣勝負と踊りの妙。これがおわらの凄さでもあり、最大の魅力だと思います。