『・・・神様。この物語(せかい)が、あんたの作った奇蹟(システム)の通りに動いてるってんなら・・・まずは!その「幻想」を、ぶち殺す!!』
上条さんの想いは、インデックスに届くのか?
そして、誰もが望むハッピーエンドは訪れるのか?
予想外の結末に驚かされるお話です。
『まさか・・・。』
『何であの子が、魔術を・・・。』
『決まってんだろうが!インデックスは魔術を使えないなんて、教会が嘘ついてやがっただけだろうが!・・・ああそうだよ、インデックスは一年ごとに記憶を消さないと助からないってのも大嘘だ!こいつの頭は、教会の魔術に圧迫されてただけなんだ。そいつを打ち消しちまえば、もう記憶を消す必要なんか無くなっちまうんだよ!冷静に考えてみろ。禁書目録なんて、残酷な役目をこいつに背負わせやがった連中が、てめぇら下っ端に心優しく真実を全部話すとか思ってんのか!?』
駆けつけた2人に状況を説明する上条さん。
信じていた組織に裏切られ、驚きを隠せない2人が哀れです。
インデックスの攻撃を相殺する上条さんですが、あまりの大出力に身動きが取れません。
ルーンの札を展開し、上条さんの背に手をかけるステイル。
上条さんの言葉を聞かされてもなお、危険な賭けに出るよりも、ここで上条さんを無力化して、予定通りインデックスの記憶を消した方が、彼女を生かすには安全かもしれないという思いがまだあった様ですが、
『たった1つだけ答えろ。魔術師!てめぇはインデックスを助けたく無いのかよ!?てめぇらずっと待ってたんだろ?インデックスの記憶を奪わなくて済む、インデックスの敵に回らなくても済む・・・そんな誰もが笑って、誰もが望む、最高なハッピーエンドってヤツを!今まで待ち焦がれてたんだろ!こんな展開を。何のためにここまで歯を食いしばってきたんだ!てめぇのその手で、たった一人の女の子を助けてみせるって誓ったんじゃねぇのかよ!おまえらだって主人公の方が良いだろ。脇役なんかで満足してんじゃねぇ!命を懸けて、たった一人の女の子を守りてぇんじゃないのかよ!・・・だったらそれは、全然終わってねぇ。始まってすらいねぇ!ちょっとぐらい長いプロローグで、絶望してんじゃねぇよ!手を伸ばせば届くんだ!・・・いい加減にはじめようぜ、魔術師!』
上条さんの叫びについに神裂が行動を起こします。
『サルバーレ000(Salvare000=救われぬ者に救いの手を)』
魔法名を名乗った神裂の援護でインデックスの攻撃の射線がずれます。
インデックスが笑える未来を守る事。
神裂が名乗りを上げるにふさわしい戦いが、まさに今繰り広げられているということでしょう。
ちなみに、大気圏外にまで届いた攻撃は、人工衛星を破壊してしまうほどの威力。
小萌先生のお住まいもエラい事にww
『これは・・・「ドラゴンブレス=竜王の殺息」!伝説にある聖ジョージのドラゴンの一撃と同意です!それに一枚でも触れてしまえば、大変なことに!』
光線本体でなくとも、その余波の羽状の物質に触れただけでも大ダメージという訳ですね。
10万3000冊の知識があるからこそ、このような大破壊力を持つ高度な魔術を使えたのでしょう。
一度は攻撃をそらされたとはいえ、更に攻撃を重ねるインデックス。
『行け!能力者!』
イノケンティウスで防御を受け持つステイル。
上条さんの言葉を聞き、神裂の行動を見て、彼も決意を固めたようです。
十字教を力の源泉としたステイルの術式を逆算し、それを打ち消す術式『エリ・エリ・レマ・サバクタニ=神よ、何故私を見捨てたのですか』で対抗するインデックス。
これが必要悪の教会が本来用いる、対魔術戦用の知識の使い方、という訳ですね。
ステイルの魔術が無効化されてしまうまでの僅かな時間を利用し、インデックスの元に駆け寄る上条さん。
『・・・神様。この物語(せかい)が、あんたの作った奇蹟(システム)の通りに動いてるってんなら・・・まずは!その「幻想」を、ぶち殺す!!』
『「首輪」・・・致命的な・・・破壊・・・再生不可・・・。』
インデックスの頭部に触れ、彼女を暴走状態に追いやった原因である霊装、「首輪」を破壊する上条さん。
戦闘力にたける神裂やステイルでも、インデックスを傷付けずに首輪を破壊することは出来なかったと思います。
上条さんの想いと、右手の力があったからこそ、彼女を救うことが出来たという感じですね。
正確には、顔の前面に展開していた魔方陣に触れたことで消滅したのかもしれませんね。
10万3000冊を守るため、生命を維持させるためにかけられた魔術、「自動書記=ヨハネのペン」の力も、首輪が破壊されたことで解けたのではないかと。
インデックスを抱き起こし、ようやく一安心と思ったのも束の間、舞い落ちる羽の1枚が、上条さんの頭を直撃!
