Along with the Mekong

メコン川の流れのように

なんのための世界史

2006年11月01日 | なんでもない日常のこと
必修科目の世界史を履修させていない高校が540校を越え、このままだと卒業できない高校生は83000人にも及ぶと、大騒ぎになっている。責任を感じて自殺する校長まであらわれた。政府では、この不足した単位を70時間でよしとするか、「生徒には罪がないのだから50時間で」とかなんとかやっている。なんか違ってないか。

受験を目前に、自分の責任外の理由で卒業そのものが揺らいでいる学生には心から同情する。学校が定めた単位を修得していれば卒業させてやればいいじゃん、と思う。だって問題は、履修単位どうこうではないはずではないか。

この機会に、なぜ世界史が必修科目になったのか、そこのところをもっとちゃんと考えるべきではないのかしら。世界史を知らなさ過ぎる日本人が世界に出て行ったときに、どれほど恥をかくことになるのか。世界史を知らないまま海外に出れば、日本の恥を世界中にばら撒くことになる。政府が本当に国益を考えているのなら、世界史の知識の必要性は、単位数なんかで議論されるべきことではない。

20代のお嬢さん二人を連れてベトナムに行ったことがある。二人とも大学を出た学士様だ。ベトナムに行きたいと言い出したのは彼女達だし、事前にホーチミンのファッションストリート、ドンコイ通りのショップ情報も丹念に調べ上げていた。それが、ホーチミン像の前で「えー、ホーチミンって人の名前だったのぉ」と驚き、戦争記念館では「ベトナムって、どこの国と戦争したんですか」と聞いてきた。

ワタシはこのとき、日本は「出国試験」をするべきではないかとマジで思った。渡航先の国に関する最低限の知識がなかったら、その国には行かせないの。試験に落ちた渡航不適者は日本国内の空港からスゴスゴと帰ってくるっていうの、どーかしら。そのくらいしないと、日本の経済力、技術力と、世界史知識というか世界史の常識との格差は埋まらない気がする。

そしてニッポンの周りには、ワタシタチの教科書どころではない、ものすごい偏った歴史教育を受けている厄介な隣人が住んでいて、いつでも大人しいワタシタチをいいまかせ、ねじ伏せようとしていることを忘れちゃいけない。彼らの言いなりにならないためにも、ワタシタチはちゃんと歴史を学ばなくてはいけない。

実は、ワタシも高校時代、あまりきちんと歴史を学んでいない。日本史は縄文時代以前から始まるから、卒業までに第一次世界大戦までしか進まなかった。世界史もそんなものだったと思う。幸いにして、両親が戦争体験世代で、父は中国からの引き上げということもあって、近現代史はほぼ家庭内学習だった。だから偉そうなことはいえないが、今こうなってみると世界史の知識は本当に必要だと思うし、あるとないとでは、海外旅行だって楽しさが違うことも確かだ。

世界史を必修科目にしている理由を学生達にちゃんと説明し、受験が終わったら、自習でもいいから世界史を勉強しなくてはという気持ちにさせて欲しい。政府は、補修時間を何時間にするかなんてことに時間を費やすのではなく、なぜ世界史を必修科目にしているのかを、もっと声高に、もっと明確に説明して欲しいと思うのは、ワタシだけなんだろうか。

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1 コメント

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半ば賛成。 (白鳥大根)
2006-11-02 10:03:07
隣国の偏った反日教育しているところに対して、必ず洗脳されぬようにする教育は必要だよねえ。

全世界どこでもおそらく、中卒だろうが大学院卒だろうが、学歴関係なく、履修科目に関係なく外国にいけるだろうし。

例えばヨーロッパ人が日本と中国がバスで何時間と思っているのとか、ジャッキーチェンが日本人だと思っているのは、日本人から見てどうだろう?恥?

ただ、その20代のおねえちゃん2人に対して憤る気持ちはよーくわかります!
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