全身の筋肉が萎縮する「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)のモデル動物が開発されました(MSN産経ニュース)。しかも、人間と同じ霊長類のサルで。ALSは運動神経の細胞が死んで筋肉のまひや萎縮が全身に広がり、呼吸困難に陥る原因不明の難病です。あの有名な物理学者のホーキング博士が闘病していることで知られ、国内患者は約8500人とされています。マウスなどの実験動物で症状を再現できないことが治療法開発の壁になっていました。モデル動物確率の鍵となったのは、遺伝子の転写調節などに関わる「TDP43」というタンパク質だそうです。このタンパク質を作る機能を持たせたウイルスをカニクイザルの脊髄の運動神経細胞に注入し、ALSと同じ症状を起こさせることに成功したそうです。このタンパク質は本来、神経細胞の核内にあるが、患者の細胞では核外の細胞質に局在する異常がみられるそうです。ALS症状を示したサルの細胞でも同じ異常がみられ、これが発症の引き金になったことが分かったそうです。同様の異常は一部の認知症患者の脳細胞でも確認されているとも。ALSの症状を再現できる実験動物は世界初で、治療法の開発に向けての研究が加速することは間違いなさそうですね。
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