崩れ落ちる上条さん。
コミック版だと、インデックスの頭に羽が当たりそうになったところを、上条さんが自分から頭をぶつけて守る、という描写になっているので、個人的にはそっちの方が演出的に良かった気もします。
数日後、上条さんが運び込まれた病院にお見舞いに来るインデックス。
ステイルから上条さんに教会のその後を報告する手紙が届いていましたが、インデックスは上条さんに渡す前に、中身を読んでしまいます。
インデックスを連れ戻したがっていたものの、ステイルたちを騙していたことを問われると、手のひらを返したように現状維持=様子見に。
ステイル達自身は、情報と、しかるべき装備を整えたら、改めてインデックスを引き取りに来るが、それまでは上条さんに(彼個人としては不本意ながらww)預けておく形に。
インデックスがステイル達と過ごしていた時の記憶まで戻った訳ではないのが切ないですね。
インデックスにとっては、今までのように自分を襲う明確な敵ではなく、同じ必要悪の教会に所属する魔術師であるということは理解したでしょうが、上条さんを傷付けた相手ということで、やや警戒気味、ぐらいの関係になっているかと。
上条さんの病室に辿り着くインデックス。
『当麻・・・!!』
『あの・・・あなた、病室を間違えていませんか?』
知らない人を見る目で受け答えされたインデックスの表情が可哀相過ぎです。
これは、かつて記憶を消す処理を受けたインデックスに対してステイルや神裂が感じた喪失感と同じ気持ちなのだと考えてみると、印象深いですね。
『あれは、「記憶喪失」というより「記憶破壊」だね。思い出を忘れたのではなく、物理的に脳細胞ごと破壊されてるね。・・・あれじゃ、思い出すことはまず無いと思うよ。・・・まったく、頭蓋骨を開けて、スタンガンでも突っ込んだのかね?』
事前にカエル顔の医者に聞かされていたとは言え、信じたくない事実に愕然としてしまいます。
『あの・・・ひょっとして、俺たちって、知り合い?』
『当麻、覚えてない?私達、学生寮のベランダで会ったんだよ?』
『・・・俺、学生寮なんかに住んでたの?』
『当麻、覚えてない?当麻の右手で、私の「歩く教会」が壊れちゃったんだよ?』
『・・・「歩く協会」って何?散歩か何かのクラブ?』
『当麻、覚えてない?当麻は、私のために、魔術師と戦ってくれたんだよ?』
『・・・「当麻」って、誰の名前?』
『当麻、覚えてない?インデックスは・・・インデックスは、当麻のことが大好きだったんだよ?』
『・・・ごめん。「インデックス」って何?人の名前じゃないだろうから、俺、犬か猫でも飼ってるの?』
大好きだったという言葉にすら、何の反応も示さない上条さん。
切なすぎる!・・・かと思いきや。
『なーんつってなぁ!引っかかった!あっはっはっはっはっは。犬猫言われて、何感極まってんだ?』
『あれ?当麻、脳細胞が吹っ飛んで、全部忘れたんじゃ・・・。』
『だってさ、そのダメージってのも、魔術の力なんだろ?だったら話は簡単だ。てめぇの頭に右手を当てて、てめぇに向って「幻想殺し=イマジンブレイカー」をぶち当てちまえば問題ねぇ。・・・要はダメージが脳に届く前に、その魔術的なダメージを打ち消しちまえば良いってだけだろ?』
カエル顔の医者によって、はじめて上条さんの右手がイマジンブレイカーと命名される名場面ですね。
インデックスは思わずその場にへたり込んでしまいます。
それほど心配していたということが良く判りますが、調子に乗った上条さんの軽口にインデックスも怒りモード。
恒例の噛み付きを残して病室を去ります。
あいかわらず、親愛のアマガミというレベルじゃないですねww
これにて一件落着、めでたしめでたし・・・と思いきや、ここで終わらないのがこの作品の凄い所です。
『けど、アレで良かったのかい?・・・君、本当は何も覚えてないんだろう?確かに、あの事件のことは、2人に聞いたままを伝えたけど。』
『・・・俺、なんだかあの子にだけは、泣いて欲しくないな、って思ったんです。そう思えたんですよ。これがどういう感情か判らないし、きっと、思い出すことも出来ないんだろうけど・・・。確かに、そう思うことが出来たんです。案外、俺はまだ覚えてるのかも知れないですね。』
『君の思い出は、脳細胞ごと死んでいる。脳には情報は残っていないはずなんだけど・・・。なら、一体どこに思い出が残っているって言うんだい?』
『そりゃあ、決まってますよ。・・・心に、じゃないですか?』
やっぱり本当に記憶が無くなってしまった上条さん。
インデックスへの思いも、彼女のために頑張った事も、何もかもを忘れて尚、彼女のために一芝居打った上条さんに涙腺崩壊です。
果たして、上条さんの記憶が戻る事はあるのでしょうか?
