学習は脳にダメージを与えるというちょっと衝撃的なニュースが発表されました(MSN産経ニュース)。新しい環境を探索しようとしたり、難しい内容を理解しようとしたときなどに、脳の細胞ではDNAレベルの物理的な損傷が生じている可能性があるという研究結果が発表されたというものです。難しい記事などを読むと頭が痛くなる、と言う人は多いかもしれませんね。「Nature Neuroscience」に発表された論文によると、マウスの脳が活動状態にあるとき、具体的にはマウスに新しい環境を探索させた後に、損傷の兆候が増加することがわかったというのです。このDNA損傷は、「二重鎖切断(double-strand break)」という種類のものだそうで、DNAの二重らせんが両方とも切れ、1個のDNA分子が2つに分かれてしまう損傷とのことです。刺激の多い環境におかれたマウスには、DNA損傷がより多くみられることが確認され、そのようなマウスでは、40%もの細胞に損傷の兆候を示すDNAが見つかったというのです。しかし、この損傷は1日以内に修復されるため、問題は一時的なものに終わるはずだと考えられるそうです。また他の複数の研究から、知的に活発であり続けると、老化に伴って生じる一般的な種類の認知機能低下を防ぐのに効果があることが明らかになっています。しかし今回の研究は、アルツハイマーの病態に関連づけられる損傷が増えると、修復システムによる修復が追いつかなくなり、病気の進行に寄与する可能性を示唆しているとも。無理やり勉強するというのは考えものなのでしょうか。
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