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明日から俺らがやってきたの感想レビュー(ライトノベル)

2012年02月20日 14時53分56秒 | ライトノベル・小説
電撃文庫のラノベ、『明日から俺らがやってきた』(高樹 凛先生原作、ぎん先生イラスト)が発売中です。
第18回電撃小説大賞の電撃文庫MAGAZINE賞受賞作品ということで、チェックされていた方も多いのではないかと思います。

表紙はメインヒロインの高瀬さん。
見た目的にはクールビューティーで、氷の女王という二つ名まで持ち合わせている彼女には黒いタイツが良く似合っていますが、リボンやインナーのチョイスは可愛い系で、彼女本来の人となりがにじみ出ている気もしますね。
俺も高瀬チョップでツッコミされてぇw

お話的には、進路希望で悩む主人公真人の元に、タイトル通り6年後の未来から成長した自分がやってきて、うまくいっていない自分の様な人生を送らないよう、別の進路を選ばせようとする…というタイムスリップ系ボーイ・ミーツ・ガールラブコメです。
どうやって時空間を越えてきたのか?といった論理的な理由説明はなく、単純にシチュエーションコメディとして楽しむのが吉かと。
俺「ら」というタイトル通り、未来から来た自分は1人ではなかったというのが本作の大きなポイント。
ひとりは、楽な推薦合格の道を選んで大学デビューを決め、女の子とも楽しく遊びまくれるようになったものの、卒業後は定職にも就けず、典型的なチャラ男になってしまった『推薦』。
もう1人は、推薦は蹴ってガリ勉して良い大学に入ったものの、高校→大学と華のある青春を謳歌出来ず、女性との接し方がわからない、むしろ女性恐怖症になってしまった『受験』。
正反対の二人の意見に翻弄される中、高瀬さんとであった事で、第三の選択肢を選ぶ事を思い立った真人の運命やいかに?といった展開です。

『あの時の選択でああしていれば良かった』というのは誰でも一度ならず経験のあることだと思いますが、高校生の真人にとってはそれが受験だったというわけで。
男子高校生にとっての重大事としてはベタといえ定番ですし、もう1つの定番とも言える恋愛と絡ませる事で物語を膨らませようという趣旨はわかりやすく、感情移入しやすいと思います。

これだけの美人さんがクラスに居たら、男女問わずクラスメイトがほっておかないだろうというレベルの容姿&スタイルな高瀬さんですが、とある理由でクラスの輪に積極的に入り込もうとせず、孤高の存在だった彼女をクラスになじませようとする真人の優しさが、ほのかに芽生え始めた恋心とともに丁寧に綴られていたのが好印象でした。
ぶっちゃけ、かなりトントン拍子にお話が進みますし、出る杭は打たれるを地でいくいじめ問題が発生して…という流れは王道な分、目新しさは感じませんでしたが、会話やイラストから受ける高瀬さんのイメージがとても可愛らしく、そんな彼女をトラブルから守ってあげたいという真人を、自然と応援したくなってしまいました。

高瀬さんとは反対に、ノリが良くクラスの人気者である寿さんと、正統派美少女要素を凝縮した高瀬さんの妹、優の2人も登場しますが、この2人は物語を回す為の役回りに徹しているイメージでしたね。
2巻があるなら、もう少し真人自身と絡んでくるのも面白そうかなと思いますが、本命の女の子一筋で頑張るからこその誠実さや初々しさというものもあるでしょうし、現段階ではこれで良かったかと。

真人自身はいたって普通の高校生ですし、状況に対して取り得る選択肢も決して多くは無いわけですが、そこをフォローするのが6年後の自分たる2人の俺ら!という見せ方には説得力がありました。
自分のことを一番理解しているのは自分自身、というわけで、当然といえば当然なのですが、それが比喩的ではなく、直接的な対話相手として存在しているからこその面白みが十分に描かれていたと思います。
彼らのアドバイスに耳を傾けつつ、より良い未来を掴み取ろうとする真人と、その姿を眩しく思いながら見守る2人の、衝突あり、和解ありの友情にも似た関係が変化していく様子が面白かったです。
真人にとっては自分探しに、2人にとっては自分自身を見つめなおすことにそれぞれ繋がっているというのも上手かったなと。

クライマックス部分からエピローグ部分にかけての展開やオチのつけ方も、伏線に沿った展開で良かったと思います。
あれやこれやとブレさせずに、真人の進路と恋心というテーマに絞って描かれていた分、シンプルで判りやすかったです。
多少、教科書の標語的な美辞麗句でまとめられた印象が強くなってしまった気もしますが、その辺りは2巻以降の掘り下げや新キャラによる肉付けに期待!という感じですね。
例えば、更に別の未来から違った自分がやってくるだとか、真人以外のキャラが成長した姿で現れるという展開であれば、比較的綺麗に終わった感のある今巻からでもつなげていく事が出来そうかなと思います。
会話文のテンポも良く、非常に読みやすい仕上がりだったのも好印象でした。


気になった方は是非、チェックなさってみて下さいませ。

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