誰もが望む、幸せな結末を守るため、彼女を傷付けないため、「記憶は失われていない」という演技をしたままで、どうやって生活を続けていくのか見守っていきたいですね。
ここまでで、インデックス編とでも言うべき原作1巻の内容はほぼ終了。
ここで止めておいて、余韻にひたりたかった気もしますね。
ステイルや神裂戦に比べると、山場の割にはちょっと短かった気が。
残りは次週から始まる姫神編への伏線とも言える内容に突入。
衛星破壊事件から一週間後、入り口のないビルの中で、水槽の中、逆さ吊り状態の人物と会話するステイル。
「アレイスター統括理事長。」
学園都市、ひいては科学サイドのトップに君臨する人物と会話を続けるステイル。
『君を英国から呼び戻した理由は、既にわかっていると思うが・・・マズイことになった。』
『ディープブラッド(=吸血殺し)・・・ですね?』
『いるかどうかもわからない、とある生き物を殺す能力を有する少女が、監禁されている。厄介なのは本来、この街に立ち入ってはならないはずの魔術師が関わったことだ。・・・魔術師の1人や2人、倒すことはたやすい。問題はそういうところではなく、我々科学側が、魔術師を倒してしまうという一点に尽きる。科学側と魔術側、お互いにそれぞれの技術を独占しているからこそ、今の世界のバランスがある。・・・仮に超能力者を統べる学園都市が、「魔術師を倒す」と言い張れば、どうなるかは明白だろう?』
『なるほど、魔術師の僕が魔術側の人間を潰す分には、何の問題もない・・・ということですか。』
『それに魔術師にとっての、「天敵」となる1つを、私は保有している。』
『イマジンブレイカー・・・。けれど、超能力者を使うのは、マズイのでは?』
『問題ない。あれはレベル0。無能力者だ。価値ある情報は何も持っていない。君と行動を共にしたところで、こちらの情報が漏れる恐れはない。』
『それは・・・「あの少年と組め」という意味ですか?』
『あれにはそちらの技術を理解し、再現する程の能もない。ゆえに、君達の情報が漏れる事もない。』
『・・・わかりました。ですが、ディープブラッドなんてものが、本当に存在するんですか?もし仮に存在するのであれば、それは・・・。』
『殺すべき、とある生き物が存在することを証明してしまう。』
『吸血鬼・・・。』
『オカルトは我々ではなく、君達の領分だと思うのだが。さて、ディープブラッドが、吸血鬼の存在を証明したというならば、イマジンブレイカーは、一体何を証明してくれるのだか・・・。』
唇を歪めるアレイスターが意味深ですね。
神の奇蹟をも打ち砕く幻想殺しが存在するということは・・・。
また、ここまで事態を把握する情報網を持って、更には魔術側との接点を持つアレイスター達が、禁書目録に関する一件について全く知らなかったはずはないでしょう。
上条さんの力についても本人以上に理解しているに違いありません。
魔術側に協力を要請され、ステイル達の侵入を黙認したり、その他の取引があったと想像するに難くないかと。
次回、第7話、『三沢塾(かがくすうはい)』も楽しみですね。
この当て字はさすがに読めませんww
原作2巻に突入ということで、新ヒロイン姫神が参入!
