通訳案内士の気ままな生活

現役通訳ガイドのブログです。プライベートから気になる収入などの話まで!?包み隠さずお話します!

10/25日経新聞のコラム

2010-10-27 14:13:02 | 通訳案内士のあり方
10月25日(月)の日本経済新聞の法務インサイドというコラムで
インバウンド業界の実態に警告を促す記事が載りました。

要点は
①中国からのツアーは日本の業者を通さない手配が多い。
②ランドオペレーターという手配業者の開業は自由。取り締まりできない。
③安売り競争で、5泊6日ツアーが50000円ほどで売られている。
④利益が出ないのでキックバック(売上げに応じた謝礼)の多いお土産屋さんに立ち寄る。食事の質を落とす。
⑤観光庁は外国の旅行会社が手配した日本の旅行業者が絡まないツアーは品質保護の必要無しとの立場。(自然淘汰に任せる)
⑥通訳案内士法違反の無資格ガイドも野放し
⑦無資格ガイドを法的に認めて、研修などで本質確保をしようとしているが具体策は無し。
⑧単に野放しな状況を追認するに終わる可能性が高い。
⑨「ガイドは大げさに言えば、国を代表して日本の文化や精神を外国人に伝える仕事」東洋大学国際観光学科島川准教授
⑩自然淘汰などを待っていては他国との観光客誘致の「観光大競争」に出遅れてしまう。

ということです。
いい記事だと思います。強いて言えば、海外からの違法ガイドが格安もしくは無償(お土産屋さんからの謝礼だけで数十万もらえるから)でガイドをしていて
彼らとの不当な価格競争のおかげで
正規の通訳案内士の数は十分に居るにも関わらず
稼動ができない人が多いという現状を
正確に伝えていただければ完璧です。

この問題をもっとマスコミに取り上げていただき
みなさんに考えていただきたいです。


中国人業者とのルール無視の価格競争
    ↓
旅行業者、通訳案内士ともに厳しい状況
    ↓
質を低下させて生き残りの価格競争するしかない


これが正しい状況でしょうか?
監督官庁の存在意義は?
監督官庁や無駄な法律が無ければ、私達も反撃できますが
法やルールを守っていたら、私達は不戦敗です。
無法状態で戦うよりも
全員が法を遵守し、適正な競争が行われるように
監督官庁が仕事をするべきでしょう。


法整備

適正な運営

適正な競争

顧客、旅行会社、通訳案内士とも健全な状態

これが一番いいですよ。


通訳案内士の必要性が軽視されれば
通訳案内士は廃業し、他の仕事をするだけです。
そして無資格の誰でもできちゃう新ガイドだけが残ります。
彼らが新しい日本の顔になります。


旅行業者の方は価格競争が激化すれば自分がリストラされるという認識はあるのでしょうか?
レストランや、ホテルの方、バス会社さんや観光施設さんも今は
「ガイドさんからお客さんに○○を注意してください」
なんて言えますが
日本語の通じない外国人だけのマナーの悪いグループに
通訳案内士無しで対応できますか?
そして、そんな野放しな観光客が街中に溢れることを
一般の皆さんはどう思いますか?

通訳案内士は観光庁や都道府県知事の監督の下
正規の旅行会社とともに法令を遵守してツアーをします。
クレームなども真摯に受け止め対応する義務があります。

無資格業者や無資格ガイドには
何の責任もありません。
旅行会社だけでなく
コンプライアンスを謳っている
大手のバス会社さんや、レストランさんも
法令無視の業者と取引するということは
どういうことなのかしっかり考えてください。
これは国民の皆さん全体の問題です。

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