Along with the Mekong

メコン川の流れのように

キル 千秋楽

2008年01月31日 | なんでもない日常のこと
さえない年明けの一月だった。体調が悪いわけではないけれど、大小さまざまなむかつく出来事が続いて、ずーっと何かに腹を立てていた。とくに、自分に対して、一番腹を立てていた。これまでに経験したことがないような、わけもなくむしゃくしゃしてしまう時もあって、こりゃ変な霊にとりつかれてんじゃないのだろーか、誰かの怨念を受けてんじゃないだろーかと不安になり、お払いにでも行こうかと真剣に考えてしまう、そんな日々。

で、そんなどんよりの一月も終わりの今日、野田地図『キル』の千秋楽の特等席というプラチナチケットが舞い込んできて、お払い代わりに行ってきた。

野田さんの千秋楽だもん、と、「長崎は今日も雨だった」を口ずさみつつ劇場へ。(これ、わかる人はかなり年季の入った野田ファンでっす)

もう「長崎・・・」はなかったけれど、「いつもより余計に走ってまぁす」みたいな、パワー全開の舞台に酔う。気持ちいい。ただ、ワタシの中ではテムジンはやっぱり堤真一。堤真一のテムジンは、草原を駆ける戦士の空気を纏っていた。妻夫木クンもがんばっていたけれど、どうも温室栽培の観葉植物っぽい。骨太さにちょいと欠ける。でも、ま、野田さんの舞台だから、もちろんたっぷり楽しませていただいたわけで、こういう演劇が同時代に存在してくれていることに感謝しつつ、延々と続くスタンディングオベーションに素直に同調する。

ラストシーンの突き抜けるほどの明るさに、少しは厄も払えたような気がしないでもない。2月になったら心機一転、不必要なまでに元気な、いつものmameに戻りますぞよ。パワーをくれて、アリガト、野田さん。

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