美琴だけでなく、インデックスの出番が減りそうで心配です。
今回は特に重要なお話だと思ったので、セリフ部分がいつも以上に長くなってしまいました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
上条さんの想いは、インデックスに届くのか?
そして、誰もが望むハッピーエンドは訪れるのか?
予想外の結末に驚かされるお話です。
『まさか・・・。』
『何であの子が、魔術を・・・。』
『決まってんだろうが!インデックスは魔術を使えないなんて、教会が嘘ついてやがっただけだろうが!・・・ああそうだよ、インデックスは一年ごとに記憶を消さないと助からないってのも大嘘だ!こいつの頭は、教会の魔術に圧迫されてただけなんだ。そいつを打ち消しちまえば、もう記憶を消す必要なんか無くなっちまうんだよ!冷静に考えてみろ。禁書目録なんて、残酷な役目をこいつに背負わせやがった連中が、てめぇら下っ端に心優しく真実を全部話すとか思ってんのか!?』
駆けつけた2人に状況を説明する上条さん。
信じていた組織に裏切られ、驚きを隠せない2人が哀れです。
インデックスの攻撃を相殺する上条さんですが、あまりの大出力に身動きが取れません。
ルーンの札を展開し、上条さんの背に手をかけるステイル。
上条さんの言葉を聞かされてもなお、危険な賭けに出るよりも、ここで上条さんを無力化して、予定通りインデックスの記憶を消した方が、彼女を生かすには安全かもしれないという思いがまだあった様ですが、
『たった1つだけ答えろ。魔術師!てめぇはインデックスを助けたく無いのかよ!?てめぇらずっと待ってたんだろ?インデックスの記憶を奪わなくて済む、インデックスの敵に回らなくても済む・・・そんな誰もが笑って、誰もが望む、最高なハッピーエンドってヤツを!今まで待ち焦がれてたんだろ!こんな展開を。何のためにここまで歯を食いしばってきたんだ!てめぇのその手で、たった一人の女の子を助けてみせるって誓ったんじゃねぇのかよ!おまえらだって主人公の方が良いだろ。脇役なんかで満足してんじゃねぇ!命を懸けて、たった一人の女の子を守りてぇんじゃないのかよ!・・・だったらそれは、全然終わってねぇ。始まってすらいねぇ!ちょっとぐらい長いプロローグで、絶望してんじゃねぇよ!手を伸ばせば届くんだ!・・・いい加減にはじめようぜ、魔術師!』
上条さんの叫びについに神裂が行動を起こします。
『サルバーレ000(Salvare000=救われぬ者に救いの手を)』
魔法名を名乗った神裂の援護でインデックスの攻撃の射線がずれます。
インデックスが笑える未来を守る事。
神裂が名乗りを上げるにふさわしい戦いが、まさに今繰り広げられているということでしょう。
ちなみに、大気圏外にまで届いた攻撃は、人工衛星を破壊してしまうほどの威力。
小萌先生のお住まいもエラい事にww
『これは・・・「ドラゴンブレス=竜王の殺息」!伝説にある聖ジョージのドラゴンの一撃と同意です!それに一枚でも触れてしまえば、大変なことに!』
光線本体でなくとも、その余波の羽状の物質に触れただけでも大ダメージという訳ですね。
10万3000冊の知識があるからこそ、このような大破壊力を持つ高度な魔術を使えたのでしょう。
一度は攻撃をそらされたとはいえ、更に攻撃を重ねるインデックス。
『行け!能力者!』
イノケンティウスで防御を受け持つステイル。
上条さんの言葉を聞き、神裂の行動を見て、彼も決意を固めたようです。
十字教を力の源泉としたステイルの術式を逆算し、それを打ち消す術式『エリ・エリ・レマ・サバクタニ=神よ、何故私を見捨てたのですか』で対抗するインデックス。
これが必要悪の教会が本来用いる、対魔術戦用の知識の使い方、という訳ですね。
ステイルの魔術が無効化されてしまうまでの僅かな時間を利用し、インデックスの元に駆け寄る上条さん。
『・・・神様。この物語(せかい)が、あんたの作った奇蹟(システム)の通りに動いてるってんなら・・・まずは!その「幻想」を、ぶち殺す!!』
『「首輪」・・・致命的な・・・破壊・・・再生不可・・・。』
インデックスの頭部に触れ、彼女を暴走状態に追いやった原因である霊装、「首輪」を破壊する上条さん。
戦闘力にたける神裂やステイルでも、インデックスを傷付けずに首輪を破壊することは出来なかったと思います。
上条さんの想いと、右手の力があったからこそ、彼女を救うことが出来たという感じですね。
正確には、顔の前面に展開していた魔方陣に触れたことで消滅したのかもしれませんね。
10万3000冊を守るため、生命を維持させるためにかけられた魔術、「自動書記=ヨハネのペン」の力も、首輪が破壊されたことで解けたのではないかと。
インデックスを抱き起こし、ようやく一安心と思ったのも束の間、舞い落ちる羽の1枚が、上条さんの頭を直撃!
崩れ落ちる上条さん。
コミック版だと、インデックスの頭に羽が当たりそうになったところを、上条さんが自分から頭をぶつけて守る、という描写になっているので、個人的にはそっちの方が演出的に良かった気もします。
数日後、上条さんが運び込まれた病院にお見舞いに来るインデックス。
ステイルから上条さんに教会のその後を報告する手紙が届いていましたが、インデックスは上条さんに渡す前に、中身を読んでしまいます。
インデックスを連れ戻したがっていたものの、ステイルたちを騙していたことを問われると、手のひらを返したように現状維持=様子見に。
ステイル達自身は、情報と、しかるべき装備を整えたら、改めてインデックスを引き取りに来るが、それまでは上条さんに(彼個人としては不本意ながらww)預けておく形に。
インデックスがステイル達と過ごしていた時の記憶まで戻った訳ではないのが切ないですね。
インデックスにとっては、今までのように自分を襲う明確な敵ではなく、同じ必要悪の教会に所属する魔術師であるということは理解したでしょうが、上条さんを傷付けた相手ということで、やや警戒気味、ぐらいの関係になっているかと。
上条さんの病室に辿り着くインデックス。
『当麻・・・!!』
『あの・・・あなた、病室を間違えていませんか?』
知らない人を見る目で受け答えされたインデックスの表情が可哀相過ぎです。
これは、かつて記憶を消す処理を受けたインデックスに対してステイルや神裂が感じた喪失感と同じ気持ちなのだと考えてみると、印象深いですね。
『あれは、「記憶喪失」というより「記憶破壊」だね。思い出を忘れたのではなく、物理的に脳細胞ごと破壊されてるね。・・・あれじゃ、思い出すことはまず無いと思うよ。・・・まったく、頭蓋骨を開けて、スタンガンでも突っ込んだのかね?』
事前にカエル顔の医者に聞かされていたとは言え、信じたくない事実に愕然としてしまいます。
『あの・・・ひょっとして、俺たちって、知り合い?』
『当麻、覚えてない?私達、学生寮のベランダで会ったんだよ?』
『・・・俺、学生寮なんかに住んでたの?』
『当麻、覚えてない?当麻の右手で、私の「歩く教会」が壊れちゃったんだよ?』
『・・・「歩く協会」って何?散歩か何かのクラブ?』
『当麻、覚えてない?当麻は、私のために、魔術師と戦ってくれたんだよ?』
『・・・「当麻」って、誰の名前?』
『当麻、覚えてない?インデックスは・・・インデックスは、当麻のことが大好きだったんだよ?』
『・・・ごめん。「インデックス」って何?人の名前じゃないだろうから、俺、犬か猫でも飼ってるの?』
大好きだったという言葉にすら、何の反応も示さない上条さん。
切なすぎる!・・・かと思いきや。
『なーんつってなぁ!引っかかった!あっはっはっはっはっは。犬猫言われて、何感極まってんだ?』
『あれ?当麻、脳細胞が吹っ飛んで、全部忘れたんじゃ・・・。』
『だってさ、そのダメージってのも、魔術の力なんだろ?だったら話は簡単だ。てめぇの頭に右手を当てて、てめぇに向って「幻想殺し=イマジンブレイカー」をぶち当てちまえば問題ねぇ。・・・要はダメージが脳に届く前に、その魔術的なダメージを打ち消しちまえば良いってだけだろ?』
カエル顔の医者によって、はじめて上条さんの右手がイマジンブレイカーと命名される名場面ですね。
インデックスは思わずその場にへたり込んでしまいます。
それほど心配していたということが良く判りますが、調子に乗った上条さんの軽口にインデックスも怒りモード。
恒例の噛み付きを残して病室を去ります。
あいかわらず、親愛のアマガミというレベルじゃないですねww
これにて一件落着、めでたしめでたし・・・と思いきや、ここで終わらないのがこの作品の凄い所です。
『けど、アレで良かったのかい?・・・君、本当は何も覚えてないんだろう?確かに、あの事件のことは、2人に聞いたままを伝えたけど。』
『・・・俺、なんだかあの子にだけは、泣いて欲しくないな、って思ったんです。そう思えたんですよ。これがどういう感情か判らないし、きっと、思い出すことも出来ないんだろうけど・・・。確かに、そう思うことが出来たんです。案外、俺はまだ覚えてるのかも知れないですね。』
『君の思い出は、脳細胞ごと死んでいる。脳には情報は残っていないはずなんだけど・・・。なら、一体どこに思い出が残っているって言うんだい?』
『そりゃあ、決まってますよ。・・・心に、じゃないですか?』
やっぱり本当に記憶が無くなってしまった上条さん。
インデックスへの思いも、彼女のために頑張った事も、何もかもを忘れて尚、彼女のために一芝居打った上条さんに涙腺崩壊です。
果たして、上条さんの記憶が戻る事はあるのでしょうか?
誰もが望む、幸せな結末を守るため、彼女を傷付けないため、「記憶は失われていない」という演技をしたままで、どうやって生活を続けていくのか見守っていきたいですね。
ここまでで、インデックス編とでも言うべき原作1巻の内容はほぼ終了。
ここで止めておいて、余韻にひたりたかった気もしますね。
ステイルや神裂戦に比べると、山場の割にはちょっと短かった気が。
残りは次週から始まる姫神編への伏線とも言える内容に突入。
衛星破壊事件から一週間後、入り口のないビルの中で、水槽の中、逆さ吊り状態の人物と会話するステイル。
「アレイスター統括理事長。」
学園都市、ひいては科学サイドのトップに君臨する人物と会話を続けるステイル。
『君を英国から呼び戻した理由は、既にわかっていると思うが・・・マズイことになった。』
『ディープブラッド(=吸血殺し)・・・ですね?』
『いるかどうかもわからない、とある生き物を殺す能力を有する少女が、監禁されている。厄介なのは本来、この街に立ち入ってはならないはずの魔術師が関わったことだ。・・・魔術師の1人や2人、倒すことはたやすい。問題はそういうところではなく、我々科学側が、魔術師を倒してしまうという一点に尽きる。科学側と魔術側、お互いにそれぞれの技術を独占しているからこそ、今の世界のバランスがある。・・・仮に超能力者を統べる学園都市が、「魔術師を倒す」と言い張れば、どうなるかは明白だろう?』
『なるほど、魔術師の僕が魔術側の人間を潰す分には、何の問題もない・・・ということですか。』
『それに魔術師にとっての、「天敵」となる1つを、私は保有している。』
『イマジンブレイカー・・・。けれど、超能力者を使うのは、マズイのでは?』
『問題ない。あれはレベル0。無能力者だ。価値ある情報は何も持っていない。君と行動を共にしたところで、こちらの情報が漏れる恐れはない。』
『それは・・・「あの少年と組め」という意味ですか?』
『あれにはそちらの技術を理解し、再現する程の能もない。ゆえに、君達の情報が漏れる事もない。』
『・・・わかりました。ですが、ディープブラッドなんてものが、本当に存在するんですか?もし仮に存在するのであれば、それは・・・。』
『殺すべき、とある生き物が存在することを証明してしまう。』
『吸血鬼・・・。』
『オカルトは我々ではなく、君達の領分だと思うのだが。さて、ディープブラッドが、吸血鬼の存在を証明したというならば、イマジンブレイカーは、一体何を証明してくれるのだか・・・。』
唇を歪めるアレイスターが意味深ですね。
神の奇蹟をも打ち砕く幻想殺しが存在するということは・・・。
また、ここまで事態を把握する情報網を持って、更には魔術側との接点を持つアレイスター達が、禁書目録に関する一件について全く知らなかったはずはないでしょう。
上条さんの力についても本人以上に理解しているに違いありません。
魔術側に協力を要請され、ステイル達の侵入を黙認したり、その他の取引があったと想像するに難くないかと。
次回、第7話、『三沢塾(かがくすうはい)』も楽しみですね。
この当て字はさすがに読めませんww
原作2巻に突入ということで、新ヒロイン姫神が参入!
美琴だけでなく、インデックスの出番が減りそうで心配です。
今回は特に重要なお話だと思ったので、セリフ部分がいつも以上に長くなってしまいました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。